アジア経済における経常収支(USD)は、輸出主導型成長やエネルギー価格、国内需要の変動に大きく影響されており、中国・台湾・日本が依然として高い黒字を維持しています。ただし、中国・日本・韓国など主要国では減少傾向も見られ、今後は地政学リスクや供給網再編の影響を受けやすい状況です。資源国の湾岸諸国ではエネルギー価格の下落が赤字転落リスクを高めており、各国の構造転換と財政調整力が問われる局面に入っています。
経常収支(USD)、今年の予想ランキング
名称 | 最新値[億USD] | 前年比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 中国 | 3626 | -14.46 |
2 | 台湾 | 1486 | +20.86 |
3 | 日本 | 1419 | -26.46 |
4 | シンガポール | 968.6 | +0.879 |
5 | 韓国 | 626.6 | -36.73 |
6 | 香港 | 484.5 | -8.142 |
7 | アラブ首長国連邦 | 362.6 | -26.02 |
8 | クウェート | 347.8 | -25.55 |
9 | カタール | 240.7 | -36.87 |
10 | イスラエル | 162.1 | -4.297 |
11 | マカオ | 160.1 | +0.584 |
12 | ベトナム | 157.1 | -43.99 |
13 | マレーシア | 73.1 | +2.496 |
14 | タイ | 64.4 | -41.92 |
15 | イラク | 38.44 | -30.43 |
16 | イラン | 30.71 | -72.06 |
17 | ブルネイ | 24.71 | -3.514 |
18 | バーレーン | 15.87 | -30.46 |
19 | カンボジア | 11.26 | -240.6 |
20 | ネパール | 3.02 | -81.84 |
21 | ラオス | -0.09 | -101.7 |
22 | 東ティモール | -4.49 | -15.28 |
23 | ブータン | -9.84 | +89.6 |
24 | モルディブ | -10.78 | -14.31 |
25 | オマーン | -15.31 | -165.7 |
26 | ミャンマー | -15.58 | +114.3 |
27 | イエメン | -21.02 | -37.59 |
28 | モンゴル | -28.52 | +30.23 |
29 | ヨルダン | -31.07 | +0.975 |
30 | バングラデシュ | -43.66 | -32.95 |
31 | フィリピン | -170.3 | -2.752 |
32 | トルコ | -171.4 | +70.97 |
33 | インドネシア | -212.4 | +139.8 |
34 | インド | -396.1 | +27.83 |
35 | サウジアラビア | -435.2 | +665.4 |

経常収支(USD)、低い国ランキング
名称 | 最新値[億USD] | 前年比[%] | |
---|---|---|---|
1 | サウジアラビア | -435.2 | +665.4 |
2 | インド | -396.1 | +27.83 |
3 | インドネシア | -212.4 | +139.8 |
4 | トルコ | -171.4 | +70.97 |
5 | フィリピン | -170.3 | -2.752 |
6 | バングラデシュ | -43.66 | -32.95 |
7 | ヨルダン | -31.07 | +0.975 |
8 | モンゴル | -28.52 | +30.23 |
9 | イエメン | -21.02 | -37.59 |
10 | ミャンマー | -15.58 | +114.3 |
11 | オマーン | -15.31 | -165.7 |
12 | モルディブ | -10.78 | -14.31 |
13 | ブータン | -9.84 | +89.6 |
14 | 東ティモール | -4.49 | -15.28 |
15 | ラオス | -0.09 | -101.7 |
16 | ネパール | 3.02 | -81.84 |
17 | カンボジア | 11.26 | -240.6 |
18 | バーレーン | 15.87 | -30.46 |
19 | ブルネイ | 24.71 | -3.514 |
20 | イラン | 30.71 | -72.06 |
21 | イラク | 38.44 | -30.43 |
22 | タイ | 64.4 | -41.92 |
23 | マレーシア | 73.1 | +2.496 |
24 | ベトナム | 157.1 | -43.99 |
25 | マカオ | 160.1 | +0.584 |
26 | イスラエル | 162.1 | -4.297 |
27 | カタール | 240.7 | -36.87 |
28 | クウェート | 347.8 | -25.55 |
29 | アラブ首長国連邦 | 362.6 | -26.02 |
30 | 香港 | 484.5 | -8.142 |
31 | 韓国 | 626.6 | -36.73 |
32 | シンガポール | 968.6 | +0.879 |
33 | 日本 | 1419 | -26.46 |
34 | 台湾 | 1486 | +20.86 |
35 | 中国 | 3626 | -14.46 |

詳細なデータとグラフ
経常収支(USD)の現状と今後
経常収支(Current Account Balance)は、貿易収支、所得収支、移転収支を含む国際収支の1部で、経済の対外健全性を測る指標です。黒字は貯蓄超過、赤字は借入超過を意味し、政策判断や為替変動、金利などに影響を与えます。
中国の経常収支:最大だが変調の兆し
中国は2025年予想で3626億USDの黒字とアジアで最大規模ですが、前年比では▲14.46%と減少。輸出は引き続き強いものの、国内消費や不動産不振、地政学リスクが外需依存の経常収支に重しとなっています。
台湾と日本:高黒字の構造と課題
台湾(1486億USD)は半導体・電子部品輸出による構造的黒字があり前年比+20.86%。日本(1419億USD)はエネルギー価格安と円安で黒字を維持するも、前年比では▲26.46%と大幅減。高齢化による所得収支の構造変化も影響しています。
シンガポール・韓国・香港:黒字の維持と圧力
シンガポール(968.6億USD)は安定した貿易黒字を維持、韓国(626.6億USD)は半導体市況悪化や輸出停滞で前年比▲36.73%。香港(484.5億USD)も金融・物流の収益で黒字を維持していますが、中国経済の減速が懸念材料です。
湾岸諸国の経常収支:資源価格に左右される構造
アラブ首長国連邦(362.6億USD)、クウェート(347.8億USD)、カタール(240.7億USD)などは石油・ガス収入に支えられた黒字ですが、価格下落により前年比で25〜36%の減少。今後の脱炭素トレンドが構造転換を迫っています。
今後の展望:黒字維持か構造転換か
経常黒字は1時的な好調を示すだけでなく、持続的競争力や国内経済構造の反映でもあります。今後はグローバル分断、脱炭素、AI・デジタル移行が貿易・所得構造を変え、特にアジア諸国では高齢化や財政制約も影響します。
まとめ
アジアの経常収支は高黒字国と資源依存国に2極化しており、変動の大きい外的要因が左右しています。今後は輸出構造の転換、国内需要の強化、技術革新と人口動態を見据えた戦略が不可欠です。中長期的に経常収支の「質」が問われる時代に入っています。
コメント