【2025年最新】なすの市場価格動向:地域別の価格差と今後の予測

なす

2025年6月、全国のなす価格は平均393円/kgと上昇傾向。札幌市や東京都など都市部で高値を記録。一方で出荷量は全体的に減少し、特に東京都は18%以上の大幅減。天候不順や人手不足、生産コスト上昇が価格上昇を招いている。

なすの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]主要比前年同月比[%]
主要市場393100+6.122
1札幌市431109.7+16.59
2金沢市427108.7-2.064
3東京都420.7107+10.03
4横浜市417.3106.2+4.072
5北九州市391.399.58+10.23
6名古屋市37795.93+4.239
7広島市37394.91-0.885
8大阪市371.394.49+0.995
9神戸市37194.4+7.018
10高松市364.792.79+9.075
11京都市357.791.01+0.0952
12仙台市348.788.72+12.72
13福岡市338.386.09+0.195
14沖縄県30878.37+7.067

市場価格の推移

なすの市場価格

全国の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]主要比前年同月比[%]
主要市場8.53100-12.89
1東京都3.19337.43-18.04
2大阪市1.12713.21-3.922
3名古屋市0.88110.33-8.325
4横浜市0.7158.382-9.494
5京都市0.6337.421-12.81
6福岡市0.5866.87-14.08
7仙台市0.2593.036-21.04
8北九州市0.252.931-13.49
9札幌市0.2422.837-4.348
10広島市0.1732.028-6.486
11神戸市0.1451.7-13.17
12高松市0.1411.653-1.399
13金沢市0.1411.653-6
14沖縄県0.0450.528-2.174

卸売数量の推移

なすの卸売数量

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

なすの卸売り市場の現状と今後

2025年6月時点で、全国主要市場におけるなすの平均価格は393円/kgとなっており、前年同月比で+6.122%の上昇を記録しています。都市別で価格の高い順は以下の通りです:

  • 札幌市:431円/kg(+16.59%)

  • 金沢市:427円/kg(-2.064%)

  • 東京都:420.7円/kg(+10.03%)

  • 横浜市:417.3円/kg(+4.072%)

  • 北9州市:391.3円/kg(+10.23%)

数量は以下の通りです:

  • 主要市場合計:8.53kt(-12.89%)

  • 東京都:3.193kt(-18.04%)

  • 大阪市:1.127kt(-3.922%)

  • 名古屋市:0.881kt(-8.325%)

このように、価格は上昇傾向である1方、数量は減少傾向を示しています。


価格・数量の推移と近年の傾向

近年のなす市場では、以下のようなトレンドが顕著です:

  • 価格面:2020年代以降、資材価格の上昇と気候変動の影響で平均価格が上昇傾向。

  • 数量面:長期的に見て出荷量は減少傾向。2025年6月時点で主要都市ほぼすべてが前年を下回っています。

とくに東京都では価格が10%以上上昇しながら、数量は約18%の大幅減少。これは需要があるにもかかわらず供給が追いつかない構造を表しています。


都市別の特徴と需給動向

札幌市

  • 価格が最も高く(431円/kg)、数量は0.242ktと小規模。

  • 北海道の地理的要因により輸送コストがかさみ、価格に反映されやすい。

東京都

  • 国内最大の消費地。数量も3.193ktと最多。

  • 市場価格は420.7円/kgと高水準で、需要集中が背景にある。

大阪市

  • 西日本の消費拠点。価格は371.3円/kgと全国平均を下回るが、数量は比較的多い。

名古屋市・金沢市

  • 地域需要に応じた供給が行われているが、近年は生産基盤の縮小が影響し、出荷量が減少。


価格高騰の要因分析

  1. 天候の影響:2025年前半は日照不足と低温により、なすの生育が鈍化。

  2. 資材価格の高騰:ビニールハウス燃料、肥料、労働コストなどが上昇。

  3. 労働力不足:農業従事者の高齢化と後継者難により、作付け面積が縮小。

  4. 流通コストの上昇:燃料費・輸送費の高止まりも市場価格を押し上げる要因。

とくに生産者の減少と気候リスクが供給減を招き、それが価格を押し上げています。


なす生産の動向と今後の課題

なすは夏野菜の代表格で、主に関東(群馬・栃木)、9州(熊本・鹿児島)などで栽培されていますが、

  • ハウス栽培と露地栽培の両方が行われており、生産の平準化が難しい。

  • 省力化・機械化の遅れが生産性向上の足かせに。

  • 異常気象対策としての遮光ネットや自動潅水システムの導入が1部で進行中。

今後の課題として、労働力の確保、ICT導入、輸送ロス削減が挙げられます。

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