2025年4月時点でのインターネット接続料の全国平均は6,360円。関東・北陸で高め、支出世帯割合も大都市で高水準。前年同月比では微増傾向だが、地域により増減の差がある。価格競争や通信インフラの進化により、今後は支出の平準化と家計への負担軽減が期待される。
家計調査結果
インターネット接続料の相場
インターネット接続料支出の世帯割合
インターネット接続料の推移


詳細なデータとグラフ
インターネット接続料の通信費現状と今後
現代日本においてインターネットは、家庭における情報・通信・教育・娯楽の基盤として定着しています。そのインフラを支える「インターネット接続料」は、世帯支出の中でも電気・ガス・水道と並び、半固定的な支出項目として扱われています。とりわけコロナ禍以降、リモートワークやオンライン学習、動画配信サービスの定着が進み、支出の安定感が高まっています。
2025年4月時点の月間支出水準と地域差
最新データによると、インターネット接続料の全国平均は6,360円であり、これは家庭の通信費全体の中でも比較的高い水準を維持しています。
地域別に見ると、関東(6,663円)、北陸(6,633円)、小都市A(6,591円)と続き、比較的都市化が進んでいるエリアが高額傾向にあります。1方、東海(6,287円)や東北(6,293円)などはやや低く、通信環境の整備状況や世帯構成の違いが影響していると考えられます。
過去からの推移と年間変動の特徴
前年同月比で見ると、全国平均は+0.36%とごくわずかな増加にとどまっています。多くの地域で増加傾向が見られた1方で、北陸(-3.253%)、東北(-2.024%)、大都市(-0.661%)などでは微減が見られました。
これは、通信事業者間の競争激化による料金の値下げや、光回線からモバイルWi-Fi・格安SIMへの移行といった選択肢の多様化が影響していると考えられます。価格競争の進行が、家計にとって好影響を与えている1例です。
接続料支出世帯の割合と普及度
接続料を実際に支出している世帯の割合は、全国平均で68.49%。都市部ほどこの比率は高く、大都市(73.09%)、関東(72.42%)、東海(72.35%)が上位を占めています。これは都市部におけるネット依存度の高さや、単身世帯の普及が背景にあると見られます。
前年比では、全国平均で+1.156%とやや増加傾向。特に北海道(+10.77%)や東海(+3.966%)などで伸びが顕著です。反面、北陸(-5.965%)や近畿(-1.946%)では若干の減少が見られ、契約の見直しや生活様式の変化が読み取れます。
課題と今後の期待
現在の課題は大きく2点あります。ひとつは家計負担としての通信費の固定化です。多くの世帯で6,000円前後の支出は負担感を伴うものであり、特に低所得世帯にとっては選択の余地が少ない点が問題視されます。
もう1点は、接続環境の地域格差です。接続料は1見平均化しているように見えても、インフラ設備や通信速度には未だ格差が存在し、教育や情報取得の機会格差に直結しています。
将来的には、政府のデジタル田園都市構想のような施策や、通信事業者による料金競争、低価格で安定した通信の提供が進めば、全国的な接続料の平準化と世帯支出の最適化が実現されると期待されます。
まとめ
インターネット接続料は日本の世帯支出において今後も高水準を維持すると見られます。ただし、サービスの多様化と価格競争が進めば、徐々に支出の最適化が進行するでしょう。デジタル基盤を支えるこの支出が、今後どれほど合理的かつ公平な形に整備されていくかが、家計と社会の健全性を左右するといえます。
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