日本のイチゴ収穫量は安定傾向にあるが、地域によって生産動向に差が見られる。最新では茨城県が全国の約24%を占めトップ。福岡県など伝統産地は根強い生産力を持つ一方で、関東圏では都市近郊型農業の伸長が顕著である。気候変動や後継者不足、施設老朽化などの課題も存在しつつ、品種開発や高付加価値化、観光農業との連携によって、今後も一定の需要が維持される見通しである。
野菜収穫量のデータとグラフ
イチゴ収穫量の最大と最新
全国 | 茨城 | 埼玉 | 福岡 | 東京 | 神奈川 | 群馬 | 千葉 | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 |
最大期 | 2020年 | 2023年 | 2011年 | 2020年 | 2002年 | 2004年 | 2015年 | 2007年 |
最新値[kt] | 120.9 | 28.5 | 13 | 11.4 | 8.06 | 6.7 | 6.43 | 5.36 |
最大値[kt] | 121.9 | 28.5 | 18.7 | 12 | 10.9 | 8.61 | 8.29 | 7.39 |
前年比[%] | 0.6661 | 13.55 | -5.109 | 3.636 | -3.589 | 1.515 | -4.03 | -0.3717 |
全体比[%] | 100 | 23.57 | 10.75 | 9.429 | 6.667 | 5.542 | 5.318 | 4.433 |

これまでの推移


詳細なデータとグラフ
イチゴについての推移と展望
イチゴは日本の果実的野菜の中でも人気が高く、年間を通じて安定した需要があります。2002年から2023年の収穫量データによると、全国の収穫量は比較的安定していますが、地域によって生産量や増減に差が見られます。本稿では、これまでの動向、県別の特徴、そして今後の予測について詳述します。
全国的な収穫量の推移
2023年時点のイチゴの収穫量は120.9ktで、前年比0.6661%増とわずかに増加しています。2000年代初頭には120kt前後で推移しており、長期的には大きな変動はないものの、天候不順や需給変動による影響を受けやすい作物であることがうかがえます。
県別の収穫量と特徴
茨城県
28.5ktで全国の23.57%を占め、最も高いシェアを持っています。前年比13.55%増と大幅な伸びを示しており、近年の施設整備や品種の工夫による結果と考えられます。
埼玉県
13ktで全体の10.75%を占めるものの、前年比-5.109%と減少しています。都市近郊型の農業として一定の強みはありますが、高温や施設の老朽化の影響が見られる可能性があります。
福岡県
11.4kt(9.429%)で前年比3.636%増。伝統的なイチゴ産地であり、「あまおう」などのブランド品種の生産が好調です。
その他の県(東京、神奈川、群馬、千葉)
都市圏に位置するこれらの県では、それぞれ5〜8kt台の収穫量があります。観光農園との連携や都市型農業の一環としての位置づけが強く、高付加価値品種の導入が進んでいます。
問題点と課題
イチゴの生産には以下の課題があります:
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後継者不足と高齢化
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施設の老朽化と更新コスト
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気候変動による病害リスクの増加
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価格変動と需給の不安定性
今後の推移と展望
イチゴの需要は安定しており、贈答や観光需要にも支えられています。今後は以下の要素がカギになります:
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品種改良(高糖度・長期出荷向けなど)
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スマート農業の導入
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観光農園・体験型農業との連携
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海外輸出の拡大
地域によって成長の余地は異なりますが、特に茨城や福岡のようにインフラ整備やブランド力を活かせる地域では、引き続き成長が期待されます。
まとめ
日本のイチゴ農業は、安定した需要と高付加価値化の流れの中で進化を続けています。課題も多い中、地域ごとの強みを活かした戦略的な展開が今後のカギを握るでしょう。
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