日本のたらこ100gの小売り価格は、長期間にわたって上昇しており、2025年3月時点で平均505.1円に達しています。特に高価格な地域では、長岡、岡山、松山などがあり、低価格地域では八戸や盛岡が急激な価格上昇を見せています。この価格高騰の要因として、漁獲量の減少、気候変動、物流費用の増加が挙げられます。供給不安定も価格の変動を引き起こしています。
食料品の都市別小売価格
たらこの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 長岡 | 岡山 | 松山 | 豊橋 | 西宮 | 高知 | 宇部 | 福山 | 松本 | 広島 |
最新値[円] | 505.1 | 643 | 607 | 582 | 579 | 579 | 572 | 566 | 563 | 563 | 563 |
平均比[%] | 100 | 127.3 | 120.2 | 115.2 | 114.6 | 114.6 | 113.2 | 112.1 | 111.5 | 111.5 | 111.5 |
前年月同比[%] | -2.07 | 3.21 | 4.475 | -3.642 | 0 | -7.508 | -2.555 | 6.792 | -0.88 | 14.66 | -4.089 |
たらこの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 八戸 | 盛岡 | 柏 | 日立 | 姫路 | 松江 | 堺 | 金沢 | 仙台 | 鳥取 |
最新値[円] | 505.1 | 322 | 403 | 406 | 420 | 429 | 440 | 441 | 450 | 451 | 452 |
平均比[%] | 100 | 63.75 | 79.78 | 80.38 | 83.15 | 84.93 | 87.11 | 87.31 | 89.09 | 89.29 | 89.49 |
前年月同比[%] | -2.07 | -16.8 | 0 | 0 | -8.096 | 0 | 5.769 | -5.769 | -5.462 | -2.592 | -9.237 |
これまでの魚類他の推移


詳細なデータとグラフ
たらこの現状と今後
近年、たらこ(明太子)の100g当たりの価格は大きな変動を見せています。2025年3月時点で、たらこの平均価格は505.1円に達し、これは過去のデータと比較して高水準です。本記事では、日本国内におけるたらこの価格動向、都市別の特徴、そして最近の価格高騰の背景を解説します。
価格動向の変遷たらこの価格は、2010年1月から2025年3月の間で徐々に上昇してきました。特に2020年代に入り、価格が急上昇している傾向が見られます。たらこの高価格地域としては、長岡、岡山、松山、豊橋、西宮などがあり、これらの地域では価格が高い傾向にあります。逆に、八戸、盛岡、柏、日立など、比較的低価格な地域も存在しています。
都市別の価格差と増加率
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高価格地域: 長岡が最も高い価格を記録しており、643円となっています。岡山や松山、西宮も高めの価格帯に位置していますが、これらの都市は比較的安定しています。ただし、一部の都市(松山、西宮など)は前年同期と比べて価格が減少していることがあり、この点では需要や供給状況に影響を受けていることがうかがえます。
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低価格地域: 八戸は322円と最も安く、盛岡や柏も比較的低価格ですが、これらの地域では前年同期比で価格上昇率が非常に高いことが特徴です。八戸や盛岡は価格が63.75%、79.78%と急激に上昇しており、これは供給不足や需要増によるものと考えられます。
価格高騰の要因たらこの価格上昇の要因として、以下の点が挙げられます。
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漁獲量の減少: たらこを作るための主な原料であるタラの漁獲量が減少しており、その影響が価格に反映されています。漁獲量が安定しないと供給不足が起こり、価格が上昇します。
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気候変動の影響: 気候変動による海水温の上昇や漁場の変動も、タラの漁獲に影響を与えており、これが価格に直接的な影響を及ぼしています。
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物流コストの増加: 全国的に物流費用が上昇しており、特に冷蔵・冷凍品の輸送に関してはコストが高くなる傾向にあります。この物流費の増加がたらこの価格に上乗せされることとなります。
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輸入依存度の高さ: 日本国内のたらこ生産量が十分でないため、輸入に頼っている部分が多いです。為替の変動や輸入先国での生産状況などが影響し、価格が不安定になることもあります。
都市別の特徴と供給状況都市ごとの価格差は、地元での供給状況や消費者の需要に影響されます。高価格地域では、地元の消費者がより高い価格で購入する傾向があり、安定した供給が行われている場合が多いです。逆に低価格地域では、価格が低い一方で、供給が不安定なことが価格急上昇の一因となっていることが見受けられます。
特に、八戸や盛岡、柏などの地域では価格上昇率が急激であり、供給の不安定性が影響していると考えられます。また、都市間の物流コストが影響し、都市ごとの価格差がさらに広がることが予測されます。
今後の展望たらこの価格は、今後も安定する可能性は低いと予測されます。漁獲量の回復や安定した供給が求められる中で、消費者は高価格を支払う余裕がない場合、他の代替品を選択する可能性もあります。また、気候変動の影響が今後さらに深刻化すると、価格高騰が続く恐れもあるため、業界全体での対応が求められるでしょう。
結論日本のたらこ100gの小売り価格は、過去数年で顕著な上昇を見せています。特に低価格地域での急激な価格上昇が目立ち、今後も供給問題や物流コストの影響を受ける可能性が高いです。消費者にとっては、たらこの価格動向を注視し、価格高騰の影響を最小限に抑えるための対策が重要です。
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