ノンアルコールビールの価格動向と今後の見通しを徹底解説

ビール

ノンアルコールビール1パックの全国平均価格は732.5円で、山口が801円と最高値。前年比では秋田や山口などで13~14%台の上昇がみられ、価格上昇は主に原材料費や物流費の増加が背景にある。都市ごとの需要・供給バランスや競争状況により価格変動幅は異なり、今後は価格と品質の両立が鍵となる。

都市別のノンアルコールビール1パック350mL×6の相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均736.4+10.25
1徳島839+9.817
2宮崎803+10.61
3甲府801+9.576
4山口801+13.94
5長崎793+17.48
6高松779+14.73
7佐賀770+10
8横浜766+10.06
9札幌765+5.809
10和歌山763+14.22
11那覇760+7.345
12秋田760+14.46
13奈良753+18.58
14東京都区部751+9.316
15広島749+12.13
16大阪749+10.15
17熊本748+7.937
18大分748+11.31
19長野744+10.06
20盛岡739+14.4
21京都737+12.01
22福岡734+6.997
23神戸732+9.417
24松江732+12.79
25静岡731+8.457
26岡山725+10.35
27大津725+8.696
28名古屋725+9.187
29仙台721+10.41
30高知718+13.79
31金沢718+14.33
32717+7.496
33新潟714+4.692
34鳥取710+12.52
35水戸710+13.06
36松山710+6.928
37富山708+10.11
38前橋707+10.12
39山形703+4.769
40宇都宮703+7.657
41千葉702+10.2
42福井700+5.422
43福島699+10.78
44岐阜689+11.67
45さいたま688+8.346
46青森687+4.091
47鹿児島686+7.524
ノンアルコールビール1パック350mL×6

詳細なデータとグラフ

ノンアルコールビールの小売価格の相場と推移

2025年5月時点におけるノンアルコールビール1パック(350mL×6)の全国平均価格は732.5円となっています。都市別にみると、最も高いのは山口県の801円で、以下、宮崎785円、熊本769円、那覇768円、徳島767円、横浜766円と続き、全体的に西日本や南日本の都市で高価格帯が目立ちます。これは地理的要因や物流コスト、地域の嗜好性の違いなどが関係していると考えられます。


都市別価格傾向の特徴

  • 山口県:突出した高値と上昇率 山口は801円と最高値を記録し、前年同月比で+13.94%の上昇。地方都市でありながら大都市圏に比べて流通コストがかかることに加え、地元の購買力や小売店舗の価格設定の影響も考えられます。

  • 宮崎・熊本・那覇:南9州・沖縄圏の堅調な上昇 南部地域であるこれらの都市は、軒並み10%前後の上昇を示しており、全国平均を上回っています。地理的要因による輸送コストの高さや、健康志向からノンアルビールの需要増も1因と考えられます。

  • 徳島:価格は高めだが増加幅は極小 徳島は767円と全国平均を上回っているものの、前年比+0.393%と上昇は極めて抑えられています。地元市場の競争や価格維持の努力が反映されている可能性があります。

  • 横浜・大阪・甲府など都市部の動向 大都市圏にあたる横浜や大阪はそれぞれ766円・753円と比較的高めの水準ですが、前年からの増加率はそれほど急ではなく、安定した価格推移が見られます。甲府は751円で、上昇率も+2.736%と比較的穏やかです。


これまでの価格推移とその背景

ノンアルコールビールは、2020年代に入り健康志向や飲酒運転防止の意識の高まりとともに需要が急増しました。飲料メーカー各社が品質改良と新製品開発に注力し、実際のビールと遜色ない味を実現したことで、価格も徐々に上昇傾向を見せています。

コロナ禍による外食回避の傾向から「家飲み」文化が根づいたことも追い風となり、家庭向けのノンアルビール市場が拡大。その1方で、原材料費・輸送費・人件費の高騰が商品の価格にじわじわと転嫁されつつある状況です。


価格高騰の要因分析

  1. 原材料費の高騰 麦芽や副原料、香料など原材料の価格が国際的に上昇し、特にノンアル向けに使用される特別な製造技術や材料がコスト高に直結しています。

  2. エネルギー・物流コストの上昇 製造や流通にかかる電気・ガス・燃料費の上昇が続いており、特に離島を含む地域や地方都市ではその影響が価格に反映されやすくなっています。

  3. 小売側の販売戦略 プレミアム系ノンアル商品の拡充やブランド戦略により、価格帯がやや上昇傾向に。割安なPB(プライベートブランド)商品の展開もあるが、全体として高品質志向に伴う価格上昇がみられます。


今後の展望と留意点

ノンアルコールビールの市場は成熟しつつある1方で、今後の課題は価格と品質のバランスです。需要は堅調であり続ける見通しですが、家計圧迫や他の飲料との競合により、価格上昇が続く場合は消費者の離反も懸念されます。各地域での価格差縮小や効率的な流通ルートの構築が今後の重要課題となるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました