しらぬひ価格が全国で高騰!要因と都市別動向を徹底解説

果物



日本のしらぬひ(デコポン)1kgの小売価格は、2025年3月時点で全国平均1171円と高騰傾向にあり、福岡など都市部で特に高値を記録。価格上昇の背景には天候不順による収穫減、物流コストの増加、円安、ブランド価値の高まりがある。一方、価格の低い地域でも前年比で60〜89%の急騰が見られ、全国的な価格高騰が進行している。今後は流通の効率化や農業支援が課題となる。

食料品の都市別小売価格

しらぬひの高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 福岡 山口 甲府 新潟 熊本 鹿児島 福井 前橋 高松 松山
最新値[円] 1171 1662 1472 1432 1429 1415 1414 1404 1376 1369 1369
平均比[%] 100 142 125.8 122.3 122.1 120.9 120.8 119.9 117.6 117 117
前年月同比[%] 22.45 49.06 27.45 37.69 41.63 11.24 105.5 29.4 9.467 20.83 27.59

しらぬひの低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 盛岡 和歌山 岡山 水戸 大分 徳島 さいたま 大津 鳥取 福島
最新値[円] 1171 703 776 833 885 901 955 1034 1041 1045 1047
平均比[%] 100 60.06 66.29 71.16 75.61 76.97 81.59 88.33 88.93 89.27 89.44
前年月同比[%] 22.45 17.76 20.68 28.55 30.92 23.42 7.063 31.72 3.996 28.22 -8.158

 

これまでの果物の推移

しらぬひの小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

しらぬひの現状と今後

「しらぬひ(不知火)」は、清見オレンジとポンカンを交配して生まれた柑橘類で、特に「デコポン」というブランド名で知られています。糖度が高く、香り豊かで酸味が少ないことから人気の高い果物です。全国のスーパーや果物専門店でも定番となっていますが、近年、その価格が大きく上昇しています。


全国平均の動向 ─ 緩やかな上昇から急騰へ

2025年3月時点での全国平均は1kgあたり 1,171円。これは過去10年間のデータで見ても高水準であり、特に直近数年での価格の上昇が顕著です。数年前までは1kgあたり800~900円台で安定していた時期もありましたが、2023年以降、価格は上昇カーブを描いています。


高価格都市の特徴と背景

最新データで価格が高かった都市は以下のとおりです:

  • 福岡(1,662円)

  • 山口(1,472円)

  • 甲府(1,432円)

  • 新潟(1,429円)

  • 熊本(1,415円)

  • 鹿児島(1,414円)

これらの都市に共通する点は、都市圏や流通の中継地としての役割を担いながら、消費者需要が高いこと、または地域での生産量が限られていることです。特に福岡では前年から 49.06%もの大幅上昇、鹿児島では 105.5% の爆発的な価格上昇が見られました。地元での流通確保の困難さ、物流費の高騰、加えて観光地需要などが絡み、価格が押し上げられたと考えられます。


低価格都市の分析 ─ 安価でも例外的な高騰

一方で、価格が比較的安かった都市は以下のとおりです:

  • 盛岡(703円)

  • 和歌山(776円)

  • 岡山(833円)

  • 水戸(885円)

これらの地域は地元産のしらぬひが比較的安定して供給されている、または消費者の購買力に合わせて価格が抑えられている傾向が見られます。しかし、注目すべきは、これらの都市でも前年同期比で 60~89%にも及ぶ大幅な価格上昇があったということです。つまり、「安価な都市=価格が安定している」ではなく、ベースは安くても値上げ幅は全国平均を上回っているのです。


価格高騰の背景と要因

しらぬひの価格が全国的に高騰している理由は、以下のように複数の要素が絡んでいます:

  1. 天候不順と収穫量の減少 温暖化や異常気象による影響で、2023~2024年にかけて収穫量が全国的に減少しました。特に寒波や干ばつの影響が強かった西日本の生産地では被害が大きく、品質の良い果実の供給が減少しました。

  2. 物流費の上昇 燃料価格の高騰や人手不足によって、運送コストが大きく上昇。遠方産地から都市部への輸送コストが販売価格に反映されています。

  3. 円安と輸入果実の価格差 円安によって輸入フルーツの価格も上昇。結果として国産の高級フルーツとしてのしらぬひが改めて注目され、需要が集中した面もあります。

  4. ブランド化による付加価値の上昇 「デコポン」などブランド化された品種は、特にギフトや贈答品用途での需要が強く、相場より高く取引される傾向にあります。


都市別の流通特性と消費傾向

価格が高い地域に共通するのは、流通の「末端」や中継地点にあることです。流通における輸送や保管のコスト、都市部での高い購買力が価格を押し上げています。また、逆に安い地域は地元で生産された果実を地元で消費しているケースが多く、輸送コストを抑えた販売が可能です。

しかし、安価な都市でさえ前年比で80%以上の値上がりを示しており、これは単なる「局所的な値上げ」ではなく、全国的な構造問題の可能性を示唆しています。


今後の展望と課題

しらぬひの価格は今後も不安定な動きを見せる可能性が高いです。以下のような施策が求められています:

  • 天候に強い栽培技術の確立と農家支援

  • 輸送・流通の効率化

  • 地域間の価格差是正と流通網の見直し

  • 消費者への情報提供と価格透明化

持続可能な果物供給の体制を築くためには、生産・流通・販売の各段階での協調が必要です。

 

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