2025年4月のカーポート平均価格は25.46万円で、札幌は耐雪仕様により75.42万円と突出。価格上昇は資材高騰や施工人件費の増加が背景にある。今後も全国的には緩やかな上昇が見込まれ、地域ごとの気候や建設事情により価格差はさらに広がる可能性がある。
小売物価統計
カーポート小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 札幌 | 鳥取 | 佐賀 | 山形 | 盛岡 | 青森 | 秋田 | 宮崎 | 福井 | 富山 |
最新値[万円] | 27.05 | 75.42 | 63.8 | 58.96 | 48.39 | 47.98 | 37.4 | 34.8 | 34.04 | 31.75 | 31.43 |
前年同月比[%] | +9.807 | +16.25 | +32.72 | +76.41 | +9.258 | +7.884 | +4.977 | +0.554 | +22.9 |
カーポート小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 大津 | 長崎 | 静岡 | 鹿児島 | 仙台 | 徳島 | 東京都区部 | 津 | 広島 | 前橋 |
最新値[万円] | 27.05 | 10.67 | 16.55 | 18.2 | 18.2 | 18.4 | 18.57 | 19 | 19.1 | 19.25 | 19.47 |
前年同月比[%] | +9.807 | -7.102 | -6.217 | +0.805 | -6.546 |
カーポートの推移


詳細なデータとグラフ
カーポートのシステム現状と今後
カーポートとは、自動車を雨風や直射日光から守るために設置される簡易的な屋根付きの駐車スペースです。日本では戸建住宅を中心に普及しており、特に雪や紫外線による車両劣化を防ぎたい需要から地方都市でも導入が進んでいます。
全国平均価格の推移と現在の水準
2025年4月時点におけるカーポート1セットの全国平均小売価格は25.46万円で、2015年1月からの10年間で徐々に価格が上昇してきました。前年同月比では+6.316%の上昇を記録しており、特にこの1年で上昇傾向が顕著になっていることが読み取れます。
価格上昇の要因には、建材価格の高騰、施工人件費の増加、住宅エクステリア市場の拡大などが複合的に関係しています。
地域別の価格差とその背景
地域別に見ると、カーポート価格は非常に大きな格差があります。
最も高額なのは札幌(75.42万円)で、全国平均の約3倍に達しています。これは札幌特有の積雪対応構造(耐雪仕様)によるもので、耐荷重の高い部材使用や強固な基礎工事が必要になるため、価格が高騰しています。
1方、最も安価なのは静岡(18.2万円)や仙台(18.4万円)、東京都区部(19万円)などで、温暖な気候や降雪の少なさからシンプルな構造で済むことが価格を抑える要因です。
また、大阪(19.88万円)や千葉(19.85万円)などの都市部では競争激化や工事効率化によって価格が低く保たれている可能性があります。
価格変動要因と近年の上昇傾向
前年同月比での価格上昇が顕著な地域としては、札幌(+16.25%)、京都(+14.69%)、横浜(+11.38%)などがあります。これらの都市では以下の要因が複合的に絡んでいると考えられます:
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資材価格の上昇:アルミや鋼材などの価格上昇
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人件費の高騰:特に施工職人の不足
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住宅外構リフォームの需要増:コロナ禍以降の住環境見直し
1方で、大阪(-4.957%)のように価格が下落した地域もあり、これは過去に高値だった反動やキャンペーンによる1時的価格調整の可能性もあります。
カーポート価格のコスト構造と課題
カーポートの価格は以下の3つに大別されます:
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本体価格(屋根材・柱など)
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施工費(基礎工事・設置作業)
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運搬費(大型部材の配送)
この中で最近特に影響が大きいのは施工費と運搬費です。人手不足や運送業の「2024年問題」により、労働力の確保と物流コストの上昇が業界全体に波及しています。
また、耐風・耐雪性能などの安全基準を満たすために、部材の強度も年々求められるようになり、結果として本体価格も高止まりしています。
今後の価格動向と展望
今後のカーポート価格は以下のような方向に進むと予測されます:
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緩やかな上昇基調の継続:資材コストと施工費の上昇圧力が継続
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地域間格差の拡大:積雪・台風対応などにより設計差が開き、価格にも反映
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廉価モデルの開発と普及:競争の激しい地域ではDIY対応や小型モデルが増える可能性
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スマート化の進展:太陽光パネル付きやEV充電機能付きなど高機能モデルが登場し、価格の2極化も進む
政府の省エネ促進策や外構補助金の有無も影響を与えるため、政策動向にも注意が必要です。
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