アクセサリー類の世帯支出動向｜購入者減と高額支出の二極化が進行

日本のアクセサリー類の月間支出は平均3.472万円で、地域により大きな差がありつつも、全国的には減少傾向です。購入世帯割合は約1%と少なく、支出は一部の高額購入に依存する構造です。今後は都市部での高額消費は一定水準を維持しつつ、全体としては節約志向や消費スタイルの変化により、安定した伸びは見込みにくいでしょう。

アクセサリー類は、日常生活に不可欠な支出ではなく、ファッションや贈答、自己表現といった嗜好性の高い消費に分類されます。そのため、経済状況や季節行事、社会的ムードに強く影響されやすい特徴を持ち、支出金額や購入世帯の割合は年々大きく変動しています。

最新の支出状況と地域別の違い

2025年4月時点でのアクセサリー類の全国平均支出は3.472万円ですが、これは前年同月比で-16.14%の減少。1方で、地域差は顕著です。

高い順では、9州・沖縄（5.466万円）や東北（5.205万円）が全国平均を大きく上回っており、大都市（4.273万円）や関東（4.072万円）も比較的高い支出傾向にあります。これは、冠婚葬祭や行事、贈り物文化の影響、あるいは1部の高額品購入が支出を押し上げている可能性が高いです。

逆に、中都市（3.429万円）や中国（3.657万円）ではやや低めの水準となっています。

支出額の変動要因と問題点

アクセサリー類は景気の波に敏感な消費項目です。最新データでは全国的に支出額は減少傾向であり、特に9州・沖縄（-28.37%）や近畿（-24.43%）などの大幅減が目立ちます。

しかし1方で、東北（+16.26%）、4国（+75.73%）、中国（+78.85%）といった1部地域では前年より大きく支出が増加しており、特定の地域で1時的に高額な購入があった可能性があります。これが平均を押し上げた1因と考えられます。

このように、継続的・安定的な支出ではなく、購入頻度が低く高額になりやすいため、月間平均の数値に大きなブレが生じやすい点が問題といえます。

購入世帯の割合とその変化

アクセサリー類を購入した世帯の割合は全国平均で1.024%と、非常に少数です。これは全世帯のうち約1%しか月にアクセサリーを購入していないことを意味し、多くの家庭で非日常的な支出であることが分かります。

1方で、前年同月比では支出世帯割合が+2.357%と増加傾向にあり、特に東海（+45.95%）や東北（+19.75%）では顕著に増えています。これは季節的な贈り物やイベントに伴う消費拡大が要因と推察されます。

ただし、北海道（-28.57%）や9州・沖縄（-38.66%）などでは大幅減が見られ、地域によっては節約志向が強まっている可能性も否定できません。

今後の推移と期待される動き

今後のアクセサリー類の支出は、以下の2つの方向性が並行して進むと見られます。

• 高価格帯商品の堅調な需要 特定のブランドや高級品に対するニーズは、贈答や記念日、自己投資といった場面で根強く残り、1定の支出は維持されるでしょう。特に大都市圏や高所得層においては、この傾向が今後も続く可能性があります。

• 広範な層での支出抑制 生活コストの上昇や将来不安を背景に、1般家庭では「必需でない支出」を控える傾向が強まる可能性があり、購入世帯の割合は今後も1%前後の水準にとどまる見通しです。

また、リユース市場やサブスクリプションサービスの拡大もアクセサリー市場に新たな風を吹き込む可能性があります。若年層を中心に、”買う”よりも”使う”形の消費が進むことで、伝統的な購入型支出が減少していく可能性もあります。