ちくわの価格が全国で急上昇 都市別価格と要因を詳解

加工食品



2025年3月時点で、ちくわ100gの全国平均価格は117.6円。松阪や浦安など都市部では価格が高く、長岡や姫路などでは安価だが急激な値上がりが見られる。近年の価格上昇の背景には、魚肉原料の高騰、エネルギー費や物流費の上昇、円安による副資材価格の上昇などがある。特に地方都市では、従来の安価な価格帯から大幅な調整が行われたことが要因と考えられる。今後も緩やかな上昇傾向が続く見込み。

加工食品の都市別小売価格

ちくわの高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 松阪 浦安 所沢 前橋 相模原 佐世保 高知 藤沢 水戸 松江
最新値[円] 117.6 173 166 161 154 151 151 150 145 143 141
平均比[%] 100 147.2 141.2 137 131 128.4 128.4 127.6 123.3 121.6 119.9
前年月同比[%] -1.693 0.581 2.469 -1.829 -5.521 4.138 -2.581 -7.407 0 8.333 5.224

ちくわの低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 長岡 姫路 新潟 宮崎 奈良 札幌 和歌山 大津 八戸 東大阪
最新値[円] 117.6 88 89 92 93 94 97 99 99 100 101
平均比[%] 100 74.86 75.71 78.26 79.11 79.96 82.51 84.22 84.22 85.07 85.92
前年月同比[%] -1.693 -2.222 -3.261 -5.155 1.087 -3.093 -7.619 6.452 0 6.383 2.02

 

これまでの魚加工品の推移

ちくわの小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

ちくわの現状と今後

2025年3月時点で、ちくわ100gあたりの全国平均小売価格は117.6円となっています。データの初期である2010年から比較すると、ちくわは比較的価格の安定した食品でありながら、近年は徐々に値上がり傾向を見せています。2020年代に入ってからは、原材料価格の上昇やエネルギー・物流費の増加が影響し、安価な加工食品であるちくわも例外ではなく価格が上昇しています。

高価格地域の特徴と背景

ちくわの小売価格が高い上位10都市は以下のとおりです:

  • 松阪:173円(前年比+0.58%)

  • 浦安:166円(+2.47%)

  • 所沢:161円(-1.83%)

  • 前橋:154円(-5.52%)

  • 相模原:151円(+4.14%)

  • 佐世保:151円(-2.58%)

  • 高知:150円(-7.41%)

  • 藤沢:145円

  • 水戸:143円(+8.33%)

  • 松江:141円(+5.22%)

これらの都市は都市部もしくは観光地、または地方都市でも購買力のある層が存在するエリアで、付加価値型の商品やブランド製品が多く流通している可能性があります。特に松阪などは地域ブランドの存在も関係していると考えられます。

低価格地域の特徴とその増加率の急騰

ちくわの小売価格が安い都市と前年比の増加率は以下のとおりです:

  • 長岡:88円(+74.86%)

  • 姫路:89円(+75.71%)

  • 新潟:92円(+78.26%)

  • 宮崎:93円(+79.11%)

  • 奈良:94円(+79.96%)

  • 札幌:97円(+82.51%)

  • 和歌山:99円(+84.22%)

  • 大津:99円(+84.22%)

  • 八戸:100円(+85.07%)

  • 東大阪:101円(+85.92%)

注目すべきは、価格は全国平均よりかなり低いものの、前年同期比で70~85%もの急激な値上がりを記録している点です。これらの地域では元々安価なローカル製品が多く、価格調整の余地が少なかったことから、原材料費や物流費の上昇が一気に価格に反映されたと考えられます。

価格高騰の要因分析

ちくわの価格上昇の背景には以下の要因が複合的に関係しています:

  • 原材料(スケトウダラなど魚肉)の価格高騰:世界的な水産資源の減少や乱獲によって、ちくわの主原料となる魚肉の価格が上昇しています。

  • エネルギー・物流費の上昇:電気代、燃料費、人件費の上昇が加工・配送コストに直結しています。

  • パッケージや保存料など副資材の価格上昇:円安や原油価格の上昇により、包装資材などのコストも増加しています。

  • 小売店の販売戦略の変化:低価格競争が緩和されたことにより、価格転嫁が行われやすくなっているという流通側の事情もあります。

今後の見通しと懸念

2025年以降も、価格の緩やかな上昇傾向は続くと見込まれます。原材料の安定確保や、効率的な流通体制の構築が鍵となる一方、消費者の節約志向も強まっており、価格と品質のバランスが重要です。また、代替食材の利用やプラントベース食品の普及も価格動向に影響を与える可能性があります。

 

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