カーペット価格の地域別特徴と今後の動向

住宅関連

カーペット1枚あたりの全国平均価格は1.44万円。札幌・静岡・さいたまでは寒冷地対策や高品質志向により価格が上昇。一方、東京都区部や京都では下落傾向で、都市型住宅でのカーペット需要が縮小している。地域文化が価格差の背景にある。

都市別のカーペット1枚の相場価格

2025年5月
降順昇順
都市最新値[万円]前年同月比[%]
平均1.302-0.618
1静岡2.178
2さいたま2.147+6.183
3松山2.03
4札幌2.017+21.56
5仙台1.869+12.45
6富山1.78+12.94
7山口1.72
8宮崎1.655-3.459
9横浜1.595-6.309
10秋田1.546+14.86
11盛岡1.518+27.78
12鹿児島1.512+6.322
13鳥取1.5-12.78
14大津1.479+10.51
15福井1.422-32.16
16東京都区部1.406-4.47
17水戸1.396+13.56
18長崎1.39-2.98
19福島1.39-6.115
20岡山1.39+21.94
21名古屋1.383+15.85
22長野1.333-11.67
23佐賀1.33+28.88
24京都1.307-4.5
25宇都宮1.286+14.88
26山形1.286+23.34
27徳島1.267+5.556
28大阪1.253+5.418
29神戸1.161+4.726
30千葉1.136-3.013
31前橋1.126-15.19
32熊本1.109
33和歌山1.098+11.14
34新潟1.093+3.143
35広島1.022-28.01
36奈良1.019+5.31
37高松1-2.153
38甲府0.99-9.179
39岐阜0.965-23.23
40金沢0.926-22.36
410.898
42青森0.878+23.15
43大分0.866-23.34
44松江0.795-11.62
45高知0.685-15.56
46福岡0.647-48.65
47那覇0.379+8.048
カーペット1枚

詳細なデータとグラフ

カーペットの現状と今後

2025年5月時点におけるカーペット1枚あたりの全国平均価格は1.44万円です。これは長期的には安定した水準にあり、前年同月比では微減(-0.00694%)と、全体として価格の大きな変動は見られません。ただし、地域別に見ると価格には顕著な差があり、気候や生活習慣、床材文化の違いが反映されています。


高価格帯都市 ― 静岡・さいたま・札幌・仙台

静岡(2.178万円)は全国最高値となっており、上質なカーペット需要が根強いことがうかがえます。住宅の床材にカーペットを多用する文化的背景や、室内装飾へのこだわりが価格を押し上げていると考えられます。

次いでさいたま市(2.147万円)は、+6.183%の上昇を示し、住宅面積に余裕のある郊外地域であることから、大型かつ高品質なカーペットの需要があると推察されます。

札幌(2.017万円)も高価格帯に位置しており、+21.56%の急騰が見られます。これは寒冷地特有の床冷え対策として、厚手で断熱性の高いカーペットが多く使用されることが要因です。カーペットは生活の「暖房設備」の1部として機能している地域です。

仙台(1.869万円)も寒冷地に近いことから、同様に+12.45%の上昇を記録しており、需要と価格の底上げがみられます。


中価格帯都市 ― 横浜・東京都区部・岡山・名古屋

横浜(1.595万円)は比較的高い水準にあるものの、前年比-6.309%と下落傾向です。都市型住宅が増え、スペースをとるカーペットよりもコンパクトなラグやマットの需要が増えている可能性があります。

東京都区部(1.406万円)も同様に-4.47%と減少傾向にあり、マンション中心の住宅事情やフローリング文化の普及により、カーペット自体の存在感が薄れていることが背景と考えられます。

1方、岡山(1.39万円/+21.94%)、名古屋(1.383万円/+15.85%)は大幅な上昇を見せており、これは地場家具店やインテリア文化の振興、またはリフォーム市場の拡大が影響していると見られます。


低価格帯都市 ― 京都・大阪

京都(1.307万円/-4.5%)大阪(1.253万円/+5.418%)は、比較的全国平均を下回る価格で推移しています。特に京都は和室文化が根強く、カーペットよりも畳やラグなどの軽量床材が重視される傾向があります。大阪は、価格に敏感な市場であるため、量販品や低価格帯製品が主流であり、全体的に価格が抑えられています。


今後の展望と地域文化との関係性

カーペットの価格には、地域の気候・住宅構造・インテリア文化が大きく関わっています。寒冷地では機能性・保温性を重視した高価格帯のカーペットが定着している1方、都市部ではコンパクト・機能性重視の省スペース型製品が主流になりつつあります。

また、昨今ではアレルギー対策やロボット掃除機の普及によって、フローリング回帰の流れもあるため、カーペット市場はニッチ化と高級志向の2極化が今後進む可能性があります。

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