2025年5月の全国都市別バナナ価格は平均240.9円/kgで、広島市や沖縄県が上位を占める一方、京都市など一部都市は大幅に低価格となっています。物流コスト、消費者ニーズ、地域の流通構造が価格差を生み出しているのが特徴です。前年同月比・前月比では多くの都市で上昇傾向が見られるものの、京都市は逆に大幅減少。今後は円相場や国際情勢、物流変化が価格に影響し続けると予想されます。
バナナのデータとグラフ
バナナの高い順
2025年5月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | |
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名称 | 平均 | 広島市 | 沖縄県 | 札幌市 | 高松市 | 仙台市 | 金沢市 | 名古屋市 |
最新値[円/kg] | 240.9 | 278 | 273.7 | 266.7 | 251.3 | 249.3 | 249 | 248 |
前月比[%] | +3.351 | +1.46 | +1.011 | +0.399 | +2.889 | +9.369 | +4.057 | |
前年同月比[%] | +3.109 | +4.382 | +8.599 | +1.268 | +3.997 | +5.349 | +8.577 | +2.479 |
平均比[%] | 100 | 115.4 | 113.6 | 110.7 | 104.3 | 103.5 | 103.4 | 103 |
バナナの安い順
2025年5月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | |
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名称 | 平均 | 京都市 | 福岡市 | 神戸市 | 北九州市 | 大阪市 | 東京都 | 横浜市 |
最新値[円/kg] | 240.9 | 185.7 | 200.7 | 207 | 237.3 | 238.7 | 239.3 | 247.7 |
前月比[%] | +3.351 | -12.97 | +2.555 | +15.64 | +1.566 | +7.669 | +6.844 | +9.914 |
前年同月比[%] | +3.109 | -14.44 | +7.696 | +4.193 | +3.187 | +0.99 | +6.525 | +0.544 |
平均比[%] | 100 | 77.08 | 83.31 | 85.93 | 98.53 | 99.08 | 99.36 | 102.8 |
バナナの推移


最新の価格データ

その他のデータとグラフ
バナナの価格についての推移と展望
日本のバナナ価格は主に輸入品が中心で、2008年以降、平均はおよそ200~250円/kgの間で推移しています。2025年5月現在の全国平均は240.9円/kgで、これは輸送コストの上昇や円安の影響を受けてやや高めの水準です。
価格は比較的安定しているものの、為替や国際需給、輸送環境の変化により細かな上下動を繰り返してきました。特に2020年代に入ってからは、海運コスト増や新型コロナの影響による物流の不安定さが価格に波及しています。
都市別価格のランキングと地域差の特徴
高価格帯の都市
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広島市(278円/kg)、沖縄県(273.7円/kg)、札幌市(266.7円/kg)などは全国平均を大きく上回っています。
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これらは主に離島や地方都市で、物流コストが高いことが1因です。特に沖縄は輸送ルートが特殊であるため価格が高止まりしやすい傾向があります。
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札幌市も北海道の主要都市として、離島同様の輸送コストがかかる点が影響しています。
中価格帯の都市
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高松市(251.3円/kg)、仙台市(249.3円/kg)、金沢市(249円/kg)、名古屋市(248円/kg)は全国平均に近い価格で推移。
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これらの都市は物流が比較的整備されており、安定した供給体制を持つことが背景にあります。
低価格帯の都市
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京都市(185.7円/kg)、福岡市(200.7円/kg)、神戸市(207円/kg)、北9州市(237.3円/kg)、大阪市(238.7円/kg)、東京都(239.3円/kg)、横浜市(247.7円/kg)は平均を下回る価格帯です。
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特に京都市の価格は著しく低く、前月比・前年同月比ともに減少傾向が目立ちます。大都市圏では競争激化やスーパーマーケットの価格戦略が価格抑制に影響しています。
価格変動の要因と最近の動き
前月比・前年同月比の動向
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平均では+3.351%(前月比)、+3.109%(前年同月比)と全体的に上昇傾向。
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都市別では、金沢市の前月比+9.369%、神戸市の+15.64%など大幅上昇が見られる1方、京都市は-12.97%の大幅減少。
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前年同月比でも沖縄県(+8.599%)や金沢市(+8.577%)など上昇都市が多い。
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京都市の下落は地域の需給バランスや小売戦略の変化によるものと推察される。
物流・輸入環境の影響
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海上輸送コストの変動や円相場の影響が価格変動に直結。
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COVID-19後の物流遅延改善により1部都市で価格安定化が見られるが、依然として不安定要素が残る。
地域別の特色と背景
北海道・東北・北陸
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札幌市や仙台市、金沢市では比較的高価格帯で、輸送距離と輸入コストが主な要因。
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金沢市は直近で価格上昇が顕著で、地元スーパーの取り扱い強化も影響。
9州・沖縄・中国・4国
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沖縄県は独特の輸送ルートや市場の規模感から高価格安定。
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広島市や高松市などは中〜高価格帯に位置し、地元消費者の購買力が価格形成に影響。
関西・関東圏
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京都市の低価格が顕著だが、大阪・神戸・東京・横浜は平均付近。
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大都市圏は多様な販売チャネルと激しい競争により価格が抑えられやすい。
今後の価格推移の期待と予測
為替と輸入コストの動向
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円安傾向が続けば輸入価格は上昇し、全国的に価格高止まりが続く可能性。
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逆に円高に振れれば1時的な価格低下も見込まれるが、物流費用は依然として高止まりが予想される。
国際需給と気候リスク
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主要輸出国での異常気象や病害虫被害は供給不足を招き、価格上昇リスクとなる。
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サステナブルな輸入やフェアトレード商品への注目が価格構造を変える可能性も。
国内流通の変化
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EC普及や直接輸入ルートの拡大により、地域間の価格差は徐々に縮小する可能性あり。
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1方、消費者の多様化により高付加価値商品の需要増加も予想される。
まとめ
全国の都市別バナナ価格は、物流コスト・地域消費習慣・競争環境の違いから大きな地域差が存在しています。高価格帯と低価格帯の2極化が続く中で、最近は全体的に価格が上昇傾向にあるものの、京都市のように例外的な下落も見られます。今後は為替や国際情勢、物流構造の変化が価格形成に大きく影響を与え、都市間の価格差の変動も注目されます。
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