テレビの月間支出は今後どう変わる？地域差と今後の需要を徹底解説

日本のテレビ支出は平均9.831万円で、地域差が大きく、小都市Aや九州・沖縄では特に高額。一方で都市部では支出が減少傾向にあり、買い替えや機能選好が影響している。購入世帯割合は0.6%台と低いが、前年比では増加しており、大型・高性能テレビへの需要は根強い。今後は高機能志向と節約志向が並存する二極化が進むと予想される。

2025年4月時点で、日本の世帯によるテレビの平均支出額は9.831万円と比較的高額な水準にあります。地域別では、小都市A（12.61万円）や9州・沖縄（12.18万円）、東海（11.79万円）などが特に高く、反対に小都市B（9.094万円）や近畿（9.286万円）はやや低めです。この地域差には、買い替えのタイミングや所得水準、需要されるテレビサイズの違いなどが影響していると考えられます。

前年同月比から見る価格の変動

テレビの平均支出額は前年比で-5.573%と全体的にやや減少していますが、東海（+19.26%）、中国（+33.65%）、中都市（+32.56%）などでは大きな上昇が見られます。これに対して、大都市（-15.71%）、近畿（-21.68%）など都市部では顕著な支出減が確認されます。都市部では買い控えや大型テレビの需要減少、あるいは中古・格安モデルへのシフトが進んでいる可能性があります。

購入世帯割合の推移と背景

テレビを購入した世帯の割合は全体で0.606%と家電の中でも比較的低く、耐久消費財としての特性が現れています。ただし、前年比で+13.96%と緩やかな上昇傾向にあり、中都市や大都市では+28.57%の増加が見られました。これには、テレビの大型化・高画質化（4K/8K）への関心や、イベントや新生活期（例：新年度や引越し）に伴う需要が関係していると考えられます。

テレビ購入における課題

近年のテレビ購入にはいくつかの課題が浮上しています。まず、高機能テレビの価格が上昇傾向にある1方で、家庭の可処分所得がそれに追いつかず、買い控えや小型モデルへの需要が拡大しています。また、ネット配信サービスの台頭により「テレビ離れ」が進み、視聴スタイルの多様化が家電としてのテレビの位置づけを変えつつあります。さらに、サブスク型視聴の普及により、テレビよりもスマートフォンやタブレットに支出が移行する傾向も顕著です。

今後のテレビ支出の見通し

今後、テレビへの支出は「2極化」が進むと見られます。すなわち、高所得層を中心に大型・高機能テレビへの投資は続く1方で、その他の層ではテレビを購入しない、あるいは中古や安価モデルを選ぶ傾向が強まると予想されます。また、スポーツイベント（5輪やW杯）などによる1時的な買い替え需要も今後の波を作る要因となります。技術面では、有機ELや8K、さらにはAI連携型テレビの普及が市場を牽引し、教育・在宅勤務など新たな用途も展開される可能性があります。