日本の野菜市場価格ランキング|地域別動向と今後の予測

トマト

2025年5月の都市別トマト価格は室蘭市が629円/kgと最高で、沖縄県が250円/kgと最安。都市間で約2.5倍の価格差があり、流通コストや地元生産体制が価格に大きく影響している。多くの都市で前年比50%以上の価格上昇が見られ、今後もしばらく高止まりが予想される。

トマトの卸売り市場価格

トマトの高い順

室蘭市 沼津市 上尾市 鳥取市 函館市 船橋市 山形市 佐世保市 豊橋市 柏市
最新 2011年12月 2016年12月 2016年12月 2021年12月 2016年12月 2016年12月 2021年12月 2016年12月 2016年12月 2011年12月
最大期 2011年12月 2016年11月 2016年11月 2018年9月 2012年3月 2016年11月 2015年3月 2016年11月 2010年9月 2011年12月
最新値[円/kg] 629 624 572 559 556 524 511 509 498 486
最大値[円/kg] 629 652 593 773 618 539 553 515 548 486
前月比[%] +41.67 -4.294 -3.541 -14 +16.81 -2.783 +22.25 -1.165 +0.2012 +22.11
前年同月比[%] +61.7 +74.79 +84.52 +32.46 +81.11 +90.55 +35.54 +58.57 +128.4 +49.54

トマトの安い順

宮崎市 尼崎市 沖縄県 佐世保市 熊本市 沼津市 佐賀市 長崎市 八戸市 三重県
最新 2023年12月 2011年12月 2025年5月 2016年12月 2021年12月 2016年12月 2021年12月 2023年12月 2023年12月 2021年12月
最大期 2023年10月 2009年3月 2023年10月 2016年11月 2021年9月 2016年11月 2016年11月 2023年10月 2023年10月 2016年10月
最新値[円/kg] 290 331 250 509 324 624 399 358 387 460
最大値[円/kg] 675 495 889 515 536 652 594 661 702 715
前月比[%] -26.21 +15.33 -14.58 -1.165 -10.74 -4.294 -6.993 -14.56 -3.008 +10.31
前年同月比[%] -14.45 +82.87 -38.07 +58.57 +20.9 +74.79 +21.28 -3.763 +14.84 +144.7

トマトの推移

トマトの市場価格
トマトの市場価格

その他のデータとグラフ

トマトの価格についての推移と展望

2025年5月現在、全国の都市でのトマト価格には極めて大きな地域差が見られます。最高値は北海道の室蘭市(629円/kg)、最安値は沖縄県(250円/kg)で、約2.5倍の価格差が生じています。これは気候、流通距離、需給バランス、地元生産能力など複数の要因が絡み合っており、日本の農業・物流構造の地域性を反映しています。


価格上位都市の特徴と背景

  • 室蘭市・沼津市・上尾市 室蘭市や函館市といった北海道の都市は、温暖な地域からの輸送に頼るため、流通コストが価格に大きく転嫁されます。また、沼津市(624円/kg)や上尾市(572円/kg)も消費地における需要過多と供給の制限が価格を押し上げる要因です。

  • 船橋市・山形市・柏市などの関東近郊 関東圏は人口密集地域であるため市場需要が非常に高く、価格の高止まり傾向が続きます。特に船橋市(524円/kg)や柏市(486円/kg)は流通の中心地でありながら、供給不足や市場競争の影響も受けやすい構造です。

  • 豊橋市・佐世保市など地方中核都市 豊橋市(498円/kg)や佐世保市(509円/kg)は、比較的供給が安定しているものの、局地的な価格変動や消費者ニーズの変化によって価格が上下しやすい傾向があります。


価格下位都市の傾向と背景

  • 沖縄県(250円/kg)と宮崎市(290円/kg) 地元生産が活発で「地産地消」の傾向が強く、流通コストも限定的なため、全国的に見ても非常に低価格でトマトが供給されています。ただし沖縄県では前年同月比-38.07%と大幅な価格下落が続いており、地元市場の需要停滞も見受けられます。

  • 熊本市・長崎市・8戸市など地方都市 これらの地域では、生産者直送の流通網や道の駅等の販売拠点が発達しており、価格が比較的抑えられています。ただし物流の経路や出荷タイミングによっては短期的な価格変動も見られます。


トマト価格の最近の問題と変動要因

  • 急騰と急落の混在 2025年5月時点で、室蘭市(+41.67%)や山形市(+22.25%)、柏市(+22.11%)など急上昇する都市がある1方、宮崎市(-26.21%)、鳥取市(-14%)では大幅下落が観察されました。これは地域ごとの天候条件、出荷時期、需要の変化に起因します。

  • 前年比での異常上昇 多くの都市で前年比価格が50~100%以上の伸びを示しており(豊橋市+128.4%、3重県+144.7%など)、これは天候被害や病害虫の影響、生産コストの増加などの複合要因と考えられます。

  • 生産者の減少と供給の不安定化 高齢化と離農の影響でトマトの生産者が年々減少しており、供給の変動幅が広がっている点も見逃せません。


今後の価格動向と政策的期待

  • 価格はしばらく高止まりの可能性 全国的に高値圏での価格推移が続いており、生産量の急増が見込めない現状では、当面は現状維持〜緩やかな下落に留まると予測されます。

  • 地域ごとの格差の固定化も懸念 価格上位と下位の差が広がるなか、流通インフラや生産体制の再構築が進まない限り、都市間格差が固定化する可能性もあります。

  • 政策支援とデジタル流通の活用がカギ 価格安定化のためには、生産者支援やスマート農業の普及、AIによる需給予測を活かした流通最適化など、デジタルと農政の連携強化が重要となります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました