キュウリの世界生産動向:中国が82%を占める驚異の現状と展望

生産量

2023年の世界のキュウリ生産量は97.81Mtで、前年比+2.766%と拡大しています。中国が全体の約82%を占める圧倒的な生産量を誇り、増加も継続中。アメリカ、ウズベキスタン、エジプトなども着実に増加していますが、スペインやトルコでは気候や市場要因により減少傾向が見られます。今後は気候変動対策と施設園芸技術の導入が鍵となり、新興国の生産シェア拡大も見込まれます。

キュウリの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界97.81100+2.766
1中国80.2282.01+3.344
2トルコ1.8721.914-3.448
3ロシア1.681.718+2.725
4メキシコ1.0371.06+0.792
5ウズベキスタン0.9620.983+6.343
6ウクライナ0.8740.894+5.905
7スペイン0.7220.738-6.211
8アメリカ0.6470.661+6.64
9エジプト0.6270.641+5.54
10カザフスタン0.5480.56-3.713
11日本0.5350.547-2.515
12ポーランド0.4480.458-5.146
13イラン0.4380.448-9.318
14オランダ0.4260.436+6.483
15インドネシア0.4170.426-6.154
16韓国0.2850.292+1.184
17ドイツ0.2670.273+14.3
18カメルーン0.2640.27-0.715
19タジキスタン0.2630.269+5.27
20スーダン0.230.235-0.92
21ベラルーシ0.2270.232-0.414
22アゼルバイジャン0.220.225-10.87
23アルジェリア0.1990.204+4.87
24サウジアラビア0.1960.201-4.135
25インド0.1830.187+0.238
26バングラデシュ0.1810.185+10.11
27フランス0.180.184+2.717
28タイ0.1770.181-0.114
29ヨルダン0.1670.171+19.96
30シリア0.1540.157+22.41
31キルギスタン0.130.133+2.856
32アルバニア0.1290.132-0.809
33パレスチナ0.1250.128-5.878
34レバノン0.1240.127+1.075
35マリ0.1210.124+14.51
36パキスタン0.1210.123+7.512
37ギリシャ0.1160.118-18.79
38オマーン0.1030.106+6.24
39アラブ首長国連邦0.1020.104-3.445
40オーストラリア0.09350.0956+33.97
41マレーシア0.09120.0933-10.86
42イスラエル0.08890.0908+8.466
43ルーマニア0.08860.0906+13.85
44モロッコ0.08430.0862+33.49
45キューバ0.07860.0803-0.779
46チュニジア0.07120.0728-0.374
47アルメニア0.06940.0709+22.67
48北朝鮮0.06730.0688+0.105
49イラク0.06650.068-66.07
50イタリア0.06630.0678+7.278
51カナダ0.05920.0605-2.421
52フィンランド0.05810.0594+1.931
53ペルー0.05350.0547+5.952
54ブルガリア0.05250.0537+0.459
55スリランカ0.05150.0527+38.71
56クウェート0.04790.049+6.48
57イギリス0.04650.0475+8.722
58オーストリア0.04340.0444-1.542
59ホンジュラス0.04070.0417-7.347
60スウェーデン0.03990.0408+8.153
61ベルギー0.03970.0406+13.77
62チリ0.03730.0381-0.243
63コロンビア0.03610.037-1.747
64ジンバブエ0.0350.0358+9.921
65トルクメニスタン0.03490.0357-0.391
66北マケドニア0.03170.0324-34.31
67ハンガリー0.03020.0309+31.69
68セルビア0.02970.0303-3.498
69南アフリカ0.0290.0296-2.327
70チェコ0.02590.0265+32.41
71ジョージア0.02530.0259-2.692
72リトアニア0.02430.0249+4.688
73コートジボワール0.02060.0211-0.0796
74ノルウェー0.01980.0202-8.78
75ジャマイカ0.01910.0196-13.05
76モルドバ0.0190.0194+17.74
77ドミニカ共和国0.01890.0193+44.45
78マラウイ0.01620.0166-8.039
79スイス0.01570.0161-2.029
80カタール0.01570.016-34.63
81デンマーク0.01560.016-0.128
82ベネズエラ0.01560.0159-2.786
83フィリピン0.01470.0151+4.78
84イエメン0.01380.0141+0.127
85ボスニア・ヘルツェゴビナ0.01220.0124-47.47
86エルサルバドル0.0120.0123-11.78
87ポルトガル0.01170.012-5.854
88ケニア0.01080.011-25.2
89モンゴル0.00850.00869+21.36
90メラネシア0.008450.00864+0.0492
91キプロス0.00840.00859+11.41
92モーリシャス0.007420.00759+25.01
93クロアチア0.007360.00752-35.27
94バヌアツ0.007160.00732+0.014
95リビア0.006830.00698-17.83
96パナマ0.006020.00616+6.198
97ラトビア0.005930.00606-27.15
98エストニア0.005730.00586-0.865
99ボリビア0.004910.00502+1.749
100エクアドル0.00480.0049-0.515
101ガイアナ0.003540.00362+4.524
102スロバキア0.003330.0034-13.28
103コモロ0.002350.0024+3.571
104スロベニア0.002340.00239-11.03
105ドミニカ0.002210.00226-0.356
106アイスランド0.00210.00214+0.479
107エチオピア0.001720.00175-0.456
108コスタリカ0.001670.0017-0.2
109プエルトリコ0.001650.00169-21.19
110バーレーン0.001650.00169+7.143
111ニジェール0.001510.00154-21.67
112ブルネイ0.001370.00141+20.5
113フィジー0.001290.00132+0.245
114東ティモール0.001120.00114-0.419
115バルバドス0.001080.0011-13.53
116ブータン0.001040.00106-7.904
117セントルシア0.001010.00104+2.427
118カーボベルデ0.0007560.000773-15.01
119マルタ0.000740.000757-9.756
120ポリネシア0.0006820.000698-1.382
121フランス領ポリネシア0.0006820.000698-1.382
122スリナム0.0006430.000658+10.92
123マダガスカル0.0006270.000641+0.0527
124ニュージーランド0.0006190.000633+1.656
125ベリーズ0.0004670.000477+71.69
126グレナダ0.0004470.000457-24.87
127トリニダード・トバゴ0.0004210.00043-77.8
128コンゴ民主共和国0.0003850.000393-0.797
129アンティグアバーブーダ0.0001460.000149+137.7
130ガーナ0.0001320.000134+0.712
131セントクリストファーネイビス0.0001010.000103+225.8
132ルクセンブルク3.0E-53.07E-5
133ガボン2.3E-52.35E-5
134ジブチ7.17E-67.33E-6+0.14
135ミクロネシア1.08E-61.1E-6+1.887
136ナウル1.08E-61.1E-6+1.887
137アイルランド00-100
キュウリの生産量
キュウリの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

キュウリの現状と今後

キュウリは水分が多く栄養価も低いが、食文化において非常に需要の高い果菜類です。生での消費はもちろん、漬物や加工用途も多く、気候が比較的温暖な地域では年中栽培可能であるため、世界中で幅広く生産されています。


世界全体の生産動向

2023年の世界のキュウリ生産量は97.81Mtで、前年から+2.766%の増加となっています。これは人口増加に伴う野菜需要の高まりと、施設栽培による収量安定化が背景にあります。とりわけ都市近郊農業や温室を活用した高効率栽培が普及しています。


中国:圧倒的な生産大国

中国は80.22Mtと、世界の約82%のシェアを占めています。前年から+3.344%増加し、引き続き上昇傾向です。大規模施設園芸と機械化、国策としての野菜生産推進が主因です。国内需要だけでなく、アジア各国への輸出も伸びつつあります。


トルコ・ロシア:地域供給の要

トルコは1.872Mtで世界2位の生産国ですが、前年比-3.448%と減少しました。価格低迷や輸出需要の変動、さらに気候不順が影響しています。ロシアは1.68Mtで、+2.725%と安定した増加を維持しており、温室栽培による内需供給が中心です。


アメリカ・メキシコ:北米市場の供給拠点

アメリカは0.647Mt(+6.64%)、メキシコは1.037Mt(+0.792%)と共に増加傾向です。アメリカでは都市型農業やハウス栽培が拡大し、メキシコはアメリカ向けの輸出需要に支えられています。両国とも、農業の産業化が進んでいる点が特徴です。


ウズベキスタン・ウクライナ・カザフスタン:旧ソ連圏の台頭

ウズベキスタン(+6.343%)やウクライナ(+5.905%)などでは、施設園芸と灌漑技術の導入により収量が急増しています。特にキュウリは家庭菜園的な生産から商業生産に移行しつつあり、将来の成長市場と見られています。1方カザフスタンは-3.713%とやや減少しましたが、気候要因の影響と見られます。


エジプト・スペイン:気候の影響を受ける中東・南欧

エジプト(+5.54%)は灌漑による安定供給が進んでおり、輸出型の生産体制が強化されています。1方スペインは-6.211%と減少傾向にあり、これは高温・乾燥の極端な気候条件と、エネルギーコスト高騰による施設運営コスト増が要因とされます。


今後の予想と鍵となる要素

今後のキュウリ生産の展望は次の要素に左右されます:

  • 施設園芸の普及:温室・ハウス栽培による高収量と品質安定が鍵

  • 水資源管理と気候耐性:灌漑技術と耐暑・耐病品種の開発が重要

  • サプライチェーンの強化:流通インフラや冷蔵輸送の整備が不可欠

  • 消費の多様化:健康志向や菜食需要による消費拡大が追い風に

中国のシェアが大きいため、同国の農業政策や環境条件が世界全体の動向に強く影響しますが、今後は新興国の成長が全体の生産構造を変えていく可能性も高いです。


まとめ

キュウリは軽量で水分の多い作物ながら、世界の食卓に欠かせない存在であり、その生産は今後も緩やかに成長を続ける見込みです。中国が依然として主導権を握る1方で、北米、東欧、中東などが地域需要や輸出に応じて生産を拡大しています。持続可能な農業とスマート化が、今後の成長と安定供給の鍵となるでしょう。

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