マスク1袋7枚の平均価格は431.4円で、山口や長野など都市部や地方の一部で高騰が見られます。一方、大分や那覇などでは安価に抑えられています。価格差の背景には、円安・輸送費高騰・地域の流通体制の違いがあり、生活必需品としての安定供給と価格の平準化が今後の課題です。
衛生用品の医療・保険
マスクの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 山口 | 長野 | 大津 | さいたま | 横浜 | 秋田 | 福岡 | 高知 | 宮崎 | 山形 |
最新値[円] | 431.4 | 547 | 511 | 507 | 506 | 502 | 492 | 492 | 491 | 491 | 481 |
平均比[%] | 100 | 126.8 | 118.5 | 117.5 | 117.3 | 116.4 | 114 | 114 | 113.8 | 113.8 | 111.5 |
前年月同比[%] | 2.679 | 5.192 | 3.651 | 36.29 | 4.762 | 5.462 | 12.59 | -5.385 | -7.533 | 19.76 | -4.374 |
マスクの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 大分 | 那覇 | 和歌山 | 鳥取 | 富山 | 名古屋 | 広島 | 鹿児島 | 新潟 | 前橋 |
最新値[円] | 431.4 | 291 | 320 | 321 | 363 | 372 | 374 | 374 | 374 | 385 | 391 |
平均比[%] | 100 | 67.45 | 74.18 | 74.41 | 84.14 | 86.23 | 86.69 | 86.69 | 86.69 | 89.24 | 90.63 |
前年月同比[%] | 2.679 | -25.95 | -6.433 | -2.134 | 14.15 | 4.789 | -14.42 | 32.16 | -12.82 | 1.852 | 13.01 |
これまでのマスクの推移


詳細なデータとグラフ
マスクの現状と今後
新型コロナウイルスの流行以降、マスクは生活に欠かせない衛生用品としての地位を確立しました。特に日本では、風邪予防や花粉症対策としても日常的に使用されており、価格や供給の安定は生活の質に直結します。本稿では、2017年から2025年3月までのデータをもとに、マスクの価格推移や地域差、背景にある要因を分析します。
全国平均と長期的な動向
2025年3月時点での全国平均価格は431.4円(1袋7枚)であり、これは1枚あたり約61.6円に相当します。2020年のパンデミック初期に価格が急騰したのち、一時的に落ち着きを見せましたが、現在再び緩やかな上昇傾向にあります。これには円安や輸送費の上昇、国内原材料費の高騰などが影響しています。
価格が高い都市の特徴
価格の高い上位10都市は以下のとおりです:
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山口(547円)
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長野(511円)
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大津(507円)
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さいたま(506円)
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横浜(502円)
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秋田(492円)
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福岡(492円)
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高知(491円)
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宮崎(491円)
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山形(481円)
特に大津は前年比36.29%増と急激な上昇を記録しており、物価全体の押し上げや店舗の仕入れ価格の変動、販売形態の変化が背景にあると考えられます。その他の都市でも5~12%の増加が見られ、都市部や物流コストが高い地方都市において高価格が目立ちます。
価格が安い都市の特徴
一方、安価な地域は以下のとおりです:
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大分(291円)
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那覇(320円)
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和歌山(321円)
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鳥取(363円)
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富山・名古屋・広島・鹿児島(374円)
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新潟(385円)
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前橋(391円)
特に大分では前年比-25.95%と大きな価格下落が見られ、需要の減少や競合の多さによる価格競争が影響していると考えられます。名古屋や鹿児島など他の都市でも10%以上の下落が見られ、コスト削減や販路の工夫により価格を抑制している可能性があります。
価格変動の背景要因
為替と輸入依存
マスクは主に中国からの輸入に頼っており、円安により仕入れ価格が上昇しています。
原材料費の上昇
不織布やフィルター素材の価格上昇も影響し、国内製造コストも上がっています。
地域ごとの供給体制
都市によってドラッグストアや量販店の密度、物流の効率が異なり、価格差の一因となっています。
販売形態の多様化
インターネット販売やプライベートブランドの普及により価格差が拡大しやすくなっています。
今後の見通しと課題
今後、マスクは「必需品」から「季節性用品」へと再定義される可能性がありますが、依然として生活必需品としての役割は大きく、価格安定化政策や低所得者層への支援策の必要性が高まるでしょう。また、地域間格差を是正する流通の整備も今後の課題です。
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