キャベツ価格の地域差と最新動向:2025年都市別データ分析

キャベツ
穀物統計野菜価格(都市別)



キャベツ価格は季節・地域・天候に大きく左右され、夏冬に高騰、春秋に落ち着く傾向があります。2025年3月の全国平均は174円/kgで前月比-12.12%と大幅下落。札幌市は価格が高く、熊本市など南九州では非常に安価。地域ごとの価格差は気候や流通構造、生産地との距離に起因しており、地産地消や輸送コストが大きな影響を与えています。

キャベツのデータとグラフ

キャベツの高い順

主要市場 札幌市 仙台市 東京都 横浜市 金沢市 広島市 京都市
最新 2025年3月 2025年3月 2025年3月 2025年3月 2025年3月 2025年3月 2025年3月 2025年3月
最大期 2025年1月 2025年1月 2024年12月 2018年2月 2025年1月 2018年2月 2018年2月 2018年2月
最新値[円/kg] 174 221.3 187 182 180 179.7 177.3 169.7
最大値[円/kg] 242.3 247.7 250.3 253 267.7 305 254 259
前月比[%] -12.12 5.733 -8.031 -7.614 -7.692 -23.33 -15.15 -19.97
平均比[%] 100 127.2 107.5 104.6 103.4 103.3 101.9 97.51

キャベツの安い順

主要市場 八戸市 宮崎市 豊橋市 大津市 室蘭市 熊本市 久留米市
最新 2025年3月 2023年12月 2023年12月 2016年12月 2021年12月 2011年12月 2021年12月 2023年12月
最大期 2025年1月 2018年2月 2018年2月 2016年10月 2018年2月 2010年4月 2018年2月 2018年2月
最新値[円/kg] 174 82 55 100 55 85 53 65
最大値[円/kg] 242.3 275 193 220 242 197 235 262
前月比[%] -12.12 -19.61 -29.49 -31.51 -27.63 44.07 -25.35 -30.85
平均比[%] 100 47.13 31.61 57.47 31.61 48.85 30.46 37.36

 

キャベツの推移

キャベツの価格(高い都市)
キャベツの価格(安い都市)

最新の価格データ

価格の高い順

 

その他のデータとグラフ

 

キャベツの価格についての推移と展望

キャベツは日本全国で幅広く消費されている代表的な葉物野菜の一つです。価格は季節ごと、地域ごと、そして天候や災害の影響によって大きく変動します。特に夏の猛暑や冬の霜、長雨、台風などの自然条件が収穫量に大きく影響し、結果として価格に反映される傾向があります。

2008年からの長期的なデータを見ても、春と秋に価格が落ち着き、夏や冬に高騰しやすい傾向が顕著です。さらに、コロナ禍や国際的な輸送費の高騰、農業資材の価格上昇、人手不足といった外的要因も、近年の価格変動に影響を与えています。


最近の動向と課題

2025年3月の最新データによると、全国平均価格は174円/kgであり、前月比で-12.12%の下落が見られます。これは例年に比べて大幅な下落であり、供給量の増加や天候条件の好転が背景にあると考えられます。

都市別では、価格が高い札幌市(221.3円/kg)は平均比127.2%と、他都市に比べて著しく高く、今月も前月比で5.733%上昇しています。一方、熊本市(53円/kg)など南九州の一部では平均の3割程度と非常に安価です。

また、金沢市(-23.33%)、京都市(-19.97%)、八戸市(-19.61%)などでは、前月からの急激な価格下落が見られ、地域の市場需給や天候の影響が強く反映されています。


地域別の価格特色とその背景

地域別の価格差は、生産地からの距離や輸送コスト、地域ごとの流通構造、さらには地元での消費傾向にも起因します。

  • 北海道・東北(札幌・八戸・室蘭など) 寒冷地であるため栽培期間が限られ、輸送費も高いため札幌のように高価格になりやすい傾向があります。一方、八戸や室蘭は一部地元生産の流通が効いており、価格が抑えられることもあります。

  • 関東・中部(東京・横浜・豊橋など) 大都市圏は消費量が多く、需給のバランスが価格に反映されやすいです。東京や横浜はやや高めだが安定しています。一方、愛知県の豊橋市では価格が低く、地元産出により安定供給が可能と考えられます。

  • 近畿・中四国(京都・大津・広島など) 京都市など都市部では価格がやや高めですが、今月は大幅な下落が見られます。滋賀県の大津市では全国最低水準の価格で、地産地消の効果が出ている可能性があります。

  • 九州(熊本・久留米・宮崎など) 温暖な気候と広大な農地を持つ九州はキャベツの一大産地であり、出荷量が多いため価格が全国で最も低くなる傾向があります。


今後の推移と期待される展開

今後のキャベツ価格は、以下の要因に左右されると予想されます。

  1. 天候の安定化:異常気象が少なければ、安定的な供給が可能となり、価格の乱高下が抑えられる見通しです。

  2. 輸送・燃料コスト:物流費の動向が今後の価格形成に大きな影響を及ぼします。特に北海道・九州など遠隔地の価格は大きく左右されます。

  3. 労働力の確保:高齢化と人手不足が続く中で、ロボット農業や外国人労働者の受け入れなど、効率化が進めば供給の安定につながります。

  4. 地産地消・直販市場の拡大:地域ごとの価格差を縮めるには、地域内での消費を高める取り組みも重要です。


まとめ

キャベツの価格は、季節や地域、経済・社会的背景によって大きく変動します。札幌のような高価格地域と熊本のような低価格地域との価格差は2~3倍にも及び、全国平均と比べても大きな開きがあります。今後は、安定した供給体制と地域ごとの需給バランスの改善が求められます。さらに、価格の変動を抑えるためには、データを活用した生産・流通の最適化が期待されます。

 

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