2025年4月時点でグローブ1個の全国平均価格は1.537万円。特に西宮や千葉、豊橋で1.8万円を超えるなど高価格帯が目立ち、前年同期比で福井や千葉は30%超の上昇。一方、甲府や山形、松本では1.1〜1.3万円台と低く、価格はむしろ下落傾向。地域によって野球人気、ブランド志向、購買層の違いが価格差の要因となっており、今後も都市ごとの需要変化により価格の二極化が進む可能性がある。
エンタメの都市別小売価格
グローブ価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 西宮 | 豊橋 | 千葉 | 大分 | 高松 | 浜松 | 松江 | 富山 | 福山 | 福井 |
最新値[万円] | 1.537 | 1.87 | 1.843 | 1.843 | 1.815 | 1.788 | 1.788 | 1.788 | 1.788 | 1.76 | 1.733 |
平均比[%] | 100 | 121.6 | 119.8 | 119.8 | 118.1 | 116.3 | 116.3 | 116.3 | 116.3 | 114.5 | 112.7 |
前年月同比[%] | +2.598 | +13.33 | +26.51 | +17.86 | +4.839 | +6.557 | +3.226 | +32.35 |
グローブ価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 甲府 | 長崎 | 堺 | 大津 | さいたま | 山形 | 名古屋 | 姫路 | 松本 | 静岡 |
最新値[万円] | 1.537 | 1.116 | 1.139 | 1.144 | 1.21 | 1.215 | 1.216 | 1.32 | 1.35 | 1.353 | 1.353 |
平均比[%] | 100 | 72.59 | 74.06 | 74.38 | 78.71 | 79.03 | 79.06 | 85.86 | 87.83 | 88.01 | 88.01 |
前年月同比[%] | +2.598 | -4.288 | -9.769 | +1.255 | -15 | -14.29 | -5.573 | -17.73 | +2.929 |
これまでの趣味の推移


詳細なデータとグラフ
グローブの現状と今後
2025年4月現在、グローブ1個の全国平均小売価格は1.537万円となり、過去10年以上のデータを通じて見ると着実に上昇傾向を示している。2010年時点では1万円前後で推移していたが、2020年代に入り円安、原材料費の高騰、そしてスポーツ用品市場全体の高級志向化により、価格は右肩上がりに変化してきた。特にアフターコロナのスポーツ需要回復と、部活動・少年野球の再活性化が追い風となっている。
価格が高い都市の特徴と傾向
価格の高い都市には西宮(1.87万円)、豊橋・千葉(1.843万円)、大分(1.815万円)、高松・浜松・松江・富山(1.788万円)、福山(1.76万円)などが挙げられる。これらの都市に共通する特徴としては:
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野球人気の根強さ:西宮は甲子園球場を擁し、少年・高校野球の聖地。高品質なグローブへの需要が高い。
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ブランド志向の浸透:千葉や豊橋ではミズノや久保田スラッガーといった高級ブランドが選ばれる傾向が強い。
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購買層の経済力:地方都市でありながら所得水準が比較的高い地域では、高価格帯のスポーツ用品が売れやすい傾向にある。
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流通の偏りと専門店の存在:スポーツ用品専門店が地場に強く、地域限定モデルやカスタムグローブの取り扱いが豊富な場合も。
特に福井では前年同期比+32.35%と大幅に上昇しており、需要の変化や流通戦略の変更、高級モデルの比率増が影響していると考えられる。
価格が低い都市の特徴と課題
価格が低い都市では、甲府(1.116万円)、長崎(1.139万円)、堺(1.144万円)、大津(1.21万円)、さいたま(1.215万円)などが挙げられる。これらの都市における共通点は以下の通り:
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廉価モデルの流通中心:量販店主導で、価格競争が激しく、入門者向けの低価格グローブが主力。
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需要の縮小または横ばい:部活動の縮小や少子化により、地域全体の購買力が低下。
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高級品離れ:予算の制限や消耗品としての意識が強く、高価格帯製品へのシフトが進みにくい。
特に山形(-15%)、名古屋(-14.29%)、松本(-17.73%)などでは前年同期比で価格が下がっており、これは過剰在庫による値引き販売や、地域特性による需要減退の影響と見られる。
地域ごとの価格変動の要因
都市別のグローブ価格の差異は、単に製品の質やブランドだけではなく、次のような要因が複合的に絡んでいる:
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スポーツ文化の差異:野球熱の高い地域では、子供から大人まで本格的な道具に投資する傾向がある。
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小売店の戦略:都市によってはホームセンター主導の安売り傾向、逆に専門店主体の高単価路線など戦略が異なる。
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物流と在庫コントロール:都市規模によって物流コストの圧力や、在庫回転率が価格に影響。
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教育政策や部活環境:中学・高校の部活動の活発さや、自治体のスポーツ振興施策も重要なファクターとなる。
グローブ価格の今後の展望と業界課題
今後、グローブの価格はさらに2極化が進む可能性がある。
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初心者・低価格帯ユーザー向けには、コスト重視の商品が量販される1方、
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本格派・ブランド志向のユーザー向けには、高価格・高品質なプレミアムモデルが増加するだろう。
さらに、少子化による市場縮小への対応や、スポーツ離れを防ぐ啓発活動も重要となる。また、AI技術やデジタル計測を取り入れたカスタムグローブなど、イノベーションが価格形成に新たな影響を与える可能性もある。
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