さといも収穫量の推移と主要産地の特徴、課題と展望を解説

根菜類



日本のさといも収穫量は、1973年の約459,000トンから2023年には約126,700トンへと約30%に減少。主要産地は埼玉県、宮崎県、千葉県など。高齢化や都市化、食生活の変化が影響している。今後は、機械化や加工品開発、健康志向の高まりにより、需要拡大と生産効率の向上が期待される。

野菜収穫量のデータとグラフ

さといも収穫量の最大と最新

全国 埼玉 宮崎 千葉 愛媛 栃木 鹿児島 新潟
最新 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年
最大期 1980年 1991年 1988年 1979年 1973年 1974年 1988年 1991年
最新値[kt] 126.7 16.6 12.3 11 10.3 6.72 6.6 5.68
最大値[kt] 458.5 28.3 52.8 85.3 12 32.2 35 11.5
前年比[%] -8.652 -7.263 -9.559 -16.67 15.99 -8.571 -8.84 -11.39
全体比[%] 100 13.1 9.708 8.682 8.129 5.304 5.209 4.483

 

これまでの推移

さといもの収穫量
最新の割合

 

詳細なデータとグラフ

 

さといもについての推移と展望

さといもは、日本の食文化に深く根ざした伝統的な根菜であり、縄文時代中期に伝来したとされています。かつては「いも」といえばさといもを指すほど、主要な作物でした。現在でも、正月料理や芋煮会など、季節の行事や家庭料理に欠かせない存在です。


収穫量の長期的推移

1973年には、全国の収穫量は約459,000トン、作付面積は約31,300ヘクタールでした。しかし、2023年には収穫量が約126,700トン、作付面積が約10,100ヘクタールと、いずれもピーク時の約30%にまで減少しています。これは、農業従事者の高齢化や都市化による農地の減少、食生活の変化などが影響しています。


主要産地の最新状況

■ 埼玉県(16,600トン)

全国の収穫量の13.1%を占める最大の産地であり、収量も高く、安定した生産体制を築いています。

■ 宮崎県(12,300トン)

温暖な気候を活かした栽培が特徴で、全国の9.7%を占める主要産地です。

■ 千葉県(11,000トン)

関東地方の主要産地であり、全国の8.7%を占めています。

■ 愛媛県(10,300トン)

全国の8.1%を占め、収量も高く、品質の良さで知られています。

■ 栃木県(6,720トン)

全国の5.3%を占め、安定した生産を維持しています。

■ 鹿児島県(6,600トン)

温暖な気候を活かした栽培が特徴で、全国の5.2%を占めています。

■ 新潟県(5,680トン)

冷涼な気候を活かした栽培が特徴で、全国の4.5%を占めています。


収穫量減少の背景と課題

収穫量の減少には、以下の要因が挙げられます:

  • 農業従事者の高齢化と後継者不足:若者の農業離れにより、作付面積が縮小しています。

  • 都市化と農地の減少:都市開発により、農地が減少しています。

  • 食生活の変化:食の欧風化や加工食品の普及により、さといもの需要が減少しています。

  • 輸入品の増加:冷凍さといもの輸入が増加し、国内生産に影響を与えています。


今後の展望と対策

● 生産面

  • 機械化と省力化:収穫作業の機械化により、労働力不足の解消が期待されます。

  • 品質向上:品種改良や栽培技術の向上により、品質の高いさといもの生産が可能になります。

● 消費面

  • 健康志向の高まり:食物繊維が豊富なさといもは、健康志向の高まりとともに需要が増加する可能性があります。

  • 加工品の開発:冷凍やレトルトなど、利便性の高い加工品の開発により、消費拡大が期待されます。


おわりに

さといもは、日本の食文化に欠かせない伝統的な野菜です。今後も、地域特性を活かした生産体制の構築と、消費者ニーズに応じた商品開発が重要となるでしょう。持続可能な農業の実現に向けて、技術革新や市場の多様化が求められます。

 

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