日本のプリンタ用インク1個の小売価格は2025年時点で平均1963円。松山や鹿児島で高値傾向、横浜では下落が見られました。価格上昇の背景には原材料費や物流コスト増、円安などが影響。今後は地域差拡大が懸念され、通販活用がカギとなります。
電気製品の都市別小売価格
プリンタ用インク価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 松山 | 鹿児島 | 大阪 | 鳥取 | 高知 | 高松 | 静岡 | 青森 | 長野 | 長崎 |
最新値[円] | 1963 | 2069 | 2014 | 1996 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 |
平均比[%] | 100 | 105.4 | 102.6 | 101.7 | 99.87 | 99.87 | 99.87 | 99.87 | 99.87 | 99.87 | 99.87 |
前年月同比[%] | 0.0282 | 0 | 2.546 | 1.837 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
プリンタ用インク価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 横浜 | 東京都区部 | さいたま | 京都 | 仙台 | 佐賀 | 前橋 | 千葉 | 名古屋 | 和歌山 |
最新値[円] | 1963 | 1910 | 1943 | 1950 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 |
平均比[%] | 100 | 97.32 | 99 | 99.36 | 99.87 | 99.87 | 99.87 | 99.87 | 99.87 | 99.87 | 99.87 |
前年月同比[%] | 0.0282 | -2.551 | 0 | -0.51 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
これまでのパソコン関連の推移


詳細なデータとグラフ
プリンタ用インクの現状と今後
2010年から2025年にかけて、日本のプリンタ用インク1個の平均価格は最新で1963円となっています。この15年間、インク価格は大きな下落も急騰も見られず、比較的安定的な緩やかな上昇傾向をたどってきました。
要因としては、
-
プリンタ本体の低価格化に対して、インクで利益を補うビジネスモデル(いわゆる「インクビジネス」)の定着
-
インク技術の進化(耐光性・発色性向上)による高付加価値化
-
純正品推奨の強化に伴う価格維持努力などが挙げられます。
特に、互換インクやリサイクルインクとの競争がありつつも、メーカーは純正インクの信頼性訴求に力を入れたため、価格下落は限定的に抑えられました。
都市別に見るプリンタ用インク価格の特徴
高額地域の傾向
最新データでは、松山(2069円)、鹿児島(2014円)、大阪(1996円)がトップです。特に鹿児島(前年比+2.546%)、大阪(+1.837%)では価格上昇が目立っています。
背景には、
-
地方都市における物流コストの上昇
-
プリンタ普及率の違いによる購買パターンの地域差
-
実店舗中心の購買傾向が残っているエリアでの価格転嫁などが考えられます。
また松山は他地域より特に高値であり、これは都市規模に対して流通の選択肢が限定され、価格競争が起きにくい環境が影響していると推測されます。
低額地域の傾向
一方、横浜(1910円)、東京都区部(1943円)、さいたま(1950円)などが低額エリアとなっています。特に横浜は前年同期比-2.551%と大きな下落を記録しました。
これら都市圏では、
-
ネット通販との価格競争が激化
-
量販店同士の競争がインク価格にも反映
-
大手流通業者がキャンペーンやポイント還元で実質価格を下げる取り組みが行われています。
特に横浜や東京都区部では、家電量販店、ディスカウントストア、ECサイトがひしめき合っており、消費者側がより安価な選択肢を取りやすい市場環境にあります。
最近の価格上昇要因
-
原材料価格の上昇 インクの原料となる化学物質やパッケージ資材の価格が、世界的なインフレや供給制約により上昇しており、販売価格にも影響が出ています。
-
物流コストの増大 特に地方配送においては、燃料価格上昇や人手不足による配送料増加がインク価格に反映されつつあります。
-
円安進行 インクカートリッジの一部製造拠点は海外にあり、輸入コストの増加が価格押し上げ要因となりました。
-
純正品回帰の動き 互換インク使用によるプリンタ故障リスクの周知が進み、消費者が純正品を選ぶ傾向が高まったことで、価格競争圧力が若干緩和された影響も見逃せません。
今後の展望と課題
今後も、
-
原材料・物流コストの動向
-
為替レートの影響
-
サブスクリプション型インクサービス(定額制配送サービス)の普及などによって、インク市場はじわじわと変化していくでしょう。
特に都市圏では価格競争がさらに激しくなる一方で、地方都市では引き続き高止まり傾向が続く可能性が高く、地域間格差の固定化が課題となりそうです。消費者にとっては、ネット通販の活用とポイント還元施策の賢い利用が引き続き重要になりそうです。
コメント