2025年3月時点でのカーネーション1本の全国平均小売価格は234.5円。価格が高い那覇・大分では輸送コストや需要が影響し、低価格の金沢・和歌山では地元生産や価格競争が要因。全体としては物流費の上昇、生産の不安定化、労働力不足などが価格上昇を後押ししており、今後も地域間での差が続く見込みです。
エンタメの都市別小売価格
カーネーション・切り花価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 那覇 | 大分 | 札幌 | 長野 | 横浜 | 松山 | 鳥取 | 高知 | 津 | 宮崎 |
最新値[円] | 234.5 | 303 | 303 | 301 | 300 | 284 | 277 | 263 | 263 | 257 | 256 |
平均比[%] | 100 | 129.2 | 129.2 | 128.3 | 127.9 | 121.1 | 118.1 | 112.1 | 112.1 | 109.6 | 109.2 |
前年月同比[%] | 1.138 | 4.124 | 22.18 | 0 | 9.489 | 1.792 | 5.725 | 5.622 | 1.154 | 1.984 | 5.35 |
カーネーション・切り花価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 金沢 | 和歌山 | 盛岡 | 宇都宮 | 山口 | 広島 | 徳島 | 熊本 | 長崎 | 神戸 |
最新値[円] | 234.5 | 154 | 168 | 173 | 184 | 193 | 196 | 198 | 206 | 209 | 213 |
平均比[%] | 100 | 65.66 | 71.63 | 73.76 | 78.45 | 82.29 | 83.57 | 84.42 | 87.83 | 89.11 | 90.82 |
前年月同比[%] | 1.138 | -17.2 | -7.692 | 0 | -4.663 | 6.044 | 1.554 | 8.197 | -3.286 | -11.81 | -0.467 |
これまでの園芸品の推移


詳細なデータとグラフ
カーネーション・切り花の現状と今後
カーネーションは母の日をはじめとして贈答用に広く使用される代表的な切り花であり、その小売価格は季節や市場の需給関係、輸送コスト、地域特性などの影響を受けやすい商品です。ここでは、2010年1月から2025年3月までのデータに基づき、日本全国におけるカーネーション1本あたりの小売価格の動向、都市別の価格差、近年の価格上昇の要因などについて解説します。
全国平均の価格推移
2025年3月時点でのカーネーション1本あたりの全国平均小売価格は234.5円です。過去15年で見ると、カーネーションの価格は緩やかに上昇傾向を示しており、季節ごとの価格変動(特に5月の母の日前後)と輸送コスト、国内外の生産環境の変化が影響していると考えられます。
高価格地域の特徴と傾向
最新データで高価格帯となった地域は、那覇(303円)、大分(303円)、札幌(301円)、長野(300円)などです。これらの都市の特徴は以下の通りです:
-
那覇:島嶼地域であるため輸送コストが高く、生花の保存にも気を使う必要があることから高価格となりやすい。
-
大分・長野:地方都市である一方で、消費者の贈答需要が高く、小売店舗がプレミアム価格で販売する傾向がある。
-
札幌:北海道内での輸送や保管の手間がかかること、加えて季節的な温度管理のコストが影響。
前年同期比での価格上昇率も大分(+22.18%)、長野(+9.489%)、松山(+5.725%)などが顕著であり、地元の供給不足や物流コスト上昇が背景と考えられます。
低価格地域の特徴と傾向
一方で、低価格帯となっている都市には金沢(154円)、和歌山(168円)、盛岡(173円)、宇都宮(184円)などが挙げられます。これらの特徴として:
-
金沢・和歌山・盛岡:地元生産が比較的多く、流通経路も短いためコストが抑えられる。
-
宇都宮・山口・広島:地場の価格競争が強く、安価で提供する店が多い傾向。
ただし、金沢(-17.2%)、長崎(-11.81%)など価格が下落している都市もあり、地元需要の減少や市場競争激化が影響しているとみられます。
近年の価格上昇要因
近年の価格上昇要因として、以下の点が挙げられます:
-
輸送コストの上昇:燃料費や人件費の増加が切り花流通全体に影響。
-
気候変動による生産不安定化:猛暑や台風などで国内生産が打撃を受けるケースが増えている。
-
需要と供給のバランスの変化:母の日需要の変化や若年層の贈答文化の多様化により、需給のギャップが発生。
-
労働力不足と高齢化:生産者の高齢化と後継者不足により、国産の供給が減少。
まとめと今後の展望
カーネーションの小売価格は、都市によって大きな差が見られるとともに、価格変動の要因が多岐にわたることが確認されました。今後も輸送費や気候の影響、需要の季節性を含めた多様な要素が価格を左右すると予想され、地域ごとのマーケティング戦略やサプライチェーンの強化が重要となるでしょう。
コメント