アフリカの消費者物価指数(CPI):インフレ動向と今後の課題

アフリカ

アフリカではジンバブエやスーダンを中心に、消費者物価指数(CPI)の大幅上昇が続いており、2025年もインフレ圧力が深刻である。通貨安、政治不安、輸入依存が要因で、物価高騰が生活を直撃。今後は金融政策の安定化や産業基盤の強化が鍵となる。

消費者物価指数、今年の予想ランキング

2025年
降順昇順
名称最新値[万指数]前年比[%]
1ジンバブエ115.5+26.13
2スーダン63.65+75.57
3南スーダン7.673+11.99
4コンゴ民主共和国0.479+7.951
5リベリア0.133+8.078
6アンゴラ0.127+20.46
7ガンビア0.0964+8.4
8ガーナ0.0801+11.98
9エチオピア0.0592+15.61
10ケニア0.0552+4.483
11ザンビア0.0542+11.13
12ボツワナ0.0457+4.5
13タンザニア0.0444+4
14エスワティニ0.0443+5.949
15リビア0.0384+2.29
16ブルンジ0.0383+36.34
17カメルーン0.0336+3.3
18アルジェリア0.0294+3.817
19サントメ・プリンシペ0.0282+7.63
20シエラレオネ0.0266+12.2
21中央アフリカ共和国0.0254+2.559
22マラウイ0.0254+17.38
23エジプト0.025+12.94
24コモロ0.024+3
25モーリタニア0.0228+4
26マダガスカル0.0197+8.3
27チュニジア0.0193+6.199
28ルワンダ0.0191+6.3
29パプアニューギニア0.0184+5.072
30ナミビア0.018+4.499
31マリ0.0177+3
32赤道ギニア0.0169+3.451
33ギニア0.0168+3.3
34ガボン0.0159+2.013
35ソマリア0.0158+4.1
36ナイジェリア0.0148+30.03
37モーリシャス0.0141+3.944
38ウガンダ0.014+4.601
39ギニアビサウ0.0138+2
40ブルキナファソ0.0135+3
41ニジェール0.0132+4.2
42トーゴ0.0131+1.839
43セネガル0.0131+2
44セイシェル0.0131+2.51
45コートジボワール0.0129+2.1
46チャド0.0126+5.142
47レソト0.0122+5.049
48モロッコ0.0122+2.124
49カーボベルデ0.0121+2
50モザンビーク0.0111+5
51ジブチ0.0106+1.707
52南アフリカ0.0105+4.499
53ベナン0.0103+2.199
消費者物価指数、高い国

消費者物価指数、低い国ランキング

2025年
降順昇順
名称最新値[指数]前年比[%]
1ベナン102.7+2.199
2南アフリカ105.2+4.499
3ジブチ106.2+1.707
4モザンビーク111+5
5カーボベルデ120.6+2
6モロッコ121.5+2.124
7レソト122.3+5.049
8チャド125.6+5.142
9コートジボワール129.3+2.1
10セイシェル130.6+2.51
11セネガル130.8+2
12トーゴ130.9+1.839
13ニジェール131.8+4.2
14ブルキナファソ134.5+3
15ギニアビサウ137.7+2
16ウガンダ140.1+4.601
17モーリシャス141.2+3.944
18ナイジェリア148.1+30.03
19ソマリア157.8+4.1
20ガボン158.7+2.013
21ギニア168.5+3.3
22赤道ギニア169.1+3.451
23マリ177.2+3
24ナミビア180.2+4.499
25パプアニューギニア183.6+5.072
26ルワンダ190.6+6.3
27チュニジア192.6+6.199
28マダガスカル197+8.3
29モーリタニア228.1+4
30コモロ240.1+3
31エジプト249.9+12.94
32マラウイ253.7+17.38
33中央アフリカ共和国254.2+2.559
34シエラレオネ266.3+12.2
35サントメ・プリンシペ282.3+7.63
36アルジェリア294.2+3.817
37カメルーン336.5+3.3
38ブルンジ383.3+36.34
39リビア384.2+2.29
40エスワティニ442.7+5.949
41タンザニア443.5+4
42ボツワナ457.1+4.5
43ザンビア542.4+11.13
44ケニア551.7+4.483
45エチオピア592.5+15.61
46ガーナ801.2+11.98
47ガンビア963.6+8.4
48アンゴラ1272+20.46
49リベリア1331+8.078
50コンゴ民主共和国4790+7.951
51南スーダン76730+11.99
52スーダン636500+75.57
53ジンバブエ1155000+26.13
消費者物価指数、低い国

詳細なデータとグラフ

消費者物価指数の現状と今後

消費者物価指数(CPI)は、特定の基準年に対する物価水準の変動を示す重要な経済指標であり、生活費の上昇やインフレの度合いを測定するのに使われる。アフリカにおいては、CPIの急激な上昇が多くの国で深刻な経済的圧力をもたらしており、その傾向は2025年も続いている。


2025年予測に見るアフリカのCPI動向

IMFの2025年予測によると、ジンバブエが最も高く、消費者物価指数は0.0116億指数(前年比+26.13%)に達している。続くスーダン(0.00636億指数、+75.57%)や南スーダン(+11.99%)も、極端なインフレの例といえる。これらの国々は経済制裁、内戦、財政赤字の膨張、通貨の急落など、複合的な経済危機を背景としており、CPIの上昇は生活必需品の価格高騰を意味する。

1方で、ケニアやエチオピア、ガーナなどでは1桁の指数水準ながらも、前年比でそれぞれ+4.483%、+15.61%、+11.98%と、持続的なインフレ圧力が確認できる。


高CPIをもたらす主な要因

アフリカにおけるCPIの上昇には以下のような原因がある。

  1. 通貨安と輸入インフレ:多くの国が食料や燃料を輸入に依存しており、自国通貨の下落により輸入物価が急騰し、CPIを押し上げている。

  2. 財政の脆弱性と中央銀行の独立性欠如:財政赤字の補填として政府が通貨発行を行うケースが多く、これが通貨の価値を下げインフレを招いている。

  3. 紛争・政情不安:ジンバブエやスーダンのように、政情不安が供給網や市場を混乱させ、物流コストと物価上昇につながっている。

  4. 構造的インフレ:インフラ不足や農業生産の不安定性などが供給の不確実性を生み、価格変動を引き起こしやすい体質となっている。


国別の特徴と差異

  • ジンバブエ:過去にも超インフレ(2000年代後半)を経験したが、現在も通貨信頼性が低く、CPIは急上昇。経済ドル化の是非を巡る混乱も続いている。

  • スーダン・南スーダン:内戦、国際的孤立、基礎インフラの壊滅が物価高を加速。スーダンの+75.57%という上昇率は生活の持続可能性に直結する危機的数値。

  • アンゴラ・ガーナ・ケニア:原油価格や為替の影響を受けやすく、インフレ抑制と成長促進のバランスを取る政策が求められている。

  • リベリア・ガンビア:外貨依存が強く、輸入物資の価格変動がそのまま国内インフレに反映されやすい。


今後の推移と政策的課題

今後もアフリカの多くの国で高インフレ傾向は続くと見られるが、各国の政策対応と国際的支援の有無によって格差が拡大する可能性が高い。

  • 短期的展望:エネルギーや食料価格の国際相場次第で変動リスクは大きい。外貨準備の乏しい国では輸入コストの高騰が避けられない。

  • 中長期的対策

    • 金融政策の強化:中央銀行の独立性と政策の信頼性を確立する必要がある。

    • 農業と製造業の強化:輸入依存の縮小と国内供給力の強化によって、CPIの安定化を図る。

    • 社会保護の拡充:インフレによって打撃を受けやすい低所得層への支援策が急務である。

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