2025年最新|マグロ小売価格の地域差と今後の価格動向分析

食料品

2025年5月時点のまぐろ100gの全国平均価格は462.1円。福島(838円)、熊本(699円)などが高価格帯を形成し、山形(+10.58%)など一部では前年よりも大幅な上昇が見られる。まぐろは漁獲制限や物流コスト、品質志向によって都市ごとの価格差が大きく、今後は養殖の拡大が価格安定の鍵となる。

都市別のマグロ100gの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均460.9-1.296
1福島811+5.875
2熊本701+1.89
3山形604+2.373
4佐世保587+35.88
5高松565-5.99
6日立562+9.126
7宇都宮561-4.754
8岐阜559-1.585
9静岡549-3.684
10福岡542+10.16
11盛岡531+5.567
12大分531+3.509
13伊丹529-0.564
14藤沢527
15枚方524+9.853
16富山518+23.04
17今治511+10.85
18徳島508+12.14
19東京都区部504-2.89
20松山498-11.39
21鹿児島495-3.32
22仙台490+6.061
23長崎489-11.09
24宇部489-2.976
25八戸487+10.18
26青森483+7.333
27福井483-2.028
28岡山479-5.149
29大阪479-2.84
30所沢478-2.049
31山口478+4.825
32那覇475-3.061
33福山467+1.743
34広島466+5.909
35名古屋466-1.48
36浦安465-7.921
37463-20.58
38立川462+3.356
39松阪462+16.96
40横浜453-0.658
41松江452-21.25
42浜松451+4.64
43佐賀449-22.32
44小山447+3.712
45姫路444-2.632
46京都444-1.987
47北九州438-0.68
48433-2.257
49西宮432+0.232
50長岡430-5.495
51豊橋429
52千葉428+0.706
53宮崎427+3.14
54新潟426+7.035
55大津426-8.584
56函館422+4.198
57川崎421-1.174
58金沢420-20.6
59相模原420+8.527
60さいたま417-3.917
61鳥取415-22.72
62旭川411+16.1
63高知409-17.54
64松本409+5.141
65神戸402+5.512
66甲府395+3.947
67川口395-8.14
68東大阪393-9.655
69前橋392-2.488
70和歌山387-18.35
71384
72富士384-10.9
73奈良383+1.055
74札幌380-7.99
75長野373-3.618
76熊谷364+2.247
77郡山362-18.47
78府中349-0.286
79秋田338+21.15
80八王子331-30.46
81水戸290+6.618
マグロ100g

詳細なデータとグラフ

マグロの小売価格の相場と推移

2025年5月時点のまぐろ100gの全国平均価格は462.1円です。これに対して、福島(838円)熊本(699円)、山形(648円)などが上位を占め、平均価格の約1.5〜1.8倍に達しています。中位には宇都宮(592円)、岐阜(572円)、金沢(571円)、高松・藤沢(564円)と続きます。まぐろは刺身などの生食文化が根強い地域で需要が高く、それが価格に反映されやすい傾向があります。


都市別の価格傾向と背景

福島:突出した高価格(838円)

福島は全国で最も高く、前年同月比でも+4.489%の上昇。これは地元の消費志向が生鮮魚介中心であり、まぐろへの品質志向が強いためと考えられます。流通経路の関係で高品質な冷蔵・生鮮品を確保するためのコストが上乗せされている可能性があります。

熊本・山形:価格上昇と需要の安定

熊本(+3.556%)や山形(+10.58%)は価格が高く、かつ前年よりも上昇傾向にあります。地元の消費構造において、魚介類を中心とする家庭料理文化が強く、価格よりも質が優先される市場特性が影響していると見られます。

静岡・高松:価格がやや下落傾向

静岡(543円、-3.894%)や高松(564円、-1.571%)では、まぐろの価格は高水準を保ちながらもやや下落。これは輸入品や養殖まぐろの流通が増えた結果、比較的手頃な価格で市場供給が安定しつつあることを示唆しています。


過去の推移と価格変動要因

2000年からの長期データに基づくと、まぐろの価格は2000年代から2010年代初頭までは比較的安定していましたが、2010年代後半から2020年代にかけて、以下のような要因で変動が大きくなりました。

  • 漁獲制限(国際規制):クロマグロなどの資源保護による漁獲枠の縮小

  • 為替変動:輸入まぐろの価格に大きな影響

  • エネルギー価格上昇:冷凍・輸送費の高騰

  • パンデミックの影響:外食産業向け需要の急減→回復の過程で再度高騰

2024年から2025年にかけては価格全体が-2.994%とやや下落傾向にあり、これは円高基調や輸入量の増加、消費者の節約志向の反映とも考えられます。


まぐろの生産と供給体制の特徴

まぐろの供給は大きく遠洋漁業(冷凍まぐろ)近海漁業(生まぐろ)、養殖(主に南マグロ・本マグロ)に分かれます。

  • 遠洋漁業:日本船籍による太平洋・インド洋での長期操業。コストが高く、輸送時間も長い。

  • 養殖まぐろ:近年は急成長。安定供給が可能で、価格安定の要素に。

  • 加工流通:港から各地市場・スーパーへの冷蔵・冷凍輸送において、距離や物流インフラが価格差の要因。

地域によっては、生まぐろを好む傾向が強く、これが高価格につながる都市(例:金沢、宇都宮)もあります。


今後の見通しと課題

  • 養殖まぐろの普及拡大:中価格帯商品の安定供給が期待される

  • 国際漁業ルールの強化:資源管理による供給抑制リスク

  • 円安・エネルギー価格の動向:輸入品価格の振れ幅要因

  • 地方市場の価格多様化:地元需要と観光向け需要の2極化

消費者にとっては価格の多様化が進む1方で、品質へのこだわりと価格のバランスが重要視される時代となるでしょう。

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