だいこん価格が上昇中?地域差と高騰の要因を徹底解説

野菜土物類



日本のだいこん価格は近年上昇傾向にあり、2025年3月の平均価格は274.2円。特に東大阪や宮崎など都市部では流通コストや生産地からの距離が影響し高値。一方、長野や盛岡など生産地に近い地方では比較的安価に推移。価格高騰の背景には異常気象、資材費・燃料費の上昇、物流の停滞などがある。今後の安定供給には、生産地の分散、物流改革、消費者理解の促進が必要である。

食料品の都市別小売価格

だいこんの高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 東大阪 宮崎 奈良 和歌山 立川 長崎 枚方 新潟 相模原 佐世保
最新値[円] 274.2 373 334 331 327 326 325 325 323 322 321
平均比[%] 100 136 121.8 120.7 119.3 118.9 118.5 118.5 117.8 117.4 117.1
前年月同比[%] 56.85 66.52 83.52 59.13 73.02 30.92 76.63 38.89 56.8 70.37 104.5

だいこんの低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 熊谷 所沢 盛岡 長野 静岡 佐賀 豊橋 川口 札幌 八王子
最新値[円] 274.2 197 198 200 210 217 224 226 229 235 236
平均比[%] 100 71.85 72.21 72.94 76.59 79.14 81.7 82.43 83.52 85.71 86.07
前年月同比[%] 56.85 19.39 15.12 29.03 42.86 61.94 89.83 0 56.85 33.52 39.64

 

これまでの野菜土物類の推移

だいこんの小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

だいこんの現状と今後

日本のだいこん価格は、季節や天候、生産地の収穫状況、物流コストの影響を強く受ける代表的な野菜のひとつです。2010年から2025年にかけてのデータを見ると、年間を通じた価格の変動はあるものの、近年は安定価格を維持しにくくなっており、2025年3月の平均価格は274.2円と、過去と比較しても上昇傾向が顕著です。

特に2024年から2025年にかけては、燃料費や肥料価格の高騰、異常気象による収穫量の変化が価格に大きく影響しており、需給バランスが崩れることで急激な価格変動が起こりやすくなっています。


価格が高い都市の特徴

2025年3月時点での価格が高い都市には、東大阪(373円)、宮崎(334円)、奈良(331円)、和歌山(327円)などが挙げられます。

これらの地域には以下のような共通点が見られます:

  • 都市化と地価上昇:東大阪などの都市部では、農地の確保が難しく、流通経路も複雑化しており、流通コストが価格に転嫁されやすい。

  • 地元生産の乏しさ:都市部ではだいこんの地産地消が難しく、遠方からの調達に依存しており、輸送費が価格に上乗せされる。

  • 観光・外食需要の集中:宮崎など観光地では、業務用需要の影響も受けやすく、供給不足になると価格が上昇しやすい。


価格が低い都市の特徴

一方で、価格が比較的安価な地域には、熊谷(197円)、所沢(198円)、盛岡(200円)、長野(210円)などがあり、以下の要因が考えられます:

  • 地元での安定供給:長野などは根菜類の一大生産地であり、安定した供給と地元消費によりコストを抑えられている。

  • 流通の単純さ:産地と消費地が近いため、輸送コストが抑えられている。

  • 市場競争:地場の小売店同士の価格競争により、価格が低く抑えられる傾向。


最近の価格高騰の主な要因

2024年から2025年にかけてのだいこん価格高騰には、以下のような要因が複合的に関与しています。

  1. 異常気象と自然災害:長雨や干ばつ、台風による影響で収穫量が減少し、価格に直結。

  2. 資材・燃料費の高騰:肥料や農薬、トラクターなどの維持費、燃料の値上がりが生産コストを押し上げた。

  3. 物流の停滞:トラック運転手の人手不足や、輸送距離の長期化が流通に影響し、コストが上乗せ。

  4. 円安の影響:海外からの資材調達コストが上昇し、全体的な物価に波及。

  5. 家庭内需要の変化:自炊ブームや健康志向の高まりで、だいこんの需要が増加傾向にあり、需要と供給のバランスが崩れやすい。


今後の見通しと対策の必要性

だいこんは、日本の食卓に欠かせない基本野菜のひとつですが、安定供給のためには、以下のような対策が求められます:

  • 地域分散型の生産強化:特定の地域への依存を避け、全国的に安定供給できる体制の構築。

  • 物流の効率化:AIやITを活用した物流の最適化、共同配送などによるコスト削減。

  • 消費者への情報提供:価格高騰の背景や代替食材の活用など、食育的な啓発も重要。


まとめ

だいこんの価格は、都市と地方で大きく異なり、また近年は気候変動やコスト高によって価格の上昇傾向が顕著です。都市部では輸送・流通の負担が重く、地方では産地の強みが生かされるなど、地域による格差も浮き彫りになっています。今後の安定供給と価格抑制には、農業政策と物流改革、そして消費者側の理解が不可欠といえるでしょう。

 

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