2025年4月のストッキング平均価格は637.9円で安定傾向にあります。高価格都市は地方中心都市に多く、価格維持が進む一方、低価格地域ではディスカウント傾向が顕著。着用機会の減少やPB商品の台頭により、価格の横並びが進行。今後は素材高騰やサステナブル対応が課題となる見込みです。
衣類・美容の都市別小売価格
ストッキング価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 鹿児島 | 高知 | 高松 | 長崎 | 金沢 | 那覇 | 豊橋 | 西宮 | 藤沢 | 立川 |
最新値[円] | 637.9 | 660 | 660 | 660 | 660 | 660 | 660 | 660 | 660 | 660 | 660 |
平均比[%] | 100 | 103.5 | 103.5 | 103.5 | 103.5 | 103.5 | 103.5 | 103.5 | 103.5 | 103.5 | 103.5 |
前年月同比[%] | -0.0174 |
ストッキング価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 甲府 | さいたま | 徳島 | 長野 | 日立 | 佐世保 | 奈良 | 府中 | 水戸 | 津 |
最新値[円] | 637.9 | 528 | 560 | 565 | 571 | 575 | 587 | 594 | 594 | 594 | 594 |
平均比[%] | 100 | 82.78 | 87.79 | 88.58 | 89.52 | 90.14 | 92.03 | 93.12 | 93.12 | 93.12 | 93.12 |
前年月同比[%] | -0.0174 | -10.36 | +3.417 | -5.778 | -2.463 |
これまでの女性用下着の推移


詳細なデータとグラフ
ストッキングの現状と今後
2025年4月時点におけるストッキング1足の全国平均価格は637.9円です。これは2016年の調査開始当初と比較しても、大きな上昇や下降は見られないという特徴があります。
長期的な傾向:
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おおむね600円台前半~後半で安定的に推移
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コロナ禍の影響で1時的に下がった時期もあるが、現在はほぼ回復
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実質価格ではやや下落傾向(インフレ下で価格が据え置かれている)
高価格地域の傾向と特徴
2025年4月の時点で、660円で並ぶ都市が非常に多く、以下の都市では横並びでこの価格です。
都市 | 価格(円) |
---|---|
鹿児島 | 660円 |
高知 | 660円 |
高松 | 660円 |
長崎 | 660円 |
金沢 | 660円 |
那覇 | 660円 |
豊橋 | 660円 |
西宮 | 660円 |
藤沢 | 660円 |
立川 | 660円 |
特徴と背景:
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大都市郊外や地方中心都市に多いこれらの都市は、百貨店や中価格帯スーパーが根付く地域であり、1定品質の製品を扱う売り場構成が維持されています。
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価格競争の影響が少ない全国チェーンのディスカウントショップよりも、地域系百貨店や地場スーパー主導であるため、価格維持がしやすい。
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価格横並びの実態今回のデータでは10都市が完全に同価格であることから、価格の収斂化(均1化)が進行している兆候といえます。
低価格地域の動向と要因
1方、以下の都市では600円を下回る水準となっています。
都市 | 価格(円) | 前年同期比 |
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甲府 | 528円 | データなし |
さいたま | 560円 | データなし |
徳島 | 565円 | データなし |
長野 | 571円 | -10.36% |
日立 | 575円 | +3.417% |
佐世保 | 587円 | -5.778% |
奈良 | 594円 | -2.463% |
府中 | 594円 | データなし |
水戸 | 594円 | データなし |
津 | 594円 | データなし |
主な特徴:
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郊外住宅地や中小都市に集中甲府・長野・津など、ディスカウント志向の強い消費傾向の地域で、価格に敏感な買い物行動が目立ちます。
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ストッキングの”日用品化”の進展特に若年層では高機能・高価格品より、100均・量販型のまとめ買いが主流となっており、平均単価を押し下げています。
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前年同期比でのマイナス傾向長野(-10.36%)や佐世保(-5.778%)などでは、価格が1段と下がっており、高価格商品の購買が減少している可能性があります。
ストッキング価格変動の要因
実質的な値下げ圧力
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原材料(ナイロン・ポリウレタン)の価格は世界的には上昇傾向だが、最終製品価格への転嫁が限定的
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小売では、PB(プライベートブランド)化により価格を抑制
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サブスク・定期購入モデルが浸透し、値引き前提の販売が増加
ファッション性から実用品への移行
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ストッキングは「正装の必須アイテム」から「必要時のみ使用」へと変化
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消費者ニーズは、見栄えより耐久性・価格・手軽さへシフト
女性のライフスタイルの変化
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テレワークやカジュアル化により、ストッキング着用の頻度が減少
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スニーカーやパンツスタイルの定着で、ストッキング需要の絶対量が低下
今後の見通しと市場の課題
見通し:
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平均価格は650円前後で横ばい傾向が続く見込み
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ただし、素材高騰と物流コストの上昇が続けば、2025年下半期に値上げ局面に転じる可能性あり
市場課題:
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価格競争によるブランドの衰退老舗の高級ストッキングブランドが撤退または縮小しており、品質の2極化が進んでいる
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エコ・サステナブル素材への対応脱使い捨ての流れで、再生ナイロン・繰り返し洗える製品の需要が増加する可能性があるが、価格への影響も大きい
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女性以外の需要開拓ストッキングを「脚のサポートウェア」として再定義することで、ユニセックス市場への転換が模索されている
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