【2025年最新版】やきとり価格の推移と地域差|200円時代は目前か

外食・他



2025年4月時点のやきとり1本の平均価格は186.5円で、前年比+3.47%の上昇。前橋や大阪、盛岡などでは230円超と高値圏にあり、宮崎や那覇などでは121〜150円と大きな地域差も存在する。鶏肉価格や人件費、資材コストの上昇が価格上昇の主因。今後は200円超えが現実的となる中、消費者が価格に見合う品質と満足感を求める傾向が強まると予想される。

小売物価統計

やきとり小売りの高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 前橋 盛岡 大阪 長崎 山口 名古屋 横浜 松江 青森 佐賀
最新値[円] 186.5 231 230 230 227 224 218 216 212 210 206
前年同月比[%] +3.47 +7.981 +5.505 +6.573 +31.76 +18.48 +11.34 +0.474

やきとり小売りの安い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 宮崎 那覇 神戸 大分 松山 さいたま 甲府 福島 金沢 福井
最新値[円] 186.5 121 150 156 157 157 159 159 162 164 168
前年同月比[%] +3.47 -0.637 -4.848 +4.667 +1.274 +2.581 +1.887

 

やきとりの推移

やきとり小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

やきとりの現状と今後

やきとり(焼き鳥)は、かつては居酒屋メニューの代名詞として酒の肴に重宝される存在でしたが、近年ではスーパーの総菜コーナーやコンビニ、冷凍食品としても幅広く展開され、家庭でも手軽に楽しめる国民的食品となりました。特に単価の安さと満足感の高さから、物価高の時代における“ちょっとした贅沢”としても評価されています。


2025年4月時点の平均価格とその変遷

2025年4月時点におけるやきとり1本の全国平均小売価格は186.5円であり、前年同月比では+3.47%の上昇です。これは、物価全体の上昇傾向とほぼ1致する動きであり、食料品価格の安定的なインフレ傾向を反映しています。

2015年からの長期的推移を見ても、やきとりはおおむね130〜150円台からスタートし、10年間で180円台に到達したと考えられます。この価格上昇はゆるやかなものではありますが、コスト構造の変化と需要の多様化に起因しています。


地域ごとの価格差とその背景

やきとり1本の価格は、地域によって2倍近い開きがあります。例えば、最も高額な前橋(231円)と、最安の宮崎(121円)では110円の差が存在します。

高価格帯(上位10地域)
  • 前橋:231円

  • 盛岡:230円(+7.981%)

  • 大阪:230円(+5.505%)

  • 長崎:227円(+6.573%)

  • 山口:224円(+31.76%)

  • 名古屋:218円(+18.48%)

  • 横浜:216円(+11.34%)

このような地域は、都市部または中都市であり、外食文化が根強く、比較的高付加価値なやきとりが販売されている可能性があります。また、中食(持ち帰り・弁当・総菜)需要が高い地域では、やきとりの単価が高くなる傾向があります。

特に山口の+31.76%や名古屋の+18.48%といった大幅な値上げは注目に値し、仕入コストや人件費、流通形態の変化が急激に反映されたと見られます。

低価格帯(下位10地域)
  • 宮崎:121円

  • 那覇:150円

  • 神戸:156円(-0.637%)

  • 大分:157円(-4.848%)

  • 松山:157円(+4.667%)

  • さいたま:159円(+1.274%)

宮崎や大分のような鶏肉生産が盛んな地域では、流通コストが抑えられ、価格競争も激しいため、1本当たりの価格が安くなる傾向があります。特に大分の-4.848%の値下がりは、例外的な傾向であり、需要減や競合増加などの可能性もあるでしょう。


やきとり価格上昇の構造的要因

やきとりの価格を押し上げている要因には、以下のような構造的問題が存在します:

  • 鶏肉価格の上昇:国内の鶏肉供給がタイトになる中、特にもも肉や手羽先など人気部位の価格が上昇。

  • 竹串・包装資材の高騰:脱プラスチック化や資材コストの高騰が影響。

  • 労働力不足と賃金上昇:焼き工程を伴うため機械化が難しく、人件費が直結。

  • エネルギーコストの増加:焼成設備・保温設備などの電力消費が多いため。

また、やきとりは1本単位での販売が主であるため、「1本あたり価格に消費者が敏感」になりやすく、価格転嫁が難しい商品でもあります。


やきとり価格の今後の見通し

中期的には、やきとりの価格はさらに上昇する可能性が高いです。2025年時点で186.5円という価格水準は、節目の200円超えが現実味を帯びてきていることを意味します。2026年には平均が190円後半、早ければ2027年には200円を超える可能性があります。

ただし、この動向には以下のような緩和要因もあります:

  • 業務用冷凍やきとりの品質向上によって、大量供給型での価格競争が再び活発化。

  • PB(プライベートブランド)商品の拡充による価格圧縮。

  • 部位の工夫(皮や軟骨等)によるコストコントロール

外食市場では、やきとりの付加価値を高める方向性(希少部位の活用、高級化志向)と、コンビニやスーパーの廉価モデルが併存する「2極化」がより1層顕著になっていくでしょう。


今後問われる「価格に見合う満足度」

やきとりは、「手軽な1品」であると同時に「職人の技」が込められた料理でもあります。今後、価格が200円を超えることになれば、消費者は味・大きさ・焼き加減など、価格に見合った体験価値を求めるようになります。コスト上昇が避けられない中で、「いかにして満足感を保つか」がやきとり業界の成長の鍵となるでしょう。

 

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