パーマネント代は2025年3月時点で全国平均8,767円となり、宇都宮や水戸などで高値傾向が見られます。一方、那覇や宮崎では依然として安価です。価格上昇には美容師不足や原材料費の高騰が背景にあります。今後はサービスの多様化と業務効率化が求められています。
衣類・美容の都市別小売価格
パーマネント代価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 宇都宮 | 水戸 | 福井 | 奈良 | 高知 | 大津 | 岐阜 | 東京都区部 | 津 | 横浜 |
最新値[円] | 8767 | 11730 | 10250 | 10210 | 9963 | 9955 | 9935 | 9863 | 9861 | 9753 | 9743 |
平均比[%] | 100 | 133.8 | 116.9 | 116.5 | 113.6 | 113.6 | 113.3 | 112.5 | 112.5 | 111.3 | 111.1 |
前年月同比[%] | 1.038 | 0 | -1.679 | 4.342 | 5.563 | 0.556 | 6.564 | 0 | 2.102 | 11.17 | 0.474 |
パーマネント代価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 那覇 | 長崎 | 宮崎 | 甲府 | 青森 | 静岡 | 山形 | 鹿児島 | 大分 | 名古屋 |
最新値[円] | 8767 | 5700 | 6950 | 7100 | 7375 | 7475 | 7575 | 7638 | 7725 | 7975 | 8010 |
平均比[%] | 100 | 65.02 | 79.28 | 80.99 | 84.13 | 85.27 | 86.41 | 87.13 | 88.12 | 90.97 | 91.37 |
前年月同比[%] | 1.038 | 0 | 0 | 12.02 | 7.664 | 0 | 0 | 1.84 | 1.805 | -2.147 | 0.805 |
これまでのヘア関連の推移


詳細なデータとグラフ
パーマネント代の現状と今後
2010年から2025年までの15年間、日本のパーマネント代は緩やかに上昇を続けており、2025年3月の全国平均は8,767円に達しました。この上昇傾向は、以下のような複合的要因によるものです。
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美容業界における技術料の見直し
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材料費や光熱費などの運営コストの上昇
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高齢化に伴う熟練美容師の減少と新規人材不足による賃金上昇
一方で、地域によって上昇率や絶対価格に大きな差があり、「美容サービス」が地域経済や文化に大きく左右されていることがわかります。
高価格地域の特徴と背景
パーマネント代が高い都市の上位には、宇都宮(11,730円)、水戸(10,250円)、福井(10,210円)、奈良(9,963円)などが並びます。
これらの共通点には次のような要因が挙げられます:
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個人経営サロンが多く、丁寧な接客や技術力を売りにしている
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都市部に比べ美容室の数が少なく、競争が緩やか
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顧客単価を高く設定しないと、経営が成立しづらい構造
特に宇都宮は全国で唯一1万円を大きく超えており、地域密着型サロンの高付加価値化が進んでいることがうかがえます。
低価格地域の実情と理由
一方、最も安いのは那覇(5,700円)で、長崎(6,950円)、宮崎(7,100円)、甲府(7,375円)なども比較的安価です。
これらの地域では以下の傾向が見られます:
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物価水準そのものが全国平均よりも低め
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学生や若者向けの格安サービスや時短メニューが普及
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競争が激しく価格が下げ止まりにくい
ただし、価格が安くても品質を落とさず回転率を高めるビジネスモデルが成功している地域もあります。
直近の価格上昇率と注目地域
前年比で最も上昇率が高かったのは津市(+11.17%)、次いで宮崎(+12.02%)、甲府(+7.664%)となっています。
これらの都市では以下の変化が背景にあると考えられます:
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美容師不足による人件費の急上昇
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材料費(パーマ液・処理剤等)の値上がり
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若年層減少に伴い、中高年向けメニューの高価格化
一方で、水戸(-1.679%)や大分(-2.147%)など一部地域では価格が下落しています。これは競争の激化、安売りチェーンの進出、消費力の低下などが背景にあると考えられます。
美容業界の課題と今後の方向性
日本の美容業界、とりわけパーマ施術に関しては以下のような課題が山積しています:
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需要の減少:若年層のパーマ離れと高齢化
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労働環境の厳しさ:長時間労働・低賃金の構造
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後継者不足と人材流出
今後は、以下の方向性が重要になります:
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サブスクや定額制サービスによる顧客定着
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AIや予約アプリの活用による効率化
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訪問美容や福祉美容など新しい市場の開拓
これらの取り組みにより、パーマネントの価値と価格を適切に維持することが可能になるでしょう。
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