2025年3月時点でコンタクトレンズ(90枚入り)の全国平均は1.064万円。佐賀や宇都宮では1.2万円超と高く、地方ではEC未導入や競争の少なさが価格を押し上げています。一方、金沢や和歌山では0.85万円台と低価格。製品の高機能化と流通構造の違いが価格差の主因です。
歯磨き・眼鏡の医療・保険
コンタクトレンズの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 佐賀 | 宇都宮 | 福島 | 熊本 | 青森 | 松江 | 千葉 | 長崎 | 東京都区部 | 長野 |
最新値[万円] | 1.064 | 1.27 | 1.242 | 1.216 | 1.206 | 1.203 | 1.193 | 1.178 | 1.173 | 1.164 | 1.149 |
平均比[%] | 100 | 119.3 | 116.7 | 114.2 | 113.3 | 113 | 112.1 | 110.7 | 110.2 | 109.3 | 108 |
前年月同比[%] | 1.4 | 0.954 | 0 | 1.843 | 0 | 1.11 | 0 | 0 | 0 | 4.583 | 0 |
コンタクトレンズの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 金沢 | 和歌山 | 高松 | 那覇 | 山口 | 鳥取 | 徳島 | 岡山 | 富山 | 新潟 |
最新値[万円] | 1.064 | 0.847 | 0.855 | 0.862 | 0.88 | 0.884 | 0.893 | 0.903 | 0.924 | 0.931 | 0.953 |
平均比[%] | 100 | 79.62 | 80.33 | 80.99 | 82.68 | 83.03 | 83.93 | 84.81 | 86.82 | 87.5 | 89.57 |
前年月同比[%] | 1.4 | 0 | -4.148 | 0 | 0 | 3.079 | 0 | 1.313 | 0 | 2.004 | 0 |
これまでのコンタクトレンズの推移


詳細なデータとグラフ
コンタクトレンズの現状と今後
コンタクトレンズは、視力矯正手段としてメガネと並ぶ存在であり、特に90枚入りのデイリータイプ(約3か月分)は利便性・衛生面から需要が高まっています。医療機器として品質規制がある一方で、価格面では通販や量販店による競争が激しく、地域ごとに大きな価格差が見られます。本稿ではその価格動向と背景を詳細に解説します。
全国平均の推移と背景
2025年3月時点での全国平均価格は1.064万円(90枚入り1箱)。2016年からのデータを見ると、緩やかに価格が上昇しています。これは以下のような要因によるものです:
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円安により輸入コンタクトの価格上昇
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医療機器としての認証・検査コストの上昇
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高含水やシリコーンハイドロゲルなど高機能製品の需要拡大
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中間流通業者の整理とEC化による「値ごろ感」への変化
価格が高い地域の特徴 ― 佐賀・宇都宮・福島など
佐賀(1.27万円):
全国最高値。前年同期比+0.954%。流通網が限定的である上、店頭販売比率が高いため、割引競争が起こりにくい環境と考えられます。オンライン通販利用率も都市部より低い可能性があります。
宇都宮(1.242万円)、福島(1.216万円):
栃木・福島ともに医療系店舗の集中が市街地に限られ、価格競争が限定的です。福島では前年同期比+1.843%とやや高めの上昇率。取扱店舗の減少やEC利用率の地域格差が影響している可能性があります。
東京都区部(1.164万円):
価格帯は高めでありながら、前年同期比+4.583%と全国で最も上昇率が高いエリアの一つ。都心部のオフィスワーカー層をターゲットにした高機能レンズ(UVカットや長時間快適設計など)への移行が進んだ結果と考えられます。
価格が低い地域の特徴 ― 金沢・和歌山・高松など
金沢(0.847万円):
全国最低価格。関西圏の流通に近く、競争的な価格設定が可能な環境。ディスカウント店やECとの価格差も小さい。
和歌山(0.855万円、-4.148%):
特に注目すべきは価格下落。地元ドラッグストアのプライベートブランドの導入やEC連携セールなどが推察されます。
高松(0.862万円)、那覇(0.88万円)、山口(0.884万円):
比較的地方圏でありながら価格が抑えられているのは、独自の通販利用率の高さや、大型量販店の積極進出が関係していると見られます。特に山口の3.079%増は、これまでの安値維持から若干の調整局面と見られます。
価格動向に影響する要因分析
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製品構成の変化:従来の低価格スタンダード品から、長時間装用・うるおい保持などの高機能製品への移行が進行。
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購買チャネルの地域差:都市部と地方でEC活用率に格差。都市部は高価格でも利便性重視、地方は店頭依存傾向。
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メーカー戦略の違い:海外製品は輸送コスト増、日本製は医療認証コスト増などで価格を押し上げる圧力。
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サブスクリプションやEC価格の反映:一部都市では定期購入による割安販売が主流になり、平均価格に差異が出る。
今後の見通し ― 通販の普及と価格の二極化
今後、都市部では利便性と品質を重視した高価格帯の製品が主流となり、地方ではEC拡大に伴い価格競争が進む可能性があります。また、企業による定期配送サービス(サブスクリプション)がさらに浸透すれば、全国平均価格はやや安定または低下する可能性もあります。ただし、安全性や品質基準の強化が並行して進めば、そのぶん価格が維持されるリスクもあります。
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