日本のシステムバス価格は2025年4月時点で平均67.6万円。地域差が大きく、京都や広島で高く、静岡やさいたまで安い。価格上昇は資材費・人件費・需要増が背景にあり、今後も緩やかな上昇が見込まれる。地域別の要因分析とともに、将来的な価格動向には注意が必要である。
小売物価統計
システムバス小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 青森 | 山口 | 福島 | 高知 | 宮崎 | 那覇 | 盛岡 | 京都 | 広島 | 佐賀 |
最新値[万円] | 71.69 | 117.7 | 103.2 | 102.4 | 99.45 | 98.04 | 92.47 | 88.63 | 84.45 | 84.31 | 84.28 |
前年同月比[%] | +1.232 | +4.917 | -6.751 | +16.44 | +10.11 | +2.676 | +4.088 | +2.748 | +1.39 |
システムバス小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 静岡 | 岐阜 | 松山 | さいたま | 横浜 | 宇都宮 | 徳島 | 奈良 | 長崎 | 前橋 |
最新値[万円] | 71.69 | 43.8 | 47.99 | 50.38 | 53.43 | 53.75 | 56.29 | 56.8 | 57.68 | 58.96 | 59.25 |
前年同月比[%] | +1.232 | +2.232 | -1.492 | +4.357 | +7.113 | +2.985 | +2.509 |
システムバスの推移


詳細なデータとグラフ
システムバスのシステム現状と今後
システムバスとは、浴槽、壁、床、天井などが1体型となって工場で製造され、現場で組み立てられるユニット式浴室のことで、日本の住宅やマンションに広く普及しています。品質の均1性や施工期間の短さ、清掃性の高さが利点とされます。
全国平均価格の推移と現在の水準
2025年4月時点でのシステムバス1式の全国平均価格は67.6万円です。2012年1月から2025年4月までの期間において、価格は基本的に右肩上がりの傾向を示しており、物価全体の上昇や資材価格の高騰、リフォーム需要の増加が背景にあります。
特に直近の前年比では、全国平均で+0.495%と小幅ながら上昇しており、依然として価格の上昇基調は続いていることがうかがえます。
地域別価格差の実態とその背景
2025年4月時点で、システムバスの価格が最も高いのは京都(84.45万円)、続いて広島(84.31万円)、千葉(82.81万円)などとなっており、都市圏でも特に建材価格が高いエリアや施工コストがかさむ地域で高値となっています。
1方で、価格が最も安いのは静岡(43.8万円)で、さいたま(53.43万円)、横浜(53.75万円)などが続きます。これらの地域では地場メーカーの活用や施工費用の抑制により、価格が抑えられていると推測されます。
価格上昇・下降の要因分析
価格が前年比で大幅に上昇した地域としては、新潟(+18.54%)、大阪(+6.493%)、東京都区部(+6.076%)などが挙げられます。これらはインバウンド需要や住宅リフォームの活況、建設現場の人手不足により、資材費や人件費が押し上げられた可能性があります。
逆に、福岡は-30.96%と大幅な下落を示しており、異常値に近い動きです。これは統計的なばらつきや、調査対象の偏り、あるいは特定の大型リフォームキャンペーンの反映などが原因として考えられます。
コスト構造と今後の課題
システムバスの価格は、以下の3つの主要要素で構成されています:
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材料費(浴槽や壁材、断熱材、塗装など)
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輸送・設置コスト(工場から現場への運搬、組立)
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人件費(設計・施工)
近年、住宅建材のグローバル価格の上昇、運送業界の人手不足、建設業界の高齢化などが複合的に影響し、コストが構造的に上昇しやすい傾向にあります。リフォーム補助金や省エネ設備への補助が1時的な価格抑制要因になる場合もありますが、長期的には物価上昇圧力により価格も高止まりが続くと見られます。
今後の価格動向と展望
今後のシステムバス価格は以下のような要因に左右されます:
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建材・資材コスト:円安や海外資材依存による価格上昇の継続可能性
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人件費の増加:技能者不足と働き方改革により施工コストが上がる
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リフォーム需要の高まり:高齢化によるバリアフリー対応や中古住宅の再活用で需要は底堅い
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技術革新:断熱性や清掃性の向上、AI連動など高機能化に伴う価格上昇も予想
これらを総合すると、今後も平均価格は緩やかな上昇傾向が続く可能性が高いと言えます。ただし、地域差は拡大し、所得や住宅市場の特性によっては割安感のあるエリアが残るでしょう。
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