2025年5月時点で、なすの卸売価格は室蘭市が630円/kgと最高値を示し、地域差が大きいのが特徴です。北海道・東北は寒冷地の影響で高価格傾向、関東圏は中高価格、九州・沖縄は低価格帯が続きます。気候変動や流通課題が価格変動の主因で、スマート農業や地産地消の推進により安定化が期待されますが、短期的には依然変動リスクが高い状況です。
なすの卸売り市場価格
なすの高い順
室蘭市 | 沼津市 | 函館市 | 柏市 | 藤沢市 | 大津市 | 船橋市 | 鳥取市 | 青森市 | 上尾市 | |
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最新 | 2011年12月 | 2016年12月 | 2016年12月 | 2011年12月 | 2011年12月 | 2021年12月 | 2016年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2016年12月 |
最大期 | 2011年12月 | 2016年1月 | 2016年1月 | 2011年12月 | 2010年4月 | 2017年12月 | 2016年1月 | 2017年12月 | 2017年12月 | 2016年1月 |
最新値[円/kg] | 630 | 579 | 579 | 569 | 539 | 529 | 521 | 504 | 494 | 492 |
最大値[円/kg] | 630 | 683 | 626 | 569 | 553 | 881 | 586 | 689 | 760 | 552 |
前月比[%] | +36.96 | +18.65 | +2.116 | +47.03 | +34.75 | +25.36 | +38.56 | +2.231 | -1.594 | +21.18 |
前年同月比[%] | +13.72 | +3.763 | +5.082 | +19.29 | +6.944 | -8.319 | +11.32 | +12 | +5.782 | +14.95 |
なすの安い順
沼津市 | 八戸市 | 長崎市 | 久留米市 | 沖縄県 | 下関市 | 松山市 | 佐世保市 | 盛岡市 | 青森市 | |
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最新 | 2016年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2025年5月 | 2011年12月 | 2023年12月 | 2016年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2016年1月 | 2017年12月 | 2016年1月 | 2023年1月 | 2018年10月 | 2010年4月 | 2017年12月 | 2016年1月 | 2017年12月 | 2017年12月 |
最新値[円/kg] | 579 | 453 | 346 | 259 | 202.7 | 376 | 348 | 466 | 463 | 494 |
最大値[円/kg] | 683 | 646 | 710 | 519 | 611 | 387 | 637 | 556 | 720 | 760 |
前月比[%] | +18.65 | -4.43 | +18.49 | +6.148 | -15.67 | +49.21 | +4.192 | -1.062 | +59.66 | -1.594 |
前年同月比[%] | +3.763 | +8.373 | -3.081 | +6.148 | -26.21 | +10.26 | +11.18 | +6.636 | +6.193 | +5.782 |
なすの推移


その他のデータとグラフ
なすの価格についての推移と展望
2008年以降、なすの市場価格は地域や季節によって大きく変動してきました。2025年5月の最新データでは、室蘭市が630円/kgで最高値を記録し、沼津市・函館市が579円/kgで続いています。全体として、都市ごとの価格差は大きく、気候条件、生産量、流通効率などが影響しています。前年同月比では多くの都市でプラス成長を示す1方、沖縄県など1部地域では大幅な価格下落がみられ、需給バランスの地域差が顕著です。
地域別ランキングの特色
2-1 北海道・東北地方
室蘭市(630円/kg)や函館市(579円/kg)、盛岡市(463円/kg)、青森市(494円/kg)など北日本の都市は比較的高値が続いています。寒冷地特有の栽培制限や流通コスト増加が価格高騰の要因です。盛岡市は前月比59.66%増と急激な価格上昇も観測され、需給調整の難しさを反映しています。
2-2 関東・中部地方
沼津市(579円/kg)、柏市(569円/kg)、船橋市(521円/kg)、上尾市(492円/kg)などは中程度から高めの価格帯に位置しています。都市近郊市場の利便性と需要の高さにより価格は安定傾向ですが、1部で前月比30%以上の大幅上昇もあり、需給の変動を示しています。
2-3 9州・沖縄地方
久留米市(259円/kg)、長崎市(346円/kg)、佐世保市(466円/kg)、沖縄県(202.7円/kg)は全国で低価格帯に属します。沖縄は周年生産が可能な反面、供給過剰となり価格が低迷しがちです。長崎市や久留米市も比較的低価格ですが、価格変動は穏やかで需給は概ね安定しています。
最近の問題点と価格変動の背景
なす価格の地域差は流通コストや生産環境の違いによるものが大きいですが、近年は以下の問題が顕著です。
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気候変動による生産リスク増加異常気象や気温変動が収穫量に影響し、価格の急騰や暴落を招いています。
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流通インフラの地域格差離島や寒冷地では輸送費が高く、消費地との価格差が拡大しています。
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消費者嗜好の多様化と需要変動消費者の健康志向や代替野菜の台頭が需要に影響し、価格変動要因となっています。
今後の価格推移の期待と予想
今後は、
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スマート農業の普及により生産効率の向上が期待され、安定供給につながる可能性が高いです。
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地産地消の促進により地域内での需給バランスが改善し、流通コスト削減が見込まれます。
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気候変動対応の栽培技術開発が価格の安定に寄与する見込みです。
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1方で、労働力不足や国際情勢の影響で、短期的には価格の変動幅は依然として大きいことが予想されます。
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