なすの小売価格はなぜ地域差が大きい?2025年の動向と今後の展望

果菜・葉物

2025年5月のなす1kgの全国平均は657.3円で、前年比約8.6%の下落。新潟や静岡など一部地域で価格上昇が見られる一方、全国的には気候安定による豊作で価格が低下傾向に。なすは全国で広く栽培され、特に施設栽培が進む中部地方では価格が安定しやすい。

都市別のなす1kgの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均660.6-6.019
1岐阜793+8.779
2八王子785-5.649
3静岡779+3.867
4松阪775+0.649
5福島768-5.302
6藤沢764
7福井758+0.932
8富山745+0.676
9甲府740-2.632
10札幌740-9.866
11旭川736+3.516
12新潟727-5.829
13相模原724-3.595
14川崎722-11.41
15盛岡712+4.246
16東京都区部712-7.05
17千葉712-5.695
18前橋710-0.141
19金沢708+1.143
20長岡703-13.64
21さいたま701-9.197
22日立699-3.453
23川口697-6.943
24那覇696+6.422
25名古屋696-1.834
26立川693+2.667
27仙台693-1
28山形689-11.21
29鹿児島688-13.68
30豊橋684
31大阪681-11.44
32小山680-11.23
33郡山679-21.41
34長崎678-8.254
35岡山676-12.09
36大津676+2.115
37広島673+2.435
38横浜663-5.957
39枚方662-10.9
40府中662-3.216
41松山660-5.849
42宮崎659-6.525
43熊谷658-23.84
44松本657+5.627
45浦安656-7.082
46奈良652-8.427
47鳥取648+0.465
48648+4.013
49宇部645-1.225
50640-4.903
51所沢640-10.74
52宇都宮638-10.77
53富士637-7.547
54今治637-19.67
55東大阪636-6.608
56山口635-3.788
57高知633+6.03
58和歌山626+3.814
59福岡625-7.953
60伊丹625-19.15
61浜松624-8.1
62徳島622-2.047
63秋田621-8
64八戸618-4.482
65神戸615-4.946
66姫路614-8.767
67水戸612-0.971
68京都611-7.143
69函館608+0.997
70西宮603-9.05
71大分595-9.16
72高松586-12.67
73熊本582+3.929
74松江577-8.413
75北九州571-21.02
76長野565+7.211
77青森537-17.89
78佐賀530+3.314
79521
80福山504-0.198
81佐世保457-31.28
なす1kg

詳細なデータとグラフ

なすの小売価格の相場と推移

2025年5月時点でのなす1kgの全国平均価格は657.3円となっており、前年同月比では-8.629%の下落を示しました。この下落は、1部地域での供給増や気候の安定による生育順調が主な要因と見られます。なすは露地栽培・施設栽培の両方が可能であるため、気象の影響を受けやすい1方、生産者の調整が比較的効きやすい野菜でもあります。


高価格帯の都市とその特徴

以下は1kgあたり価格の高い上位10都市です:

順位 都市名 価格(円/kg) 前年同月比
1 新潟  790円    +23.82%
2 静岡  788円    +5.348%
3 甲府  786円    -15.12%
4 岐阜  782円    -2.615%
5 札幌  770円    -8.66%
6 福井  754円    +0.937%
7 8王子  745円    -12.87%
8 さいたま 735円    -2.39%
9 熊谷  733円    -10.5%
10 鹿児島  731円    -12.98%

最も高値となった新潟(790円)は、前年比でも+23.82%と大幅な上昇が見られ、他の地域とは対照的な動きです。これは、地場生産の減少や品質重視の高単価品のシフトが背景にあると考えられます。

静岡・岐阜・甲府など中部地方では価格水準が高く安定しており、施設栽培による周年出荷や都市近郊での需要対応が影響している可能性があります。


価格下落が顕著な地域とその背景

平均価格は前年よりも下がっており、とくに8王子(-12.87%)や鹿児島(-12.98%)などで下落幅が大きくなっています。

これらの都市では、比較的温暖な気候を生かした露地栽培が主流であり、2025年春は天候に恵まれたことで供給が増えたことが影響しています。また、収穫の集中や、販路での競争激化も価格を下押ししたと考えられます。


なすの生産の特徴と流通構造

なすは日本全国で広く栽培されており、特に高温多湿を好む特性から、関東から西日本の平野部での生産が盛んです。また、近年ではハウス栽培や加温施設の普及により、通年出荷が可能となっており、需要の安定化に寄与しています。

なすは柔らかく傷みやすい野菜のため、輸送コストやロス率が価格に直結しやすい品目です。そのため、遠隔地ではやや高値になる傾向が見られますが、2025年においては輸送効率の改善もあり、価格は1部で安定しています。


価格高騰と下落の要因

価格高騰の要因:

  • 地域による収量減(新潟など)

  • 高付加価値品種(紫なす、水なすなど)の需要増

  • ブランド化による価格押し上げ

価格下落の要因:

  • 気候安定による出荷増

  • 輸入なす(東南アジア産など)との競合

  • 販促目的の特売

特に2025年の春においては、生育に適した気象条件により全国的になすの豊作傾向が強く、全体としては価格下落圧力が強まりました。


今後の展望

今後の価格動向は以下の点に左右されます:

  • 気候変動による生産リスク(夏季の猛暑・大雨)

  • 燃料・資材価格の動向(栽培・輸送コストの上昇)

  • 流通の効率化とロス削減

  • 国内消費の堅調さと品種の差別化

総じて、なすは日常的な消費野菜として安定した需要を持っており、今後も価格の中長期的安定が見込まれます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました