バラ・切り花の小売価格推移と地域別動向|最新の物価傾向を解説

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日本のバラ・切り花の小売価格は近年上昇傾向にあり、地域差も顕著です。札幌や甲府などでは500円超の価格が見られる一方、金沢や佐賀などでは300円未満と大きな格差があります。背景には物流コスト、生産費、気候変動などの複合的な要因があり、今後の持続可能な供給体制と需要創出が課題です。

エンタメの都市別小売価格

バラ・切り花価格の高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 札幌 長野 松山 大分 甲府 福井 高松 横浜 さいたま
最新値[円] 404.2 543 500 498 490 485 480 477 477 468 463
平均比[%] 100 134.3 123.7 123.2 121.2 120 118.7 118 118 115.8 114.5
前年月同比[%] +1.724 -4.737 +6.157 +5.508 +3.814 +21.55 +20.3 +18.36 +1.706 +3.311 -2.114

バラ・切り花価格の低い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 金沢 和歌山 佐賀 長崎 盛岡 熊本 徳島 秋田 宇都宮 京都
最新値[円] 404.2 240 271 295 296 318 328 329 337 348 350
平均比[%] 100 59.37 67.04 72.98 73.22 78.67 81.14 81.39 83.37 86.09 86.58
前年月同比[%] +1.724 +3.004 -3.559 -4.839 -6.032 -0.606 +7.166 -11.55 -1.416 -3.581

 

これまでの園芸品の推移

バラ・切り花の小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

バラ・切り花の現状と今後

2010年1月から2025年4月までのデータによれば、日本国内におけるバラ・切り花1本の平均小売価格は、最新月で404.2円に達しています。この価格は、全体的にじわじわと上昇傾向にあり、特に近年はエネルギー価格や物流コストの高騰、生花需要の変化により、価格が敏感に推移しています。

過去の傾向を踏まえると、2010年代前半は300円台前半で安定していたものの、2020年代に入りコロナ禍の影響や資材費の上昇で上昇幅が大きくなり、400円を超えるのは稀ではなくなっています。


高価格地域の特徴と要因

バラ1本あたりの価格が高い上位10都市は以下の通りです。

都市名 価格(円) 前年同期比(%)
札幌 543 -4.737
長野 500 +6.157
松山 498 +5.508
大分 490 +3.814
甲府 485 +21.55
福井 480 +20.3
高松 477 +18.36
477 +1.706
横浜 468 +3.311
さいたま 463 -2.114

高価格地域に共通する特徴は以下の通りです:

  • 流通コストの高さ:札幌などの地方都市は、花卉の生産地から遠く、輸送費が価格に上乗せされやすい。

  • 需要の強さ:都市部ではギフトやイベント需要が強く、バラは高級花材として安定した需要がある。

  • 供給の不安定さ:甲府や福井のように生産地に近いが出荷量が限定されている地域では、価格が上振れしやすい。

  • 急激な価格上昇:甲府(+21.55%)、福井(+20.3%)などは、供給減や需要集中によって前年より大きく価格が上昇。


低価格地域の傾向と背景

価格が低い都市の上位10は次の通りです。

都市名 価格(円) 前年同期比(%)
金沢 240 +3.004
和歌山 271 -3.559
佐賀 295 -4.839
長崎 296 -6.032
盛岡 318
熊本 328 -0.606
徳島 329 +7.166
秋田 337 -11.55
宇都宮 348 -1.416
京都 350 -3.581

低価格地域に見られる要因は次のように分析できます:

  • 地元流通の充実:熊本、佐賀などは9州内の生産地と消費地が近く、物流コストが抑えられる。

  • 消費意識の違い:地域によっては、バラが高級品というよりも日常使いの花材として認識されている場合もあり、価格に反映されている。

  • 需要の低下傾向:秋田や長崎では前年からの大幅な価格下落が見られ、これは人口減少や高齢化による贈答文化の衰退も関係している可能性がある。


価格変動の主要因

近年の価格上昇を招いた要因は多岐にわたりますが、以下が主要因です。

生産コストの増加

  • 肥料、農薬、ビニールハウスの資材費が上昇し、栽培コストが高騰。

  • 労働力不足で人件費も増大。

流通経路の複雑化

  • 燃料費の高騰により輸送費が高まり、特に遠隔地の都市に影響。

  • 花市場の統廃合により、直接取引のチャンスが減り仲介コストが増加。

気候変動の影響

  • 異常気象により安定した開花・出荷が難しくなり、供給が不安定に。

需要の回復

  • コロナ禍の反動により、結婚式やイベント需要が復活。

  • SNSやインフルエンサー効果で若年層の「花を贈る」文化が再注目されている。


今後の見通しと課題

持続可能な供給体制の必要性

輸入花に頼らず、国内生産体制を維持・強化するには、補助金や生産者支援が不可欠です。特に地方の高齢農家の継承問題は喫緊の課題です。

地域ごとの価格格差の是正

物流ネットワークや地産地消の促進により、価格差を縮小する工夫が求められます。

消費拡大の戦略

若年層や訪日外国人へのマーケティングを強化し、バラの購入機会を広げることで市場の活性化が期待できます。

 

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