日本におけるマット1枚の平均価格は2025年3月時点で1,294円。高松や富山などの地方都市では2,000円超と高めで、山形や前橋などでは1,000円以下と低価格傾向が見られる。価格差の背景には物流コスト、地域の購買傾向、地元販売戦略などが影響。今後は再生素材やEC普及による価格均一化も期待される。
小売物価統計
マット小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 高松 | 富山 | 岡山 | 長崎 | さいたま | 金沢 | 青森 | 鹿児島 | 鳥取 | 東京都区部 |
最新値[円] | 1285 | 2251 | 2001 | 1949 | 1731 | 1692 | 1668 | 1621 | 1555 | 1546 | 1476 |
前年同月比[%] | -2.807 | -14.02 | +4.164 | +19.72 | +13.43 | +0.178 | -1.94 | +4.53 | -5.747 |
マット小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 山形 | 前橋 | 熊本 | 高知 | 新潟 | 札幌 | 名古屋 | 大分 | 秋田 | 那覇 |
最新値[円] | 1285 | 730 | 812 | 831 | 955 | 985 | 1008 | 1042 | 1058 | 1078 | 1078 |
前年同月比[%] | -2.807 | -14.35 | -6.839 | -3.633 | -20.88 |
マットの推移


詳細なデータとグラフ
マットの家具現状と今後
2025年4月現在、日本全国におけるマット1枚の平均価格は1,285円。しかし、地域ごとの小売価格には約3倍近い格差があり、最も高い高松(2,251円)と最も安い山形(730円)の差は1,500円以上にのぼります。
高価格帯には、高松、富山、岡山、長崎などが並び、低価格帯には山形、前橋、熊本、高知、新潟などが位置します。地方と都市の区別なく価格差が見られるのが特徴であり、地場流通体制や製品の種類、消費者層のニーズの違いが影響していると考えられます。
価格上昇・下落の動向とその背景
高価格帯地域の傾向
高松(2,251円)や岡山(1,949円)では、前年よりも価格が大幅に上昇(+19.72%)または下落(-14.02%)しています。背景には以下の要因があると推察されます:
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高品質商品のシフト:マットの中でも吸水性・抗菌性など機能性を備えた高価格帯商品の人気が上昇。
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地元業者による特色ある商品:富山や岡山など地方都市では、地場産業が製造する厚手・高耐久マットが1定のシェアを持っており、価格を押し上げている可能性があります。
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店舗販売中心の価格維持:通販よりもリアル店舗が主流の地域では、価格競争がやや緩やかで、値下げ圧力が低い傾向。
低価格帯地域の傾向
前橋(812円)、熊本(831円)、高知(955円)、名古屋(1,042円)などでは、前年比で大幅な価格下落が見られています(例:名古屋-20.88%、前橋-14.35%)。考えられる要因は以下の通りです:
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激しい価格競争:都市部や中堅都市では、大型量販店やネット通販の台頭により、マットは“安価な日用品”として認識されやすく、値下げが常態化。
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薄型・簡易タイプの主流化:生活スタイルの変化により、コンパクトな薄型マットや1時利用型の商品が好まれ、単価が低下。
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所得とのバランス:消費者の購買力とのバランスを重視し、価格重視型の選択が強まっている。
構造的問題と業界が抱える課題
コモディティ化による価格低迷
マットは特に家庭用では「安価で取り替え可能な消耗品」としての性格が強く、他の家具(ベッドなど)に比べて差別化が難しい製品です。そのため、価格競争が激化しやすく、メーカー側の利益率も圧迫されています。
海外製品との競争
中国やベトナムなどからの安価な輸入マットの流通拡大により、国内製造業者は価格で勝負しにくい状況に追い込まれています。品質面での差別化ができなければ、国内市場でも価格下落は避けられません。
エコ志向と再利用への意識
環境配慮が叫ばれる中、マットの大量廃棄が問題視されるようになりつつあります。リサイクル可能な素材の採用や耐久性の強化といったニーズが強まりつつあるが、それらは価格上昇要因となり、消費者とのギャップを生む場合があります。
今後のマット価格の見通しと期待
2極化の深化
今後は、「機能性・耐久性を重視した高価格帯マット」と、「使い捨てに近い低価格帯マット」の2極化がさらに進むと考えられます。中価格帯の商品は需要が分散し、収益化が困難になる可能性が高いです。
国内生産の復権
環境対策や品質への信頼性から、国内生産の見直しが進む可能性もあります。特に高価格帯や業務用(ホテル・施設向け)では「メイド・イン・ジャパン」が評価される傾向が強まる見込みです。
新素材の活用と多機能化
今後は吸水性、抗菌、防カビ、滑り止め加工などの高機能マットの普及が進むことで、価格帯も1定水準で維持・上昇していく可能性があります。素材の進化が価格と品質のバランスをどう変えていくかが鍵です。
小売・政策面からの今後のアプローチ
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価格表示の透明化とオンライン比較ツールの活用:消費者の選択眼を育て、安かろう悪かろうを回避。
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地方メーカーとのコラボ:地域資源や伝統技術を活かした付加価値商品の開発により、高価格帯市場の創出。
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環境規制と補助金制度の導入:エコ素材使用へのインセンティブ付与により、持続可能な価格形成を促す。
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