2025年3月時点の日本のヘアカラーリング代平均は6,454円で、高知や奈良では高価格傾向、盛岡や那覇では低価格傾向が見られます。価格上昇には薬剤費や人件費の高騰、美容師不足などが影響しており、地域ごとに大きな価格差が存在しています。今後は多様な価格戦略とサービスの質が求められます。
衣類・美容の都市別小売価格
ヘアカラーリング代価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 高知 | 奈良 | 熊本 | 京都 | 福井 | 宇都宮 | 津 | 福岡 | 福島 | 広島 |
最新値[円] | 6454 | 9128 | 7900 | 7833 | 7758 | 7288 | 7288 | 7285 | 7200 | 7188 | 7155 |
平均比[%] | 100 | 141.4 | 122.4 | 121.4 | 120.2 | 112.9 | 112.9 | 112.9 | 111.6 | 111.4 | 110.9 |
前年月同比[%] | 1.343 | 0 | 1.935 | 9.064 | 0.688 | 3.449 | 0 | 4.295 | -1.706 | 5.706 | 10.43 |
ヘアカラーリング代価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 盛岡 | 那覇 | 長崎 | 新潟 | 青森 | 静岡 | 山口 | 徳島 | 宮崎 | 山形 |
最新値[円] | 6454 | 5008 | 5035 | 5275 | 5433 | 5445 | 5478 | 5618 | 5648 | 5690 | 5725 |
平均比[%] | 100 | 77.6 | 78.02 | 81.74 | 84.18 | 84.37 | 84.88 | 87.05 | 87.52 | 88.17 | 88.71 |
前年月同比[%] | 1.343 | 2.834 | 0 | 0 | 6.949 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7.806 | 0 |
これまでのヘア関連の推移


詳細なデータとグラフ
ヘアカラーリング代の現状と今後
日本におけるヘアカラーリング代は、2010年から2025年3月にかけて緩やかな上昇を見せ、2025年3月の全国平均は6,454円に達しています。物価上昇や美容業界全体の構造変化により、サービス価格も徐々に見直されてきました。
要因としては以下が挙げられます:
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薬剤(カラー剤)価格の上昇
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サロン運営コスト(電気代・人件費)の増加
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「外国人風カラー」など高度な施術の需要拡大
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高齢化による白髪染め需要の安定化
カラーリングは定期的に繰り返される施術であり、顧客単価の核となるサービスとして価格の変動が業界の動向を反映しやすいのも特徴です。
高価格地域に見られる共通点
2025年3月時点で最もヘアカラーリング代が高い地域は高知(9,128円)で、他にも奈良(7,900円)、熊本(7,833円)、京都(7,758円)、福井・宇都宮(ともに7,288円)などが上位に並びます。
これらの地域には以下のような傾向があります:
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施術に時間をかけたプレミアムサービスの提供
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高単価でもリピーターを確保できる中高年層の多さ
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地域密着型の美容室が多く、価格競争が激しくない
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地方都市での都市集中型のサロン展開による単価引き上げ
特に高知県の9,000円超という価格は全国水準から大きく逸脱しており、付加価値型サービスの導入(オーガニックカラー・スパ併用)などが影響していると考えられます。
低価格地域の背景と経済構造
対照的に、最も価格が安い地域は盛岡(5,008円)、次いで那覇(5,035円)、長崎(5,275円)、新潟(5,433円)、青森(5,445円)などです。全国平均よりも約1,000円以上安い地域が存在しています。
その要因としては:
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地域の物価全体が安い
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学生・若年層が多く、価格に敏感なニーズが強い
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格安チェーンサロンの影響(特に地方では席数の多い低価格型サロンがシェアを拡大)
ただし、新潟(+6.949%)や宮崎(+7.806%)など、低価格圏でも値上がりが顕著な地域があり、物価上昇の波が地方にも及んでいることが明確になっています。
近年の価格上昇の注目ポイントと要因
直近で特に上昇率が高かったのは広島(+10.43%)、熊本(+9.064%)、宮崎(+7.806%)です。これらの地域での上昇は、以下のような要素が関係しています:
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美容師不足による賃金の上昇
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原材料価格の高騰
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インバウンドや都市再開発によるサービス高級化
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高齢層の白髪染め需要増加により中価格帯の見直し
一方で、福岡(-1.706%)のように下落した地域も存在しており、都市部では競争激化やクーポンによる値引き施策が価格を抑えている場合もあります。
美容業界における課題と展望
カラーリング代の価格推移から見えてくる業界課題としては:
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人材不足と価格設定のバランス
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材料費高騰に見合う価格転嫁の難しさ
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格安チェーンと高価格専門サロンの二極化
これらに対応するために、今後の展望としては以下が求められます:
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サブスクリプション型カラーサービスの導入
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セルフカラーサポートやカラー専門サロンの増加
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地域ニーズに応じた価格帯別サービスの明確化
価格上昇は避けがたい流れの中で、いかに価値を顧客に理解してもらい、「価格に納得感」を持ってもらえるかが、今後の重要な鍵となります。
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