2025年4月時点で日本のヨーグルト1個400gの平均価格は184.1円で、過去1年で+1.879%の上昇を記録しています。地域別では松江や那覇などが高価格帯に位置し、府中や所沢などが低価格を維持しています。価格上昇の背景には原材料費や輸送費の高騰、為替の影響、そして乳業界の再編などがあり、今後も緩やかな上昇が予想されます。地域ごとの価格差や市場の課題をもとに、今後の動向を多角的に解説します。
小売物価統計
ヨーグルト小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 松江 | 那覇 | 水戸 | 宇部 | 盛岡 | 旭川 | 宇都宮 | 函館 | 秋田 | 山形 |
最新値[円] | 184.1 | 234 | 230 | 207 | 206 | 204 | 203 | 203 | 203 | 200 | 200 |
前年同月比[%] | +1.879 | +4.933 | -2.128 | +6.154 | +1.478 | +5.699 | +4.639 | +5.729 | +23.03 | +5.263 | +4.167 |
ヨーグルト小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 府中 | 所沢 | 高松 | 今治 | 柏 | 長岡 | 鹿児島 | 八戸 | 川崎 | 新潟 |
最新値[円] | 184.1 | 162 | 165 | 167 | 170 | 170 | 170 | 170 | 171 | 171 | 171 |
前年同月比[%] | +1.879 | +1.887 | -4.07 | +4.375 | -0.585 | +4.938 | -0.585 | +8.917 | -5 |
ヨーグルトの推移


詳細なデータとグラフ
ヨーグルトの現状と今後
2025年4月時点で、ヨーグルト1個400gの全国平均小売価格は184.1円となっています。データは2020年1月からの推移を含んでおり、直近の価格変動としては前年同月比で+1.879%と、やや緩やかな上昇が見られます。
地域別に見ると、高価格帯の地域では、
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松江(234円)
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那覇(230円)
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水戸(207円)
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宇部(206円)
といった地方中核都市が目立ち、物流コストや地域的な需給関係が価格に影響を及ぼしていると考えられます。
1方、低価格帯では、
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府中(162円)
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所沢(165円)
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高松(167円)
など、比較的流通網の整った都市圏で価格が抑えられています。地域差は最大で70円以上となり、地方経済や消費スタイルの違いも価格に反映されています。
過去の推移と価格変動要因
2020年以降のヨーグルト価格は、大きな上下はなくともじわじわと上昇傾向にあります。特に、以下の要因がその背景にあります。
原材料価格の上昇
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生乳価格の上昇は不可避であり、特に酪農家の高齢化や飼料価格の高騰(トウモロコシや大豆など輸入品)による影響が顕著です。
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自給率の低い日本では、円安により輸入コストが上がると、乳製品価格全体に波及します。
輸送・エネルギーコストの増加
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地方での価格が高騰している1因に、冷蔵輸送の燃料費や人件費の上昇が挙げられます。特に冷蔵食品は温度管理コストが高いため、地方の末端価格に上乗せされやすい傾向です。
消費者志向の変化
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健康志向の高まりで「機能性ヨーグルト」や「プロバイオティクス入り商品」が人気を博しており、プレミアム価格帯の製品が市場に多く流通するようになっています。これも平均価格の押し上げ要因です。
現在の地域差の背景と問題点
地域間での価格差が極めて大きい点は、政策的な課題でもあります。
地方の高価格:需給バランスと物流コスト
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松江や那覇といった地方都市では、流通の不利や小売店舗の数の少なさから競争が生まれにくく、高価格が定着しやすい傾向があります。
都市部の低価格:競争と大手スーパーの影響
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首都圏や関東の都市では、ディスカウント志向が強く、大手スーパーによる価格競争が激化しています。そのため、比較的価格が安定または低く抑えられているのが特徴です。
地域価格の変動幅
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函館(+23.03%)のように単年で2桁の価格上昇を記録する地域もあります。これは1部ブランド製品の入れ替えや輸送ルートの変化、地元スーパーの仕入れ戦略による影響が考えられます。
今後の価格動向と期待される展開
緩やかな上昇が基本線
今後も、急激な値上げというよりはインフレ率に準じた緩やかな上昇が続くと見られています。特に乳製品の価格は、輸入依存度と生産者の高齢化を受けて、今後もコスト上昇圧力がかかりやすい分野です。
原材料の調達構造と国内自給の課題
乳牛の飼育コストや土地コストが高いため、国産ヨーグルトのコスト構造は脆弱です。政府による補助金政策や、乳業メーカーのサプライチェーン改革が価格安定の鍵になります。
消費者の行動変化への対応
「内容量を減らして価格を維持する」いわゆる実質値上げも今後ますます増える可能性があり、400gヨーグルトのサイズにも変更が起きる可能性があります。
まとめ
ヨーグルト400gの小売価格は2025年時点で184.1円という水準にありますが、背後には複数の社会経済的課題が存在しています。
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地域差は最大70円以上
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上昇の背景は原材料・輸送コスト、為替、健康志向の変化
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今後は緩やかな上昇が継続しつつ、実質的な値上げの傾向が強まる可能性
価格の安定と品質の両立には、生産と流通の抜本的な改革が求められます。また、消費者としても賢い選択をするリテラシーが問われる時代に入ってきているといえるでしょう。
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