日本のスイートコーン収穫量は2022年に208.8千トンとなり、前年比-4.57%と減少。北海道が全体の37.4%を占め最大産地で、茨城や千葉、群馬も主要地域です。群馬・長野など一部で増加が見られるものの、多くの県で気象リスクや高齢化の影響で減少傾向が続いています。今後はスマート農業や地域ブランド戦略が成長の鍵となります。
野菜収穫量のデータとグラフ
スイートコーン収穫量の最大と最新
全国 | 北海道 | 千葉 | 茨城 | 群馬 | 山梨 | 長野 | 愛知 | |
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最新 | 2022年 | 2022年 | 2022年 | 2022年 | 2022年 | 2022年 | 2022年 | 2022年 |
最大期 | 1990年 | 1991年 | 1982年 | 1981年 | 1973年 | 1987年 | 1981年 | 1987年 |
最新値[kt] | 208.8 | 78.1 | 16.3 | 14.8 | 12.6 | 8.37 | 8.02 | 6.38 |
最大値[kt] | 408.5 | 182.7 | 38.9 | 37 | 17.4 | 13.5 | 21.6 | 10.3 |
前年比[%] | -4.57 | -3.342 | -4.678 | -0.6711 | 1.613 | -6.48 | 4.021 | -3.625 |
全体比[%] | 100 | 37.4 | 7.807 | 7.088 | 6.034 | 4.009 | 3.841 | 3.056 |
これまでの推移


詳細なデータとグラフ
スイートコーンについての推移と展望
スイートコーンは、糖度の高いトウモロコシで、生食・加熱調理・缶詰・冷凍など用途が広く、日本では果菜類として分類されています。栽培は露地が中心で、梅雨や台風の影響を受けやすい一方、比較的高収益な作物として根強い人気があります。
全国収穫量の長期推移と2022年の概況
スイートコーンの全国収穫量は、1970年代から増加傾向を示した後、2000年代以降はやや減少傾向にあります。2022年の収穫量は208.8千トンで、前年比は-4.57%とやや大きめの減少幅となりました。気象災害の頻発や作付け面積の縮小が影響しています。
県別の収穫量と地域的な特徴
北海道(78.1kt/全国比37.4%/前年比-3.342%)
日本最大のスイートコーン産地で、夏季の冷涼な気候が品質と収量の安定に貢献。大規模農業が中心で、機械化も進んでいます。ただし年によっては台風や低温障害の影響もあり、近年は微減傾向です。
千葉県(16.3kt/7.807%/-4.678%)
首都圏に近く、早出し出荷で有利。露地とハウスの併用で、春〜初夏にかけての出荷が多い。近年は気象リスクと高齢化の影響でやや減少中。
茨城県(14.8kt/7.088%/-0.6711%)
千葉と同様に関東圏への供給地として重要。気象被害を比較的回避できており、減少幅は小さい。生産基盤は安定しており、今後も維持が期待されます。
群馬県(12.6kt/6.034%/+1.613%)
2022年は数少ない増加県の一つ。高冷地の立地を活かし、夏季中心の出荷体系を構築。観光農園など消費者との直接取引の動きも強まっています。
山梨県(8.37kt/4.009%/-6.48%)
朝取り販売や観光地向け直販が多く、ブランド力もありますが、高齢化と気候変動で苦戦が続いています。
長野県(8.02kt/3.841%/+4.021%)
夏季の冷涼な気候で品質が良く、群馬同様2022年は増加。直販やネット販売に力を入れる生産者も増えており、付加価値化の動きが活発です。
愛知県(6.38kt/3.056%/-3.625%)
温暖な気候を活かした早出しが可能。都市近郊農業として効率的な生産が続けられている一方、宅地化の影響も懸念されています。
スイートコーンの栽培をめぐる課題
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気象リスクの増加 豪雨や猛暑による受粉不良、病害虫の発生が年々深刻化。北海道ですら近年は安定性に不安が出てきています。
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農家の高齢化と担い手不足 労働集約的な収穫作業がネックとなり、後継者が不足。機械化対応が困難な中小農家の廃業が課題。
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輸入との競合 缶詰や冷凍食品分野では、アメリカやタイなど海外産との競争が激化。国産の価格競争力が問われています。
今後の展望と成長戦略
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スマート農業導入の加速 ドローンによる病害虫管理や自動収穫機の導入により、省力化と収量の安定が期待されます。
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地域ブランド化の推進 「朝取りとうもろこし」など、鮮度や糖度を武器にしたブランド戦略で直販・観光農業に活路。
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輸出や加工需要への対応 冷凍・真空パックなどの加工品展開により、フードロス削減と販路拡大が図れます。
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