カット野菜1kgの価格は全国平均562.3円。札幌・那覇・熊本などで高価格化が進み、鳥取は前年比+40%超と急騰。加工・物流・原料の各コスト上昇に加え、外食需要の回復も価格上昇を後押し。今後も天候やエネルギーコスト次第で価格は不安定な推移が続く見込み。
都市別のカット野菜1kgの相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 568.6 | +7.235 | |
1 | 札幌 | 1004 | +20.24 |
2 | 那覇 | 974 | +9.193 |
3 | 鳥取 | 777 | +52.35 |
4 | 福岡 | 756 | +22.93 |
5 | 熊本 | 748 | +29.19 |
6 | 鹿児島 | 719 | +5.891 |
7 | 宮崎 | 695 | +18.8 |
8 | 広島 | 673 | +16.84 |
9 | 神戸 | 666 | +32.67 |
10 | 大阪 | 652 | +27.59 |
11 | 東京都区部 | 633 | +5.5 |
12 | 佐賀 | 629 | +8.636 |
13 | 仙台 | 624 | +25.05 |
14 | 京都 | 620 | -7.875 |
15 | 大分 | 616 | +0.326 |
16 | 青森 | 599 | +15.86 |
17 | 甲府 | 594 | +7.027 |
18 | 松江 | 577 | +11.39 |
19 | 岐阜 | 576 | +4.159 |
20 | 静岡 | 567 | -0.351 |
21 | 福井 | 566 | +5.993 |
22 | 長野 | 559 | +8.544 |
23 | 和歌山 | 556 | |
24 | 長崎 | 540 | +34.66 |
25 | 千葉 | 533 | +1.139 |
26 | 名古屋 | 529 | -1.49 |
27 | 山口 | 507 | +14.45 |
28 | 高松 | 504 | -13.1 |
29 | 岡山 | 502 | -13.75 |
30 | さいたま | 502 | -7.209 |
31 | 宇都宮 | 496 | +15.89 |
32 | 高知 | 495 | -0.602 |
33 | 松山 | 485 | -2.414 |
34 | 徳島 | 485 | -8.318 |
35 | 前橋 | 479 | +4.814 |
36 | 横浜 | 476 | +3.03 |
37 | 奈良 | 476 | +11.21 |
38 | 盛岡 | 471 | +6.561 |
39 | 富山 | 466 | |
40 | 秋田 | 461 | -18.69 |
41 | 津 | 459 | +6.497 |
42 | 新潟 | 458 | +6.019 |
43 | 大津 | 432 | -16.28 |
44 | 山形 | 428 | |
45 | 金沢 | 390 | |
46 | 水戸 | 389 | -3.474 |
47 | 福島 | 382 | +2.965 |

詳細なデータとグラフ
カット野菜の小売価格の相場と推移
2025年5月時点におけるカット野菜1kgの全国平均価格は562.3円です。これに対して、札幌(1,004円)、那覇(924円)、熊本(748円)、福岡(731円)と続き、特に北海道や9州・沖縄圏に価格の高い都市が集中しています。最も高い札幌は、全国平均の約1.8倍に達しており、地域間格差の大きさが際立っています。
都市別価格推移と増加率の分析
前年同月比で見ると、全国平均は+5.019%と穏やかな上昇に見えるものの、個別都市ではかなりの変動が見られます。
-
大幅上昇都市: 鳥取(+40.59%)、大阪(+32.49%)、熊本(+29.19%)、札幌(+20.24%)、福岡(+18.86%)などが著しい価格上昇を記録。
-
価格安定・下落都市: 京都は-0.858%と唯1の下落を記録し、価格水準を維持しています。
価格上昇率が高い都市の多くは、地理的・流通的にハンデのある地域や、外食産業の需要が回復している都市に集中しています。
カット野菜高価格の背景
加工・包装コストの影響
カット野菜は、生鮮野菜と比べて「洗浄・裁断・包装・衛生管理」といった工程が加わるため、人件費・設備費・資材費が価格に大きく反映されます。特に札幌や那覇のような地域では、加工拠点から遠いため輸送費も加算され、価格が高止まりしています。
地域の天候や農産物収量
北海道や9州では、寒波・豪雨などによる地元野菜の収量減が頻発しており、原料価格そのものが上昇。原料確保にコストがかかり、カット野菜価格にも影響が出ています。
物流コストの上昇
燃料費やドライバー人件費の上昇により、物流コストは全国的に高騰。特に遠隔地や離島に近い那覇や札幌ではその影響が顕著です。
外食・中食需要の回復
2020年代前半のコロナ禍以降、外食産業の回復により、業務用カット野菜の需要が急増。都市部や外食チェーンが密集する都市(大阪・福岡など)では需要増に伴い価格上昇が顕著です。
価格下落・安定都市の特徴
唯1前年より価格が下がった京都(-0.858%)は、関西圏の中でも比較的生産地と市場が近く、物流・調達面での安定が図られている可能性があります。また、地場野菜の利用や業務用需要の分散などにより、大きな価格上昇を防いでいると考えられます。
今後の見通しとリスク要因
今後も、以下の要因により価格の上昇・不安定化が続く可能性があります:
-
エネルギー価格の高止まり:包装資材や冷蔵流通のコスト増が続けば、価格上昇圧力は継続。
-
労働力不足:加工工程での人手不足が解消されず、人件費が価格に反映され続ける。
-
天候変動リスク:干ばつ・台風等による野菜不足で、原料費が高騰する恐れ。
1方で、工場の自動化や調達の多角化によって、1部都市では価格安定化が進む可能性もあります。
コメント