2023年11月から2025年3月にかけて、パイナップル1kgの日本での小売価格は上昇し、特に輸送コストや気候変動、健康志向の高まりが影響しています。価格は地域によって異なり、供給チェーンの問題が高騰を引き起こしています。都市別の特徴や消費動向が価格に影響を与えており、今後も価格変動が続くと予想されます。
食料品の都市別小売価格
パイナップルの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 那覇 | 甲府 | 京都 | 大津 | 鹿児島 | 大阪 | 津 | 佐賀 | 福岡 | 岐阜 |
最新値[円] | 1438 | 1785 | 1752 | 1721 | 1667 | 1666 | 1606 | 1605 | 1599 | 1585 | 1584 |
平均比[%] | 100 | 124.1 | 121.8 | 119.7 | 115.9 | 115.9 | 111.7 | 111.6 | 111.2 | 110.2 | 110.1 |
前年月同比[%] | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
パイナップルの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 福島 | 仙台 | 高松 | 前橋 | 山口 | 和歌山 | 長崎 | 宮崎 | 札幌 | 高知 |
最新値[円] | 1438 | 1264 | 1269 | 1270 | 1274 | 1283 | 1284 | 1289 | 1290 | 1299 | 1314 |
平均比[%] | 100 | 87.9 | 88.24 | 88.31 | 88.59 | 89.22 | 89.29 | 89.64 | 89.71 | 90.33 | 91.37 |
前年月同比[%] | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
これまでの果物の推移


詳細なデータとグラフ
パイナップルの現状と今後
2025年3月時点でのパイナップル1kgの平均価格は1438円であり、これは2023年11月時点と比較して大幅に上昇しています。この価格上昇は、過去数ヶ月のデータから明確に示されています。特に、一部の地域ではパイナップルの価格が顕著に高く、全国平均を大きく上回る価格が設定されています。これまでの価格推移からも、パイナップルは他の果物と同様に、供給チェーンの影響を強く受けており、その影響が価格変動に反映されています。
高価格地域とその特徴
那覇、甲府、京都、大津、鹿児島
パイナップルの価格が高い地域には、那覇(1785円)、甲府(1752円)、京都(1721円)、大津(1667円)、鹿児島(1666円)などがあります。特に那覇では、パイナップル1kgが1785円となっており、これは他の地域と比べても非常に高い価格帯に位置しています。甲府や京都もそれぞれ1752円、1721円と高価格帯に位置し、これらの地域の消費者がパイナップルを購入する際には、高いコストがかかることが予想されます。
これらの地域では、主に輸入パイナップルが流通しており、輸送コストや関税などが価格に影響を与えていると考えられます。特に那覇は沖縄県内の需要が高く、パイナップルの消費量も多いため、その供給が価格に反映されています。さらに、鹿児島や甲府などの地域でも、消費が活発であるため、価格が高く設定される傾向にあります。
大阪、津、佐賀、福岡、岐阜
大阪(1606円)、津(1605円)、佐賀(1599円)、福岡(1585円)、岐阜(1584円)も、パイナップルの価格が高い地域として挙げられます。特に大阪や福岡は都市部であり、物流が発展している一方で、消費需要も高いことから価格が上昇しやすくなっています。また、津や佐賀などでは、地元での需要の高さとともに、輸送経路や流通にかかる費用も価格に影響を与えていると考えられます。
低価格地域とその特徴
福島、仙台、高松、前橋、山口、和歌山
一方で、比較的パイナップルが安価で販売されている地域もあります。福島(1264円)、仙台(1269円)、高松(1270円)、前橋(1274円)、山口(1283円)などは、価格が平均よりも低い地域として特徴的です。これらの地域では、前年同期比で高い増加率を記録しており、特に福島(87.9%)や仙台(88.24%)などでは、価格が急激に上昇しています。
これらの地域では、パイナップルの消費量は比較的少ないものの、供給チェーンが効率的であるため、価格が低く保たれる傾向があります。また、地方都市や郊外の地域では、物流コストが低く、他の地域と比較して安定的に価格が抑えられている可能性があります。
長崎、宮崎、札幌、高知
長崎(1289円)、宮崎(1290円)、札幌(1299円)、高知(1314円)なども比較的安価な地域です。特に長崎や宮崎などでは、地元産のパイナップルが流通しているため、輸入品に比べて価格が安くなる傾向があります。地元産のパイナップルは、輸送コストが抑えられるため、価格が低く設定されることが多いです。
価格高騰の要因
供給チェーンの問題と輸送コスト
パイナップルの価格高騰の最も大きな要因は、供給チェーンの問題と輸送コストの上昇です。パイナップルは主に輸入品であり、特にフィリピンやタイ、コスタリカなどからの輸入が多いです。これらの国々から日本への輸送は距離が長く、また近年の物流の混乱や燃料費の上昇がコストに大きな影響を与えています。これにより、パイナップルの輸入コストが上昇し、その分が消費者価格に転嫁されることとなります。
さらに、昨今の国際物流の問題や貿易関係の不安定さが、パイナップルの価格をさらに押し上げる要因となっています。特に、港湾での荷物の滞留や船舶の不足などが、価格の上昇に寄与しています。
気候変動と生産地の影響
気候変動も、パイナップルの価格に影響を与える大きな要因です。特に、パイナップルの生産地であるフィリピンやタイでは、近年異常気象や台風が頻発しており、これらの自然災害が生産量に大きな影響を与えています。例えば、台風や干ばつが影響すると、収穫量が減少し、その結果として供給不足が生じ、価格が高騰することになります。
また、これらの気候変動により、パイナップルの収穫時期が不安定になり、供給が一時的に減少することがあります。このような場合、需要と供給のバランスが崩れ、価格が急騰することがあります。
健康志向と消費の増加
近年、健康志向が高まる中で、パイナップルを含むフルーツの消費が増加しています。パイナップルは、ビタミンCや食物繊維が豊富であり、免疫力を高める効果が期待されるため、健康維持を目的とした消費が増えています。このような需要の増加が、価格を押し上げる要因となっています。
特に都市部では、パイナップルがスムージーやデザートとして人気を集めており、その需要が価格に影響を与えています。
まとめ
日本におけるパイナップル1kgの小売価格は、2023年11月から2025年3月にかけて顕著に上昇しており、特に輸送コストや気候変動、健康志向の高まりが大きな要因となっています。価格が高い地域と低い地域に分かれることが多く、地域ごとの流通状況や消費動向が価格に反映されています。今後も、供給チェーンの問題や生産地の気候条件が価格に影響を与え続ける可能性があります。
コメント