【2025年最新】じゃがいも価格の推移と地域差|高騰の原因とは?

じゃがいも

2025年6月時点の全国のじゃがいも価格は156円/kgで前年比大幅下落。一方で主要都市での卸売数量は軒並み増加し、供給過多が顕著に。特に北海道産の豊作が影響。今後は価格平準化、加工・輸出需要の強化が市場安定の鍵となる。

じゃがいもの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]主要比前年同月比[%]
主要市場156100-46.58
1北九州市187.7120.3-40.42
2沖縄県178.3114.3-54.2
3広島市175112.2-47.71
4名古屋市171.7110-44.8
5金沢市167107.1-52.56
6東京都159.7102.4-49.1
7横浜市158.7101.7-46.21
8京都市157100.6-44.26
9仙台市154.398.93-43.26
10神戸市149.795.94-50.98
11福岡市149.395.72-48.63
12札幌市149.395.72-3.453
13高松市14693.59-44.34
14大阪市13586.54-53.13

市場価格の推移

じゃがいもの市場価格

全国の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]主要比前年同月比[%]
主要市場17.02100+22.63
1東京都5.89434.62+26.45
2大阪市2.51614.78+21.43
3名古屋市2.08712.26+30.93
4福岡市1.6699.804+15.5
5札幌市0.9465.557-3.764
6京都市0.9255.434+13.08
7横浜市0.8284.864+35.07
8仙台市0.5933.484+23.28
9広島市0.4292.52+30
10北九州市0.2951.733+29.96
11高松市0.2471.451+17.06
12神戸市0.2321.363+105.3
13金沢市0.2171.275+9.596
14沖縄県0.1430.84+4.38

卸売数量の推移

じゃがいもの卸売数量

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詳細なデータとグラフ

じゃがいもの卸売り市場の現状と今後

2025年6月現在、全国の主要市場におけるじゃがいもの平均価格は156円/kgで、前年同月比で-46.58%と大幅な下落を記録しています。価格の高い都市を見ていくと:

  • 北9州市:187.7円/kg

  • 沖縄県:178.3円/kg

  • 広島市:175円/kg

  • 名古屋市:171.7円/kg

これに対し、主要都市での卸売数量(kt)は以下の通りで、全体として数量は増加傾向にあります:

  • 主要市場:17.02kt(+22.63%)

  • 東京都:5.894kt(+26.45%)

  • 大阪市:2.516kt(+21.43%)

  • 名古屋市:2.087kt(+30.93%)

価格が下落する1方で、卸売数量が大きく増加しているという、市場構造の変化が明らかとなっています。


価格下落の背景にある要因

今回の全国的な価格下落には複数の要因が絡んでいます。

  1. 豊作による供給過多 全国的に天候に恵まれたことで、2025年前半はじゃがいもが豊作となり、市場への供給量が急増しました。

  2. 輸送コストの安定と物流の回復 2024年まで続いた物流混乱が解消され、各産地から都市部への出荷が円滑に行われたことで、供給が集中し、価格が下がったと考えられます。

  3. 需要の1時停滞 家庭用・外食産業ともに消費がやや鈍化し、需給バランスが供給過多に偏った結果、価格下落圧力が強まりました。


都市別の価格と数量の特徴

  • 北9州市:価格は全国で最も高いが、数量は0.295ktと少ない。供給量が少ないゆえの高価格であり、地場消費に依存する傾向。

  • 沖縄県:本土との距離により物流コストが加味され、価格は高止まり。ただし数量は0.105ktと非常に少ない

  • 名古屋市・広島市:価格が高いにもかかわらず、数量も多い(名古屋市2.087kt、広島市0.429kt)ため、流通効率と市場競争がバランス良く働いている印象。

  • 東京都・大阪市:価格は平均程度(159.7円/kg、149.7円/kg)だが、数量は極めて多く、全国の供給センターとしての役割を担う

  • 横浜市・京都市・仙台市:価格は平均的で数量も安定しており、周辺都市の需要を吸収する中規模市場として機能。


じゃがいも生産の地域別動向

日本国内では、北海道がじゃがいも生産の圧倒的な中心地であり、全国シェアの7割超を占めます。2025年は北海道での生産量が平年を大きく上回り、それが全国市場に波及しました。

1方で、9州・東北などでも冬春向けの出荷が安定しており、通年供給の体制が強化されています。契約栽培や品種の改良、機械化の進展により、以前よりも大規模安定生産が可能となってきました。


今後の展望と課題

今後のじゃがいも市場においては以下のような課題と方向性が考えられます:

  • 価格の平準化と需給調整の強化:極端な価格変動を防ぐために、契約出荷や需給マッチング技術の導入が求められます。

  • 加工用需要の開拓:価格下落時でも安定した販路を確保するため、フライドポテトやポテトチップス向けの加工用出荷の強化が有効です。

  • 輸出と地産地消の両輪強化:じゃがいもは海外需要も根強く、また国内では地場流通のニーズもあるため、流通経路の多様化がカギになります。

  • 気候変動リスクへの対応:極端気象や災害への備えとして、耐候性の高い品種の開発と、リスク分散型の作付けが進められるべきです。

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