2025年4月のりんご1kgの平均小売価格は851円で前年から約9.6%上昇。地域別では伊丹や郡山が高価格帯、盛岡や長野が低価格帯。価格変動は気候変動、需要増加、物流コストが主因。今後は技術革新や流通効率化により価格安定と地域格差縮小が期待される。
小売物価統計
りんご小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 伊丹 | 郡山 | 札幌 | 立川 | 金沢 | 北九州 | 鳥取 | 豊橋 | 松阪 | 松山 |
最新値[円] | 851 | 1000 | 990 | 980 | 977 | 957 | 955 | 949 | 945 | 943 | 936 |
前年同月比[%] | +9.625 | +37.17 | +16.2 | +1.871 | +6.08 | +10.89 | +14.1 | +14.2 | +11.73 | +16.27 |
りんご小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 盛岡 | 水戸 | 柏 | 八王子 | 松江 | 長野 | 新潟 | 津 | 鹿児島 | 今治 |
最新値[円] | 851 | 666 | 679 | 696 | 703 | 719 | 726 | 738 | 761 | 761 | 768 |
前年同月比[%] | +9.625 | +12.5 | +11.49 | -12.89 | -4.894 | +15.24 | -1.862 | +9.339 | +4.39 | +0.787 |
りんごの推移


詳細なデータとグラフ
りんごの現状と今後
2025年4月時点でのりんご1kgの全国平均小売価格は851円となり、前年同月比で約9.6%の上昇を示しています。地域別にみると、伊丹(1000円)、郡山(990円)、札幌(980円)、立川(977円)などが高価格帯に位置し、特に伊丹は37.17%と大幅な価格上昇が見られます。1方、盛岡(666円)、水戸(679円)、柏(696円)などは低価格帯にあり、8王子(703円)や松江(719円)では前年から価格が下落しています。こうした地域間の価格差は流通や消費傾向、産地近接性に起因していると考えられます。
りんご価格変動の背景と影響要因
りんごの小売価格は多様な要因によって変動しています。
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気候変動と収穫量 近年の異常気象は全国各地のりんご生産に影響を与え、特に霜害や長雨などが収穫量の減少をもたらし、供給不足による価格上昇を招いています。
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需要の変化 健康志向の高まりやギフト需要の増加により、りんごは通年を通じて1定の需要が存在しています。特に都市圏での高品質りんごへのニーズが価格上昇を支えています。
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流通・物流コストの影響 輸送距離の長い地域では、燃料費高騰や人手不足による物流コスト増加が価格に反映され、地域間価格差を広げる要因となっています。
地域別の価格差と特徴
りんごの価格は、主に産地の近さ、消費者層、流通経路の違いにより大きく異なります。
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高価格地域の特徴 伊丹や郡山、札幌などは、りんごの主要産地から遠いことが多く、輸送コストが上乗せされるほか、都市部の消費者の購買力や品質志向の高さも価格を押し上げています。
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低価格地域の特徴 盛岡や長野、新潟などは比較的産地に近いか、流通の効率化が進んでいるため、価格が抑えられています。特に長野は前年より15%以上の価格上昇を見せていますが、それでもなお低価格帯に位置します。
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価格下落地域の背景 8王子や松江などでの価格下落は、地元産の供給増加や消費者の購買行動変化、あるいは市場の競争激化が影響していると推察されます。
価格上昇に伴う問題点と課題
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消費者負担の増加 全国的に価格が上昇傾向にあるため、家庭の食費負担増加につながり、特に低所得層にとっては果物購入の減少や代替品へのシフトが懸念されます。
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生産者の経営不安定化 気候変動による収穫量変動や労働力不足が続く中、安定した収益確保が難しく、長期的な生産体制の維持が課題となっています。
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物流コストの削減と効率化の必要性 地域間の価格差を縮小し、消費者に安定した価格で提供するためには、物流の合理化や地産地消の推進が重要です。
今後のりんご価格の推移と展望
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技術革新による生産安定化 農業技術の進歩やスマート農業の導入が進めば、天候リスクの軽減や収穫量の安定化が見込まれ、価格の急騰を抑制する効果が期待されます。
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需要の拡大と多様化 健康志向の強まりに加え、加工品市場やギフト市場の拡大により、価格の下支えが続くと考えられます。
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地域間価格格差の縮小 流通インフラの改善や効率化で遠隔地の物流コストが削減されることで、価格の地域差が徐々に是正される方向に進むでしょう。
総じて、気候変動リスクや物流課題は残るものの、生産技術と流通改善が進むことで、りんごの小売価格は安定的に推移すると期待されます。
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