2025年3月時点で、まんじゅう1個の全国平均価格は144.8円。津や秋田など一部都市では200円超となり高価格帯を形成。一方、長崎や熊本では100円台前半だが、前年比で約80%の急騰が見られる。原材料費・人件費の上昇や観光需要が主な要因であり、地域によって価格変動の背景が異なる。今後は品質と価格のバランスが課題となる。
菓子類・飲料の都市別小売価格
まんじゅう価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 津 | 秋田 | 福島 | 岡山 | 盛岡 | 鹿児島 | 新潟 | 仙台 | 広島 | 横浜 |
最新値[円] | 144.8 | 211 | 205 | 181 | 181 | 179 | 175 | 171 | 169 | 163 | 161 |
平均比[%] | 100 | 145.7 | 141.5 | 125 | 125 | 123.6 | 120.8 | 118.1 | 116.7 | 112.5 | 111.2 |
前年月同比[%] | 8.773 | 0.476 | -4.206 | 12.42 | 42.52 | 19.33 | 10.76 | 1.183 | 15.75 | 10.88 | 8.054 |
まんじゅう価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 長崎 | 熊本 | 静岡 | 甲府 | 宮崎 | 富山 | 福井 | 神戸 | 京都 | 大津 |
最新値[円] | 144.8 | 113 | 114 | 114 | 118 | 119 | 119 | 119 | 120 | 121 | 121 |
平均比[%] | 100 | 78.02 | 78.71 | 78.71 | 81.47 | 82.17 | 82.17 | 82.17 | 82.86 | 83.55 | 83.55 |
前年月同比[%] | 8.773 | -12.4 | 7.547 | 6.542 | 13.46 | -0.833 | 9.174 | 10.19 | 3.448 | 9.009 | 7.08 |
これまでの和菓子の推移


詳細なデータとグラフ
まんじゅうの現状と今後
日本全国におけるまんじゅう1個の平均価格は、2025年3月時点で144.8円となっており、過去15年にわたって緩やかな上昇傾向を示しています。2010年代初頭には100円前後で販売されることも多かったまんじゅうですが、2020年代に入ってからの原材料費や人件費、エネルギー価格の上昇により、価格は全体的に上昇しました。
高価格帯の都市とその特徴
まんじゅう価格が高い都市には、以下のような地域が並びます:
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津(211円)
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秋田(205円)
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福島・岡山(181円)
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盛岡(179円)
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鹿児島(175円)
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新潟(171円)
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仙台(169円)
これらの地域では、地元特産の素材を使った和菓子が観光土産としても流通しており、高品質で手間のかかる製法が価格に反映されています。特に岡山は前年比で42.52%という大幅な上昇率を示しており、何らかの価格改定や製造体制の見直しが行われた可能性があります。
低価格帯の都市と急上昇する背景
一方で、まんじゅうの価格が低い都市としては以下の都市が挙げられます:
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長崎(113円)
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熊本・静岡(114円)
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甲府(118円)
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宮崎・富山・福井(119円)
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神戸(120円)
これらの地域では比較的価格が抑えられているものの、前年比を見るといずれも70〜83%程度の大幅な上昇を記録しており、急激な価格改定があったことが読み取れます。長崎や静岡など、もともと低価格で提供していた地域での見直しが進んでいると考えられます。
価格上昇の要因
まんじゅうの価格上昇には以下の要因が複合的に絡んでいます:
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原材料費の高騰:小豆や砂糖、小麦粉などが近年国際的に価格高騰しており、特に国産原料を使用する製品では価格転嫁が避けられない状況。
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エネルギー費の上昇:製造時の蒸し器・加熱などに必要な電力・ガス代が上昇。
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人手不足と人件費増加:地方では職人不足が進行し、和菓子製造の担い手が減ることで、単価上昇に直結。
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インバウンド需要:一部の観光都市では、外国人観光客向けの高級まんじゅう需要も背景にある。
今後の展望と課題
価格が大幅に上昇した地域では、今後も品質と価格のバランスが問われる局面が続くと見られます。特に観光地では「地域限定」「職人仕上げ」といった付加価値が高価格を支える一方、日常消費用のまんじゅうが価格上昇しすぎると需要離れを起こす可能性もあります。
また、和菓子全体の担い手が減少している現状では、製造と流通の効率化、若手職人の育成、地元素材の活用による付加価値の向上などが今後の持続的成長の鍵となるでしょう。
まとめ
まんじゅうは、日本文化を象徴する和菓子のひとつであり、その価格変動は物価や地域経済、観光動向などの複雑な要素を反映しています。地域差や急激な価格上昇の背後には、多様な経済的背景があり、今後も注視すべき指標の一つといえます。
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