ちくわ100gの価格は118.7円、地域差と今後の動向を詳しく解説

加工食品



2025年4月のちくわ100g平均価格は118.7円で前年比-0.363%。高価格地域では160円超、低価格地域では90円前後と地域差が顕著。原料の魚肉価格や燃料費は上昇傾向にあるが、大量生産とPB商品により価格は安定傾向。今後も小幅な値上がりの可能性はあるが、急騰リスクは低く、引き続き「家計にやさしい食品」として期待される。

小売物価統計

ちくわ小売りの高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 浦安 松阪 函館 佐世保 所沢 高知 前橋 立川 相模原 水戸
最新値[円] 118.7 162 159 156 156 153 152 151 147 145 143
前年同月比[%] -0.363 +1.887 -1.242 +13.87 +0.645 -4.969 -3.185 -5.031 +6.522 -13.69

ちくわ小売りの安い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 長岡 姫路 新潟 奈良 宮崎 札幌 大津 東大阪 浜松 郡山
最新値[円] 118.7 87 88 91 92 94 96 99 100 100 101
前年同月比[%] -0.363 -2.247 -7.368 -4.211 -5.155 +2.174 -6.796 +1.01 -2.913 -0.98

 

ちくわの推移

ちくわ小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

ちくわの現状と今後

2025年4月時点での全国平均は118.7円/100g。価格はこの10年間で大きく上昇も下降もしておらず、安定した範囲(110〜125円)で推移してきました。2020年頃に原材料価格の上昇や物流費高騰が影響し1時的に上振れしましたが、その後は横ばい状態が続いています。

今回の前年比増減率は-0.363%と、わずかに下落しています。これは水産加工食品の中でもちくわが比較的安定した供給構造にあることを示しています。


地域別価格と文化的背景

ちくわの価格には、地域ごとに最大で75円の差が見られます。これは製造コストだけでなく、流通形態、消費量、地元業者の存在が密接に関係しています。

高価格地域(上位10)

  • 浦安:162円(+1.89%)

  • 松阪:159円(-1.24%)

  • 函館:156円(+13.87%)

  • 佐世保:156円(+0.65%)

  • 所沢:153円(-4.97%)

これらの地域は、都市部・観光地に近く、高付加価値なちくわ(弁当用・贈答用)が出回る傾向にあります。特に函館や佐世保などは、地場の練り物文化が濃く、品質や素材重視のちくわが多いのが特徴です。

低価格地域(下位10)

  • 長岡:87円(-2.25%)

  • 姫路:88円(-7.37%)

  • 新潟:91円(-4.21%)

  • 奈良:92円(-5.16%)

  • 宮崎:94円(+2.17%)

これらの地域では、量販店や地元スーパーでの低価格競争が激しい上に、冷蔵・冷凍保存での大量流通ちくわが中心であるため、単価が抑えられています。


ちくわの価格形成要因と変化

ちくわの価格は、以下のようなコスト・構造要因に影響されています。

主原料である魚肉すり身(スケソウダラ等)の価格変動

近年、アラスカやロシア近海の漁業制限国際的な輸入規制が影響し、原料価格は不安定。ただし、メーカー側の代替原料導入(イワシ、アジ等)で対応しており、価格転嫁は最小限に抑えられています。

燃料費・包装資材費の高騰

エネルギーコストの上昇は、加熱・蒸し工程の多いちくわ製造に直撃。ただし、工場の効率化と大量生産体制により、ここも抑制されています。

大手メーカーによる寡占とPB(プライベートブランド)商品の台頭

ちくわ市場は大手(紀文、スギヨなど)のシェアが高く、価格安定の力学が働きやすい。また、スーパーやコンビニのPB商品が市場に大量に出回ることで、1定の価格帯(100〜130円)に収斂する傾向があります。


消費構造と購買行動の変化

かつては家庭の定番おかずだったちくわも、共働き世帯の増加により、簡便さ・応用力が評価されて再び需要が強まる兆しがあります。

  • 冷凍野菜と1緒に炒める

  • 弁当の副菜

  • ちくわパンやおでん用としての汎用性

特に、価格が安定している点が消費者に支持され、物価高の中でも「コスパがいい食品」として再注目されつつあります。


今後の価格推移と課題

今後のちくわ価格は、緩やかな上昇圧力があるものの、急騰は起きにくいと考えられます。

上昇要因

  • 魚肉すり身の調達難(海外依存の高まり)

  • エネルギー・包装資材費の高止まり

  • 国内工場の人手不足と物流費の上昇

安定化・下落要因

  • 生産の自動化・効率化(ロボット成型・連続蒸気ライン)

  • 冷凍原料の活用と多国籍調達

  • 小売業界の価格圧力とPB商品の強化

ちくわは、「庶民派食品の象徴」としてその価格が常に注目される商品です。今後も、物価全体が上がる中で「100円前後のちくわ」が維持されるかどうかは、加工食品全体の動向を測るバロメーターともいえるでしょう。

 

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