2025年4月時点のテニスラケットの全国平均価格は3.31万円に達し、福井・京都・さいたまでは3.76万円と突出して高値を示す。一方で、富山・山形・長崎などでは2.9万円台と安価にとどまり、地域によって大きな価格差がある。上昇の要因としては、原材料費高騰、ブランド志向の強まり、スポーツ振興の地域差が挙げられる。今後は価格二極化と高付加価値商品の普及が進行する可能性が高い。
エンタメの都市別小売価格
テニスラケット価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 福井 | 京都 | さいたま | 徳島 | 鹿児島 | 鳥取 | 高知 | 高松 | 静岡 | 青森 |
最新値[万円] | 3.31 | 3.762 | 3.762 | 3.762 | 3.486 | 3.344 | 3.344 | 3.344 | 3.344 | 3.344 | 3.344 |
平均比[%] | 100 | 113.7 | 113.7 | 113.7 | 105.3 | 101 | 101 | 101 | 101 | 101 | 101 |
前年月同比[%] | +2.532 | +7.547 | +7.886 | +2.703 | +1.278 | +2.703 | +2.703 | +2.703 | +2.703 | +2.703 | +2.703 |
テニスラケット価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 富山 | 山形 | 甲府 | 長崎 | 神戸 | 大津 | 宇都宮 | 松山 | 広島 | 東京都区部 |
最新値[万円] | 3.31 | 2.926 | 2.926 | 2.926 | 2.926 | 3.058 | 3.124 | 3.135 | 3.135 | 3.207 | 3.243 |
平均比[%] | 100 | 88.41 | 88.41 | 88.41 | 88.41 | 92.39 | 94.39 | 94.72 | 94.72 | 96.88 | 97.98 |
前年月同比[%] | +2.532 | -10.14 | -10.14 | -5 | -10.14 | +4.12 | +1.429 | -3.716 | -7.468 | +4.107 | +2.087 |
これまでの趣味の推移


詳細なデータとグラフ
テニスラケットの現状と今後
2025年4月時点で、テニスラケット1本あたりの平均価格は3.31万円となっており、2010年からの15年間で明確な上昇トレンドが確認されている。とくに2020年以降、世界的なインフレ傾向、円安、輸送コストの上昇が影響し、スポーツ用品も例外なく価格が押し上げられてきた。加えて、趣味性の高いテニスにおいては、上級者・中級者向けに高価格帯ブランド(Wilson、HEAD、Yonex等)のニーズが増えている点も、平均価格上昇に寄与している。
価格が高い地域の特徴
全国平均を上回る都市には、福井・京都・さいたま(いずれも3.762万円)が筆頭で、次いで徳島(3.486万円)、鹿児島・鳥取・高知・高松・静岡・青森(各3.344万円)が続く。これら地域に共通する要素としては以下が挙げられる:
-
専門店比率の高さ:全国展開の量販店よりも、地域密着型のスポーツ専門店が価格維持を主導。
-
高齢層の購買力と競技継続率:テニスはシニア層にも人気が高く、定年後も競技を続ける人が多い地域では高品質志向が強まる。
-
教育やスポーツ振興政策の影響:京都や福井など、学校スポーツ環境が充実しており、競技人口の維持が価格形成に影響。
-
物価水準の局所的上昇:全国平均よりもインフレが強く出ている地域では、全体の消費価格水準に引っ張られる形で高値が維持されやすい。
たとえば福井は前年同期比+7.547%、京都は+7.886%と高水準の上昇を記録しており、物価動向と高価格帯商品の構成比増が相まって価格が上がっている。
価格が低い地域の傾向と問題点
1方、価格の低い都市では富山・山形・甲府・長崎(各2.926万円)、神戸(3.058万円)、大津(3.124万円)が目立つ。これらの地域に見られる傾向は以下の通り:
-
価格競争の激しい量販モデル中心:イオンやスポーツデポなど量販店が強いエリアでは、安価なエントリーモデルが主流。
-
競技人口の頭打ちまたは減少:少子高齢化の影響により、若年層のテニス離れが進み、需要が縮小。
-
地方経済の停滞感:購買力の弱さにより、販売側も強気な価格設定が難しく、価格抑制が続く。
特に富山、山形、長崎では前年比-10.14%という急落が見られ、テニス人口の減少や地域景気の停滞が強く影響していると考えられる。
都市別価格差の要因分析
都市による価格差は、以下の要因の複合的な作用によって形成されている:
-
ラケットブランド構成の違い:WilsonやBabolatのような上位モデルの比率が高い都市ほど平均価格が上昇。
-
購買層の分布:学生中心の地域と、社会人・シニア中心の地域で、購入される製品の価格帯が異なる。
-
流通形態の違い:都市部ではEC販売が主流になる1方、地方では店頭販売比率が高く、店舗ごとの価格差が顕著。
-
地域スポーツ文化の強弱:テニスが学校や地域クラブで盛んな地域では、高機能モデルの需要が底堅い。
今後の展望とテニス市場の課題
テニスラケットの価格は今後も高価格化と低価格化の2極化が進むと予想される。特にプロモデルやカーボン素材などを用いた高機能モデルはさらなる高騰が見込まれ、1方でエントリーモデルは価格据え置きまたは低下傾向が続くだろう。
また、以下の課題も無視できない:
-
若年層の競技離れへの対策として、ラケット購入補助や体験イベントが必要。
-
中古市場の拡大が新規商品の価格に影響を及ぼす可能性も。
-
輸入依存の価格リスク:為替や貿易政策の変化が価格に直接的な影響を与える。
テニス市場を持続可能に保つには、地域に応じたマーケティング戦略や教育施策、サブスクリプション型の用品レンタルサービスの導入なども有効となるだろう。
コメント