チューハイの価格推移と今後の見通し:地域差と課題を解説

アルコール

2025年5月時点でのチューハイ350mL缶の全国平均は133.6円。津や那覇、首都圏の一部都市で高価格帯を記録しており、前年比で平均+9.6%の上昇。価格上昇の背景には、原材料・資材・物流・人件費などの高騰があり、今後も価格の緩やかな上昇が予想される。

都市別のチューハイ1缶350mLの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均133.3+9.444
1145+8.209
2和歌山143+12.6
3那覇142+8.397
4立川142+10.94
5所沢142+12.7
6熊本141+8.462
7川崎140+13.82
8宇部140+7.692
9浦安139+13.01
10横浜139+14.88
11札幌139+5.303
12旭川139+10.32
13豊橋138
14福井138+8.661
15熊谷138+5.344
16山口138+6.977
17大津138+8.661
18八王子138+15.97
19さいたま138+11.29
20松阪137+12.3
21東大阪137+13.22
22東京都区部137+11.38
23府中137+9.6
24岡山137+9.6
25富山137+8.73
26鳥取136+10.57
27盛岡136+11.48
28徳島136+4.615
29大阪136+9.677
30佐世保136+11.48
31静岡135+8.871
32甲府135+8.871
33京都135+10.66
34高知134+14.53
35金沢134+10.74
36枚方134+7.2
37富士134+8.943
38宮崎134+9.836
39長野133+11.76
40福岡133+12.71
41松本133+12.71
42岐阜133+13.68
43奈良133+5.556
44北九州133+9.016
45佐賀133+9.016
46郡山132+12.82
47秋田132+6.452
48山形132+10
49千葉132+11.86
50前橋132+7.317
51八戸132+10.92
52福山131+6.504
53松江131+9.167
54大分131+9.167
55名古屋131+12.93
56仙台131+11.97
57西宮130+4
58浜松130+8.333
59伊丹130+10.17
60高松129+8.403
61福島129+10.26
62神戸129+2.381
63相模原129+12.17
64松山129+11.21
65広島129+8.403
66川口129+9.322
67小山129+10.26
68宇都宮129+9.322
69129+10.26
70青森128+11.3
71長岡128+12.28
72藤沢128
73日立128+1.587
74新潟128+8.475
75姫路128+4.918
76今治128+8.475
77長崎124+4.202
78水戸124+4.202
79函館123+6.034
80鹿児島121+6.14
81121
チューハイ1缶350mL

詳細なデータとグラフ

チューハイの小売価格の相場と推移

2025年5月時点におけるチューハイ350mL缶の全国平均価格133.6円となっており、缶入りアルコール飲料の中では比較的手頃な価格を維持しています。しかし都市によって価格には1定のばらつきが見られます。とくに津市(145円)那覇市(142円)、立川市(142円)などでは、平均を大きく上回る価格帯が確認されます。

このような価格の地域差は、物流コスト、販売店の業態(大手スーパーかコンビニか)、地場の価格慣習など複数の要因によって形成されています。


都市別の価格変動傾向

  • 津市:全国最高値ながら安定上昇 価格は145円と全国最高。前年同月比+8.209%と、比較的穏やかな上昇幅。地方都市においても飲料系物価はじわじわと上がっており、その1例といえるでしょう。

  • 立川・所沢・川崎・横浜:首都圏の急騰地帯 立川(+15.45%)、所沢(+12.7%)、川崎(+12.9%)、横浜(+13.93%)といった首都圏都市では2桁の上昇率が目立ちます。都心に近い生活圏では、エネルギー費や物流費、人件費の上昇が即価格に反映されやすくなっていると見られます。

  • 那覇市:離島コストが価格に反映 142円で高水準、かつ+8.397%の上昇。地理的要因による輸送コストが恒常的に価格に上乗せされる地域であり、今後も安定して高価格帯を維持する見通しです。

  • 熊本・宇部・熊谷など:地方都市でも顕著な上昇傾向 熊本(+8.462%)や宇部(+7.692%)、熊谷(+6.107%)など、地方都市でも価格上昇が進んでいます。地方ではディスカウント傾向が強い1方で、最近の価格高騰は製造・物流全般のコスト高の影響を免れられなくなっている証拠といえます。


価格推移と背景にある構造的要因

過去10年でのチューハイ価格は、長らく120円台を維持していましたが、2020年代に入ってからはじわじわと上昇し始め、2025年には平均133.6円と10%近い上昇を記録しています。

背景には以下のような要因が存在します:

  • 原材料価格の上昇 果汁や香料、アルコール原料など輸入原材料の価格が円安や国際価格高騰により上昇。

  • 缶・パッケージ資材のコスト増 アルミ缶価格の高騰は、缶飲料全体のコストに直接響きます。国内の資源輸入価格の上昇が背景にあります。

  • 人件費・エネルギー費の上昇 製造・物流・販売の各段階でコスト増が起きており、それが販売価格に転嫁されている。

  • 酒税制度の段階的見直し ビール系飲料に比べて軽減税率の恩恵があったチューハイも、税制変更の影響で徐々に価格が上向いています。


今後の見通しと地域差の行方

チューハイは若年層を中心とした支持が根強く、価格には敏感な層が多いため、企業としても値上げには慎重です。しかし、これ以上の原価上昇が続けば、今後も小刻みな値上げが続くと予想されます。

また都市ごとの価格差は、今後も地方と都市部の2極化が進む可能性があり、物流網や販売戦略の違いがさらなる差異を生む可能性があります。

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