2025年4月のオレンジ1kgの平均小売価格は716円で前年から約3%上昇。地域別では宮崎や甲府が高価格で、甲府は30%以上の急騰。大分や長野は価格低下。価格変動は輸入依存度、気候変動、物流費が主因。今後は輸入多角化や国内生産促進、流通効率化により価格安定が期待される。
小売物価統計
オレンジ小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 宮崎 | 佐賀 | 新潟 | 甲府 | 長崎 | 福岡 | 宇都宮 | 大阪 | 福島 | 静岡 |
最新値[円] | 716 | 855 | 841 | 840 | 828 | 825 | 814 | 814 | 806 | 775 | 757 |
前年同月比[%] | +2.978 | +18.92 | +6.591 | +11.85 | +30.81 | -0.121 | +5.99 | +18.49 | +6.614 | +1.44 |
オレンジ小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 大分 | 水戸 | 長野 | 和歌山 | 秋田 | 津 | 神戸 | 徳島 | 高知 | 大津 |
最新値[円] | 716 | 505 | 578 | 603 | 614 | 640 | 644 | 649 | 653 | 655 | 663 |
前年同月比[%] | +2.978 | -29.96 | +8.851 | -12.99 | -1.917 | -9.22 | -11.66 | -5.117 | +3.323 | +6.678 | -6.223 |
オレンジの推移


詳細なデータとグラフ
オレンジの現状と今後
2025年4月時点でのオレンジ1kgの全国平均小売価格は716円で、前年同月比では約2.98%の緩やかな上昇となっています。地域別にみると、宮崎(855円)、佐賀(841円)、新潟(840円)、甲府(828円)、長崎(825円)などが高価格帯に位置し、とくに甲府は前年から30.81%もの大幅な価格上昇を記録しています。1方、大分(505円)、水戸(578円)、長野(603円)などは低価格帯にあり、特に大分では前年から約30%の大幅な価格下落が目立ちます。このような地域間の価格差は、主に流通コスト、地域の需要供給バランス、生産地からの距離などの影響が強く反映されています。
オレンジ価格変動の背景と主な影響要因
オレンジの小売価格は複数の要因によって変動しており、以下のような背景が考えられます。
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輸入依存度の高さ 日本国内でのオレンジ生産は限られており、多くが海外からの輸入に依存しています。そのため、為替相場の変動や輸入先の天候不順、輸送コストの増減が価格に直結します。
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気候変動と天候リスク 輸入国や1部国内産地の天候変動による収穫量の変動は供給不足や過剰を生み、価格を不安定にしています。特に甲府の価格急騰は、国内産の不作や品質面の影響と推察されます。
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物流費や燃料費の影響 遠隔地での価格高騰は、輸送距離と物流コストの上昇が大きな要因です。例えば宮崎や佐賀の価格が高めに推移しているのは、流通効率が十分でない可能性があります。
地域別価格差の特徴と背景
オレンジ価格は地域ごとに明確な差異が見られます。
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高価格地域の特徴 宮崎、佐賀、新潟、甲府などの高価格地域は、輸送費の上乗せや需要の強さ、地域特有の需要パターンが価格に反映されています。甲府の急激な価格上昇は、国内産の減産や高品質オレンジへのニーズ増加によると考えられます。
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低価格地域の特徴 大分や水戸、長野などの地域では、輸送コストが比較的低く、流通効率も高いため価格が抑えられています。大分の大幅な価格下落は、地元産の供給過多や競争激化、あるいは消費減退の影響と推察されます。
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価格下落地域の動向 長野や秋田、津などで価格が下落しているのは、供給過剰や消費者の節約志向が強まっていることが考えられます。これらの地域では品質競争や販促活動の見直しも必要でしょう。
価格変動に伴う課題と問題点
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消費者の負担増と購買行動の変化 価格上昇が続く地域では消費者の節約志向が強まり、オレンジの購買量減少や他果実への代替が懸念されます。
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生産者・輸入業者の経営リスク 輸入依存度が高い果物のため、為替リスクや海外産地の気象変動が経営の不安定化要因となっています。国内産地も天候不順による生産量変動に対応が迫られています。
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物流・流通の効率化課題 遠隔地への物流コストをいかに抑えつつ品質を維持するかが、価格安定のカギとなります。特に高価格地域への流通改善が求められています。
今後のオレンジ価格の推移と期待
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輸入多角化と安定供給の追求 複数国からの輸入ルート確保や通年供給体制の整備により、価格の急騰を抑えることが期待されます。
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国内生産の促進と品質向上 国内産オレンジの栽培拡大や品種改良による高品質果実の生産は、価格面での競争力を高める要素となるでしょう。
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流通システムの高度化 AIやIoTを活用した物流管理の効率化、地域間連携の強化でコスト削減と鮮度保持が実現し、価格の地域格差縮小に寄与すると考えられます。
総じて、現在の価格変動は国内外の複合的要因によるものですが、技術革新と流通改善により、今後は安定的な価格推移が期待されます。
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