2025年4月のカーネーション1本あたりの平均価格は225.3円。大分や那覇では300円近くまで上昇し、母の日需要や資材高騰が価格に影響しています。一方、金沢や徳島では150円台と安価。需給の偏りや生産者の高齢化も課題で、今後は流通安定や需要分散が重要となります。
エンタメの都市別小売価格
カーネーション・切り花価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 大分 | 那覇 | 札幌 | 長野 | 横浜 | 松山 | 宮崎 | 高知 | 水戸 | 千葉 |
最新値[円] | 225.3 | 303 | 297 | 297 | 296 | 278 | 268 | 257 | 249 | 248 | 245 |
平均比[%] | 100 | 134.5 | 131.8 | 131.8 | 131.4 | 123.4 | 119 | 114.1 | 110.5 | 110.1 | 108.7 |
前年月同比[%] | +1.661 | +16.09 | +4.577 | -0.336 | +9.63 | +7.752 | +26.6 | +5.063 | +37.02 | -4.669 |
カーネーション・切り花価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 金沢 | 徳島 | 和歌山 | 盛岡 | 宇都宮 | 山口 | 鹿児島 | 長崎 | 熊本 | 広島 |
最新値[円] | 225.3 | 154 | 157 | 168 | 176 | 178 | 183 | 183 | 188 | 196 | 197 |
平均比[%] | 100 | 68.35 | 69.69 | 74.57 | 78.12 | 79.01 | 81.23 | 81.23 | 83.45 | 87 | 87.44 |
前年月同比[%] | +1.661 | -0.645 | -16.49 | -7.692 | +1.734 | -1.111 | +5.172 | -9.406 | -6.931 | -1.508 | +3.684 |
これまでの園芸品の推移


詳細なデータとグラフ
カーネーション・切り花の現状と今後
2025年4月現在、日本全国におけるカーネーション・切り花1本の平均小売価格は225.3円です。2010年当初は180円前後で推移していたことから、この15年間でおよそ25%程度の価格上昇が見られます。これは消費者物価全体の上昇傾向を反映した動きであり、切り花業界も例外ではありません。
特に母の日やフラワーギフトの需要が集中する春先には、相場の上昇が顕著になる傾向があります。
高価格地域の特徴と背景
2025年4月時点で、カーネーションの価格が高い都市は以下の通りです。
都市名 | 価格(円) | 前年同期比(%) |
---|---|---|
大分 | 303 | +16.09 |
那覇 | 297 | +4.577 |
札幌 | 297 | -0.336 |
長野 | 296 | +9.630 |
横浜 | 278 | +7.752 |
松山 | 268 | — |
宮崎 | 257 | +26.60 |
高知 | 249 | +5.063 |
水戸 | 248 | +37.02 |
千葉 | 245 | -4.669 |
高価格地域の背景
-
大分・宮崎・長野のような地方都市では、流通量が限られ、価格が相対的に高くなる傾向があります。
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那覇・札幌といった離島・北方都市では、本州からの輸送コストが価格に転嫁されやすい。
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水戸(+37.02%)や宮崎(+26.6%)などの急上昇地域は、短期的な需給の乱れ(母の日などイベント需要、天候不順による入荷減)が影響していると考えられます。
低価格地域の傾向とその理由
カーネーションの価格が低い都市は以下の通りです。
都市名 | 価格(円) | 前年同期比(%) |
---|---|---|
金沢 | 154 | -0.645 |
徳島 | 157 | -16.49 |
和歌山 | 168 | -7.692 |
盛岡 | 176 | +1.734 |
宇都宮 | 178 | -1.111 |
山口 | 183 | +5.172 |
鹿児島 | 183 | -9.406 |
長崎 | 188 | -6.931 |
熊本 | 196 | -1.508 |
広島 | 197 | +3.684 |
低価格地域の特徴
-
徳島、和歌山、金沢などの中小都市では、地元での流通経路が確立しており、大手チェーンを中心とした価格競争が起きていることが背景にあります。
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1部の地域では需要の伸び悩みも見られ、在庫処分のため価格を下げる事例も。
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価格下落率が大きい地域(徳島-16.49%、鹿児島-9.406%)は、需要縮小や他花種との競合(バラやガーベラ等)が影響している可能性もあります。
近年の価格変動要因の分析
生産コストと資材価格の上昇
肥料や輸入原料の高騰、燃料費の上昇によって、生産原価が上昇傾向にあり、小売価格に反映されています。
人手不足と高齢化
カーネーションは手間のかかる花であり、後継者不足により出荷量が安定しづらくなっており、結果として価格が上昇しやすくなっています。
気候変動と天候不順
猛暑や長雨が花の品質・収穫タイミングに影響を及ぼし、出荷の波動が生じ価格変動の要因になります。
消費の偏り(母の日特需)
カーネーションの需要は年間を通して1定ではなく、母の日(5月)周辺に需要が集中します。この特需時に1気に価格が上がり、統計データの平均を押し上げることもあります。
今後の課題と展望
安定した需給の仕組みづくり
イベント需要への偏重を緩和し、周年での安定販売ルートの確立が求められます。
生産現場への支援
設備投資支援や担い手育成が必要不可欠。ドローンや水耕栽培など省力技術の導入も進めるべきです。
消費者への普及啓発
カーネーションのイメージが「母の日」限定に偏らないよう、日常的な花贈り文化の普及が望まれます。
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