ブロッコリー価格の推移と今後の見通し【日本の小売価格分析】

果菜・葉物



2025年4月時点でのブロッコリー1kgの平均小売価格は656.9円で、前年比-17.18%と大幅な下落を記録。地域によって価格差が顕著で、盛岡の994円から水戸・津の499円まで大きくばらついている。天候不順や物流費、需給バランスが価格動向に影響を与えていると考えられる。今後は生産効率や輸入バランス、消費トレンドによって価格は一定の回復傾向を見せる可能性がある。

小売物価統計

ブロッコリー小売りの高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 盛岡 山口 札幌 松山 長崎 新潟 鹿児島 福岡 広島 山形
最新値[円] 656.9 994 786 784 773 759 749 737 737 729 726
前年同月比[%] -17.18 -8.133 -16.56 -18.25 -4.332 -11.85 +8.394 -11.2 -7.875 -2.929 -18.88

ブロッコリー小売りの安い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 水戸 仙台 千葉 高松 長野 静岡 前橋 宮崎 大分
最新値[円] 656.9 499 499 540 542 551 553 554 559 579 593
前年同月比[%] -17.18 -27.89 -26.83 -21.97 -13.14 -28.53 -13.86 -31.69 -17.55 -32.91 -25.6

 

ブロッコリーの推移

ブロッコリー小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

ブロッコリーの現状と今後

ブロッコリーは栄養価が高く、健康志向の高まりとともに日本の食卓で定番野菜となった。にもかかわらず、価格は時期や地域によって大きな変動を見せる。2025年4月時点の平均価格は656.9円だが、過去との比較や地域格差、価格変動の背景を読み解くことが、今後の農業政策や家計支出の見通しに重要である。

長期的な価格推移の概要

2010年以降、日本のブロッコリー価格は大きな変動を繰り返してきた。2010年代前半は平均500~600円台で安定していたが、2020年以降、物流コストの上昇、天候不順による不作、新型コロナによる供給網の混乱などが重なり、1時的に価格が高騰する局面もあった。直近2025年4月のデータでは平均656.9円と、前年から約17%も下落している。

地域別価格の格差と特徴

最も高いのは盛岡の994円で、全国平均より50%以上高い。1方、水戸や津では499円と大幅に低く、地域によって差が顕著である。これは、主に以下のような要因が影響していると考えられる:

  • 地場生産の有無:近隣に生産地がある地域では流通コストが低く価格も安価。

  • 輸送コスト:北東北や山陰、9州など物流が複雑な地域では高価格傾向。

  • 需要バランス:都市圏では高需要だが、供給が追いつかないと価格上昇に。

年間変動の要因分析

前年比で見ると、ほぼすべての地域で価格が下落しているのが顕著である。特に静岡(-31.69%)、宮崎(-32.91%)、水戸(-27.89%)などは大幅な下落を記録。これらの背景には以下が考えられる:

  • 2024年の豊作傾向:1部地域での作況改善により、供給過多が発生。

  • 消費者離れ:野菜価格全般の高騰で節約志向が進み、消費が減少。

  • 価格調整:前年が異常高騰であった地域では反動で下落幅が大きい。

生産と物流の課題

ブロッコリーは収穫後の鮮度維持が難しく、冷蔵輸送やスピーディな流通が不可欠である。そのため物流費高騰の影響を受けやすく、これが価格変動に直結する。また、日本国内では特定の地域に生産が集中しており、異常気象や災害が発生すると全国的な供給不足に陥るリスクがある。

今後の価格動向の予想と対策

今後の価格については以下のような動きが想定される:

  • 緩やかな回復:2024年の豊作で価格が1時的に下がったが、需給バランスの調整が進めば価格は安定的に上昇傾向に戻る可能性。

  • 輸入依存の拡大:国内生産の不安定さを補うため、アメリカや中国などからの輸入が増えれば、価格は1定範囲で抑制される。

  • テクノロジーの導入:スマート農業や温室栽培の拡大により、供給の安定化が進めば、価格の乱高下が抑えられる。

消費者と政策への示唆

消費者側では、価格が下がっている今こそ積極的な購入が期待される1方、生産者の持続可能性にも配慮した価格形成が求められる。行政やJA(農協)などには、生産と流通の効率化支援、価格安定のための買取制度や補助金の拡充が求められる。

まとめ

ブロッコリーは日本の食卓に定着した重要な野菜であるが、価格は供給体制、流通網、天候、国際動向などに左右されやすい。短期的には下落基調だが、中長期的には安定と微増が見込まれる。今後も生産地の多様化と輸送効率化が鍵となるだろう。

 

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