2025年4月のポリ袋1箱18枚の全国平均価格は296.4円で、地域差は237円(鹿児島)から322円(甲府)と大きい。前年同月比は平均でほぼ横ばいだが、地域ごとに価格上昇や下落が混在。価格変動の主因は石油由来原料の価格変動、環境規制、物流費、販売競争。今後は環境対応商品の増加や法規制強化、消費者のエコ志向が価格推移に影響を与えると予想される。
小売物価統計
ポリ袋小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 甲府 | 岐阜 | 大阪 | 奈良 | 徳島 | 高松 | 金沢 | 水戸 | 岡山 | 熊本 |
最新値[円] | 296.4 | 322 | 318 | 318 | 316 | 313 | 312 | 312 | 312 | 312 | 311 |
前年同月比[%] | -0.953 | +1.577 | -4.878 | +1.961 | +3.311 | -4.587 | -5.183 |
ポリ袋小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 鹿児島 | 青森 | 大分 | 宇都宮 | 仙台 | 横浜 | 山形 | 那覇 | 高知 | さいたま |
最新値[円] | 296.4 | 237 | 261 | 265 | 275 | 278 | 282 | 283 | 283 | 283 | 286 |
前年同月比[%] | -0.953 | +8.716 | -4.044 | -0.749 | -3.509 | -12.03 | -7.541 | -7.213 | +1.799 | -7.213 | -1.038 |
ポリ袋の推移


詳細なデータとグラフ
ポリ袋の現状と今後
ポリ袋は日常生活の必需品として幅広く使われており、その価格動向は家庭の生活コストに直結しています。2010年以降の15年間、素材の原料である石油製品の国際価格変動、環境政策の影響、プラスチック規制の強化が価格に影響を与えてきました。特に日本では2020年7月からレジ袋有料化が義務化され、プラスチック削減の社会的要請が強まっています。これがポリ袋の価格や消費行動に大きく関与している点が重要です。
最新の価格状況と地域別の価格差
2025年4月時点でのポリ袋1箱18枚の全国平均小売価格は296.4円です。価格の高い地域は甲府(322円)、岐阜・大阪(318円)、奈良(316円)などが上位で、平均より約20円高い水準にあります。低価格地域は鹿児島(237円)、青森(261円)、大分(265円)などで、価格差は最大約85円に達しています。この地域差は、流通経路の違い、地域の販売店競争、消費者の価格感受性の違いが反映されています。
前年同月比による価格変動の特徴
全国平均では-0.953%とほぼ横ばいか微減傾向です。地域別に見ると甲府(+1.577%)、水戸(+3.311%)、金沢(+1.961%)では価格が上昇しましたが、高松(-4.878%)、岡山(-4.587%)、熊本(-5.183%)などでは価格が下落しています。特に鹿児島は前年同月比で+8.716%と大きく上昇しており、需要変動や物流費の影響、あるいは販売店の価格戦略が影響している可能性があります。1方、仙台(-12.03%)、横浜(-7.541%)、山形(-7.213%)などの地域は価格低下が顕著です。
ポリ袋価格の変動要因
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原料価格と製造コストの変動ポリ袋の主原料はポリエチレンで、石油価格の変動がコストに大きく影響します。近年の石油価格の乱高下により、製造コストが不安定となっています。
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環境政策と規制強化日本ではプラスチックごみ削減のための政策が進み、レジ袋有料化を含む環境規制がポリ袋市場の価格形成に影響しています。環境負荷の少ない素材への切り替えもコストアップ要因です。
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物流費と地域特性地方都市や物流網の効率性の違いにより、地域ごとの価格差が生じます。特に離島や地方は輸送コストが上乗せされる傾向にあります。
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市場競争と消費者動向販売店の競争激化や消費者の価格意識の変化により、価格の上下動が生じています。特に価格に敏感な地域では値下げ圧力が強いです。
過去の価格推移と現在の状況
2010年から2025年にかけて、ポリ袋価格は全体としては緩やかな上昇傾向を示しつつも、年ごとに変動が見られます。環境政策の影響が顕著になった2020年以降は価格の上昇圧力が強まりましたが、消費者の節約志向や代替品利用の増加もあり、1部地域で価格低下や横ばい傾向も見られます。
今後の価格推移の見通しと課題
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環境負荷軽減と価格のバランス環境に優しい素材やリサイクル材使用製品の増加は価格上昇要因ですが、消費者の受容性を考慮した価格維持策が求められます。
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原料・物流コストの安定化期待石油市場の動向と物流効率化により、価格の急激な変動は抑制される見込みです。
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消費者行動の変化エコバッグの普及によりポリ袋の需要は減少傾向であり、これが価格形成に新たな影響を与えています。
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法規制のさらなる強化今後の法改正や追加規制が製品コストを押し上げる可能性があるため、業界の対応が注目されます。
まとめ
2025年4月時点でポリ袋1箱18枚の平均価格は296.4円で、地域によって237円から322円まで幅があります。前年同月比は平均でほぼ横ばいですが、地域差は大きく環境政策や原材料価格、物流費が価格形成に大きく影響しています。今後は環境配慮型商品の普及や法規制動向が価格の重要な要因となり、消費者行動の変化も価格動向に影響を与えるでしょう。
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