さといも支出ランキング:大分・新潟・広島で消費急増の背景分析

根菜野菜

2025年4月の家計調査によると、さといもの月間支出は大分市が82円で全国トップ、新潟市や広島市も高水準。広島市は支出・購入頻度ともに前年比で200%以上の大幅増。全国平均は38円・0.11回と低いが、特定地域では日常的に消費されている実態が明らかとなった。

里芋の月間支出ランキング(二人以上世帯)

2025年5月
降順昇順
都市名支出額[円]全国比[%]前年同月比[%]
全国20100-16.67
1新潟市64320+700
2富山市62310+26.53
3福島市51255+96.15
4北九州市50250+38.89
5相模原市47235+62.07
6宮崎市47235-18.97
7横浜市45225+125
8岐阜市45225+400
9名古屋市39195+44.44
10山形市34170+47.83
11鹿児島市33165+266.7
12奈良市33165+312.5
13高知市29145+866.7
14熊本市29145-45.28
15千葉市29145-39.58
16前橋市28140+33.33
17浜松市27135-25
18川崎市27135+170
19宇都宮市27135+50
20東京都区部24120-46.67
21松江市23115+53.33
22長崎市22110-21.43
23神戸市22110-8.333
24さいたま市21105-46.15
25長野市20100
26金沢市20100-16.67
27福井市20100-23.08
28堺市1995-50
29和歌山市1890+5.882
30広島市1785-26.09
31仙台市1785+54.55
32那覇市1575+150
33大阪市1470-53.33
34鳥取市1365-23.53
35甲府市1365+116.7
36青森市1260+71.43
37静岡市1155-81.36
38津市1155+266.7
39大津市1155-42.11
40高松市1050+100
41福岡市1050-66.67
42大分市1050-16.67
43秋田市840-55.56
44京都市840-76.47
45盛岡市735-41.67
46松山市735-22.22
47岡山市735-22.22
48佐賀市735
49徳島市630+20
50水戸市315-86.96
51札幌市315
52山口市315-80

月間支出の推移

里芋の支出額

世帯当りの月間購入回数

2025年5月
降順昇順
都市名購入回数[回]全国比前年同月比[%]
全国0.06100-14.29
1新潟市0.18300+500
2福島市0.15250+114.3
3富山市0.15250+15.38
4宮崎市0.15250-16.67
5岐阜市0.14233.3+250
6北九州市0.14233.3+40
7横浜市0.12200+71.43
8高知市0.11183.3+1000
9宇都宮市0.11183.3+83.33
10奈良市0.11183.3+450
11相模原市0.1166.7+11.11
12川崎市0.09150+200
13鹿児島市0.08133.3+166.7
14山形市0.08133.3+60
15名古屋市0.08133.3
16熊本市0.07116.7-61.11
17浜松市0.07116.7-36.36
18松江市0.07116.7+16.67
19東京都区部0.07116.7-50
20堺市0.07116.7-46.15
21和歌山市0.07116.7+16.67
22千葉市0.07116.7-53.33
23前橋市0.07116.7
24長野市0.06100
25金沢市0.06100
26福井市0.06100-25
27神戸市0.06100-14.29
28広島市0.06100-25
29さいたま市0.06100-40
30青森市0.0583.33+150
31長崎市0.0583.33-50
32那覇市0.0583.33+150
33甲府市0.0583.33+150
34大阪市0.0583.33-50
35仙台市0.0583.33+66.67
36鳥取市0.0466.67-20
37福岡市0.0466.67-63.64
38津市0.0466.67+100
39大津市0.0466.67-33.33
40京都市0.0466.67-55.56
41高松市0.0350
42静岡市0.0350-83.33
43大分市0.0350-40
44盛岡市0.0233.33-50
45松山市0.0233.33-50
46徳島市0.0233.33-33.33
47岡山市0.0233.33-33.33
48佐賀市0.0233.33-33.33
49秋田市0.0116.67-75
50水戸市0.0116.67-87.5
51札幌市0.0116.67
52山口市0.0116.67-75

月間購入回数の推移

各世帯の平均支出頻度

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

里芋の月間支出の現状と今後

さといもは煮物や汁物などで使われる和食の定番食材でありながら、じゃがいもなどと比べると消費量が限定的で、地域差が大きく現れる食材です。ここでは、2025年4月時点の家計調査データを基に、全国と比較してどの都市で多く支出されているか、そして購入頻度との関係から地域ごとの特徴を丁寧に読み解きます。


支出額上位都市とその背景

最新の全国平均支出は38円と非常に低水準ですが、これを大きく上回る都市がいくつかあります。特にトップは大分市(82円)で、全国平均の2倍以上。次いで新潟市(81円)福井市・広島市(各67円)、福岡市(65円)と続きます。

注目すべきは、広島市(+235%)名古屋市(+127.3%)など、前年比で急激な増加を記録した都市です。広島市の場合、季節行事や郷土料理での使用が1時的に増えた可能性もあり、さといもが「特別な料理」の材料として消費されたことが推察されます。

また、福井市(+116.1%)、大分市(+82.22%)なども堅調に伸びており、地元産の流通強化や価格変動、料理教室などによる需要喚起も影響しているかもしれません。


購入頻度から見る日常利用の傾向

支出金額と併せて重要なのが購入頻度です。全国平均は月0.11回と非常に低い1方で、広島市(0.24回)福岡市(0.23回)、新潟市・宮崎市・大分市(各0.20回)などは平均の2倍程度に達しています。

特に広島市では、支出金額の大幅増加(+235%)と合わせて購入回数も+200%の急増を見せており、家庭での常用化が進んだ可能性があります。こうした都市では、家庭で煮物や鍋料理に使う習慣が根付いていると考えられます。

また、水戸市は前年同月比で+700%の爆発的増加を記録しており、特売や地場野菜キャンペーンなど1時的な要因が影響した可能性が高いです。


地域の特色と今後の傾向

さといもは地域によって利用度に大きな差があり、支出額と頻度がともに高い都市では食文化として日常的に浸透していることが分かります。特に9州(大分市、福岡市、宮崎市)、中部地方(新潟市、福井市)、中国地方(広島市)では、比較的高い利用率が見られました。

1方、同じ高支出圏にあっても熊本市や宮崎市は前年より支出や頻度が減少しており、地域の需要変化や代替食材の影響が出ている可能性も考えられます。

東京や名古屋など大都市圏でも50円台とそれなりの支出があり、里芋の存在感が地域全体で回復傾向にあるとも言えるでしょう。地産地消や健康志向の高まりによって、今後も需要が微増していく可能性は十分にあります。


おわりに:里芋支出から見える地域の食の多様性

1見マイナーな食材と思われがちな里芋ですが、支出データを見ると地域ごとの消費行動の違いが明瞭に浮かび上がります。大分・新潟・広島などでは支出額・頻度の両面で顕著に高く、家庭料理での利用が生活にしっかり根付いていることが分かります。こうした違いを理解することは、地域経済や食育政策を考える上でも重要です。

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