2025年ブリ価格動向|平均353円、地域差と価格上昇の要因分析

食料品

2025年5月のぶり100gの全国平均価格は359.7円。旭川(627円)、姫路(504円)、函館(493円)などが高値を記録。流通コストや地域ブランドの影響で都市間格差が大きい。飼料高騰やブランド化、冬季需要によって、今後も価格の上昇と地域差の拡大が予想される。

都市別のブリ100gの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均333.1+4.533
1旭川627+11.57
2函館516-9.948
3伊丹484+23.47
4京都484+32.24
5神戸476+24.93
6熊本476+20.51
7大阪475+33.05
8西宮473+23.82
9静岡471+16.3
10枚方471+38.94
11福岡466+25.27
12那覇462+17.86
13長野433+47.28
14奈良433+29.64
15盛岡430+34.38
16姫路422+11.05
17岡山421+6.313
18大津411+0.244
19広島410+4.061
20相模原409+13.61
21北九州403+3.866
22今治402+0.5
23高松397+1.535
24391+5.962
25横浜388+23.96
26東京都区部374+1.355
27浦安372+11.38
28松山368+21.85
29徳島366-2.918
30福井365+16.24
31甲府365-1.882
32佐賀363+29.64
33鹿児島362
34東大阪362-0.549
35富士358-10.28
36長崎351-5.645
37和歌山349-7.427
38福山346+31.06
39岐阜339+13
40名古屋339+5.607
41松阪334+3.727
42山形324+16.55
43宇都宮322+12.98
44川崎321-13.24
45山口313-17.2
46千葉301+1.689
47川口298+37.96
48松江297-10
49熊谷296-27.09
50295-22.77
51立川292-18.44
52佐世保290+52.63
53宇部284+7.985
54さいたま283-15.02
55274
56所沢273-11.36
57日立264+16.3
58大分264-3.65
59高知258-17.83
60金沢257-11.99
61仙台255-10.21
62小山254+44.32
63浜松253-7.326
64鳥取250-4.943
65福島249-31.78
66八王子248+25.25
67松本243-24.53
68藤沢232
69府中230+29.21
70水戸229+13.93
71富山224-2.609
72札幌218+1.869
73豊橋208
74郡山202-8.597
75前橋190-2.564
76青森185+12.12
77宮崎185-50.8
78長岡181-2.162
79新潟176+17.33
80八戸168-3.448
81秋田148-1.987
ブリ100g

詳細なデータとグラフ

ブリの小売価格の相場と推移

2025年5月時点でのぶり100gあたりの全国平均価格は359.7円。これは魚類の中でも中価格帯に位置しますが、都市別に見ると旭川(627円)を筆頭に、姫路(504円)函館(493円)、今治(490円)と、500円前後の高値をつけている地域が散見されます。これらは主に「流通コスト」「地域の需要」「仕入れの質」などが影響しています。


都市別の価格傾向とその要因

旭川(627円)

北海道内の都市で最も高い価格を記録。ぶりは本来、比較的温暖な海域で多く漁獲・養殖されるため、道内では本州からの輸送が主流。その結果、鮮度保持のための冷蔵・冷凍物流費が価格に反映されやすくなっています。

姫路(504円)、神戸(458円)、西宮(466円)

これら兵庫県の都市は、瀬戸内海産の養殖ぶりの主要消費地であり、需要が高いエリアです。特に姫路では前年比+38.08%と大幅な上昇を記録。地元スーパーなどで高品質なブランドぶりを扱っている影響と、季節需要の高まりが背景とみられます。

今治(490円)、岡山(468円)、徳島(455円)

4国・中国地方に位置するこれらの都市は、養殖ぶりの生産地にも近く、地元流通が中心。しかしブランド化されたぶり(例:宇和島産など)を扱うケースも多く、品質志向の消費者による価格上昇圧力が見られます。

函館(493円)

興味深いのは、前年同月比で-19.44%という価格下落を示した点。これは1時的に安価なぶりが大量に流通したか、鮮魚コーナーでの特売や仕入れルートの変更など、商業的な要因があった可能性があります。


価格推移と最近の高騰要因

ぶり価格は例年、冬季に高騰する傾向があり、これは寒ぶり(脂ののった冬のぶり)の需要増加に起因します。また、2024年以降の価格高騰は次の要因が影響しています。

  • 飼料コストの高騰:特に養殖ぶりは配合飼料に大きく依存しており、国際的な穀物価格の高止まりが響いています。

  • 円安と輸入コスト上昇:海外からの冷凍ぶり輸入もあるが、為替の影響で価格上昇。

  • 輸送費の上昇:特に北海道や4国への鮮魚流通において、コールドチェーン維持費用が高くついています。

  • ブランド魚の需要増:近年、スーパーや百貨店で「ブランドぶり」の取り扱いが増え、価格を押し上げています。


ぶりの生産の特徴と流通

ぶりは日本における重要な水産品目であり、天然漁獲養殖の両方で供給されています。

  • 天然ぶりは北陸地方(富山湾など)や9州北部、日本海側での漁獲が多く、季節変動があります。

  • 養殖ぶりは主に愛媛・鹿児島・長崎など温暖な沿岸地域で盛ん。近年は「みかんぶり」「寒ぶり」「うずしおぶり」など、餌に特色を持たせたブランド化も進んでいます。

  • 流通においては、都市圏では高品質志向が強まりつつあり、冷凍輸入よりも生鮮品が好まれる傾向が価格に反映されています。


今後の価格動向と地域格差

今後もぶりの価格は冬季に上昇しやすく、夏場にやや落ち着くという季節変動は継続すると見られます。ただし、以下のような要因で都市間格差が拡大する可能性があります。

  • 物流コストの地域差:とくに内陸や北海道では高価格帯を維持。

  • 消費文化とブランド志向:西日本ではブランドぶりの浸透により、1定の価格水準が維持される。

  • 養殖環境の気候変動リスク:水温上昇や台風被害などが安定供給に影響し得る。

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