カーナビの平均価格は2025年4月時点で8.748万円。札幌や福井など寒冷地では高価格、ディーラー依存が強い地方都市も高くなる傾向にあります。一方、大阪や鳥取などはネット購入や価格競争の影響で安価。価格上昇の背景には地図更新有料化、ディスプレイ大型化、スマホ連携機能の拡充などがあり、今後はスマホナビとの共存やADASとの連携が市場動向を左右します。
自動車・交通の都市別小売価格
カーナビ価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 札幌 | さいたま | 福井 | 秋田 | 福島 | 甲府 | 横浜 | 富山 | 宇都宮 | 静岡 |
最新値[万円] | 8.748 | 9.28 | 9.28 | 9.14 | 9.13 | 9.13 | 9.13 | 9.13 | 9.13 | 9.13 | 8.98 |
平均比[%] | 100 | 106.1 | 106.1 | 104.5 | 104.4 | 104.4 | 104.4 | 104.4 | 104.4 | 104.4 | 102.6 |
前年月同比[%] | +9.316 | +5.096 | -3.132 | +14.39 | -3.181 | +5.794 | +5.794 | +10.27 | +14.41 | +26.21 | +12.53 |
カーナビ価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 大阪 | 高松 | 鳥取 | 津 | 神戸 | 奈良 | 岐阜 | 松江 | 山口 | 高知 |
最新値[万円] | 8.748 | 7.48 | 7.73 | 7.88 | 7.98 | 7.98 | 8.28 | 8.38 | 8.38 | 8.43 | 8.48 |
平均比[%] | 100 | 85.5 | 88.36 | 90.07 | 91.22 | 91.22 | 94.65 | 95.79 | 95.79 | 96.36 | 96.93 |
前年月同比[%] | +9.316 | -9.168 | +14.79 | -12.25 | +10.3 | +6.684 | +10.7 | +12.03 | +5.013 | -0.59 | +9.702 |
これまでの車関連の推移


詳細なデータとグラフ
カーナビの現状と今後
2025年4月時点での全国平均価格は8.748万円。これを基準にすると、都市間で約1.8万円の価格差が存在しています。
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高価格帯(9万円以上)
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札幌・さいたま(9.28万円)
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福井(9.14万円)
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秋田・福島・甲府・横浜・富山・宇都宮(9.13万円)
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静岡(8.98万円)
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低価格帯(7万円台〜8.5万円未満)
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大阪(7.48万円)
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高松(7.73万円)
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鳥取(7.88万円)
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津・神戸(7.98万円)
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奈良・岐阜・松江・山口・高知(8.28〜8.48万円)
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全国平均から1万円以上高い都市がある1方、1万円以上安い都市も存在しており、価格分布は比較的広くばらつきがあることが分かります。
高価格地域の要因と共通点
北日本・中部地方に集中した高価格エリア
札幌・秋田・福井・福島・富山などでは、寒冷地仕様の車両が多く、地図データの地域対応や冬季用オプション(積雪エリア対応ナビ)が求められることが価格に反映されています。
地方都市の「正規ディーラー依存」傾向
宇都宮や甲府、福井などでは、量販店やECよりもディーラー経由の購入が主流となっており、高品質モデル(パナソニックやアルパインなど)中心の構成が全体価格を押し上げています。
高価格でも需要が強い地域
静岡・横浜・さいたまなどでは、新車販売が活発であるため、最新の純正ナビ搭載モデルが主流となり、価格上昇傾向が維持されやすい傾向です。
低価格地域の背景と共通要因
大阪・高松・鳥取などの価格競争型市場
大阪(7.48万円)は、EC・量販店の影響が特に大きく、ネット注文+持込取付型のニーズが多いと推測されます。また、競合が多く、価格は常に下方圧力を受けやすい。
地方の節約志向と汎用モデルの普及
鳥取や奈良、岐阜では、必要最低限の機能を備えた廉価モデル(ポータブル型など)の普及が背景にあります。交通量が少ない地域では詳細なナビ機能を必要としない傾向も強い。
カーナビ不要論の進行
スマホアプリの発展により、特に都市部では「ナビはスマホで十分」という考え方が強まっており、その結果として価格帯の低い製品が選ばれる傾向も見られます。
価格推移の要因と近年の変化
2010年からの長期的なトレンドでは、1時期の下落を経て再び価格が上昇しています。その背景には次のような要因があります。
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地図データ更新料の有料化と期間制限無償更新が終了した機種が多く、買い替え需要を喚起。
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ディスプレイ大型化・車載統合化近年はディスプレイオーディオやスマートフォン連携機能を備えた機種が主流となり、単価が上昇。
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インフレ・部品価格の上昇半導体不足・原材料費の高騰により、エレクトロニクス全体で価格が上向き。
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メーカー戦略の高級志向化パナソニック・アルパイン・ケンウッド等は、高付加価値モデルにシフトし、ミドル〜ハイエンドが主流化。
地域別の前年比変動率と考察
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大幅上昇:宇都宮(+26.21%)、富山(+14.41%)、福井(+14.39%)、静岡(+12.53%)→ 地元ディーラーのモデル構成変更や、新型車とのセット販売増が影響。
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大幅下落:大阪(-9.168%)、鳥取(-12.25%)→ 低価格製品への移行やディスプレイオーディオ非搭載車の増加が1因と考えられる。
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安定増加:高松(+14.79%)、奈良(+10.7%)、神戸(+6.684%)→ 1定の需要層とセット販売、交換需要により緩やかな価格上昇。
今後の見通しと課題
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ディスプレイオーディオとの統合化進行今後は「純正ナビ」よりも、スマホ連携前提のディスプレイ搭載車が主流になり、単体ナビ市場は縮小傾向となる可能性。
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サブスクリプション型の地図更新サービス拡大定額制地図サービスや、通信型ナビが普及すれば、販売価格より月額課金への移行が進む。
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スマホナビとの競合激化Google MapsやYahoo!カーナビの性能向上により、高機能ナビの存在意義が再定義される局面にある。
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安全運転支援との連携今後はADAS(先進運転支援)との連携が期待される1方で、機能強化に伴う価格上昇リスクも残る。
まとめ
日本のカーナビの平均価格は2025年4月時点で8.748万円。都市間で最大1.8万円の差があり、寒冷地や新車販売の多い地域では高価格、都市部や西日本では低価格傾向。ディーラー販売の割合やECの普及状況が価格に大きく影響。今後はスマホナビとの共存やADAS連携による機能進化が鍵を握るでしょう。
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