世界のさつまいも生産動向:中国とアフリカ諸国の拡大と今後の課題

生産量

2023年の世界のさつまいも生産量は約93.52Mtで、前年より1.4%増加。中国が約55%を占め最大の生産国。アフリカ諸国ではエチオピアの大幅増加やマラウイ、タンザニアの伸びが目立つ。気候変動や土壌劣化が課題で、技術普及と持続可能な農業が今後の成長を左右する。

さつまいもの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界93.52100+1.423
1中国51.6355.21+0.611
2マラウイ8.0458.603+7.4
3タンザニア4.5154.828+5.877
4ナイジェリア4.0854.368-0.358
5アンゴラ1.9982.136+6.67
6ウガンダ1.6491.763+6.849
7インドネシア1.5591.667-22.45
8ルワンダ1.3121.403-4.398
9マダガスカル1.3011.391+0.18
10エチオピア1.2951.385+31.18
11インド1.2891.378+8.868
12アメリカ1.1381.217-9.567
13ブルンジ0.9941.063-8.369
14ブラジル0.9260.99+9.065
15ベトナム0.9150.978-6.291
16メラネシア0.8560.915-0.00738
17パプアニューギニア0.7210.771-0.289
18日本0.7160.765+0.718
19ケニア0.6690.715+11.91
20コンゴ民主共和国0.6080.65+2.896
21カメルーン0.6070.649+4.812
22マリ0.5780.618+27.78
23北朝鮮0.5720.612+1.653
24フィリピン0.5230.56-6.274
25モザンビーク0.460.492-9.884
26エジプト0.4230.453+32.89
27ギニア0.3760.402-2.188
28韓国0.3250.348-3.534
29ペルー0.3050.327+10.68
30バングラデシュ0.3040.325+0.0023
31キューバ0.280.299+4.699
32スーダン0.2730.292+2.331
33ジンバブエ0.2480.265+19.54
34シエラレオネ0.240.257-18.49
35ザンビア0.2350.251+77.16
36チャド0.2180.233+0.146
37ニジェール0.2110.226-9.171
38ガーナ0.1430.153+0.129
39ラオス0.1160.124-9.232
40セネガル0.1150.123+4.244
41アルゼンチン0.1140.121-5.776
42ブルキナファソ0.110.118-4.92
43ソロモン諸島0.110.117+0.215
44赤道ギニア0.1010.108-0.186
45オーストラリア0.09150.0978+2.596
46ウルグアイ0.08280.0885+0.317
47ベナン0.07750.0828+36.91
48メキシコ0.0770.0823+23.2
49南アフリカ0.07610.0813-13.21
50ドミニカ共和国0.0750.0802+20.56
51ミャンマー0.06190.0661+0.365
52コートジボワール0.05970.0638+1.702
53スリランカ0.05360.0573+18.91
54ジャマイカ0.04880.0522-19.29
55ギニアビサウ0.03990.0427-2.394
56カンボジア0.03860.0413-1.694
57ホンジュラス0.0280.03+10.65
58イスラエル0.02770.0296-9.273
59パラグアイ0.02640.0282-13.07
60マレーシア0.02550.0273-42.88
61パキスタン0.02510.0268+77.25
62リベリア0.02470.0264+0.15
63ガイアナ0.02130.0227+3.816
64ベネズエラ0.01980.0212-0.635
65チリ0.01540.0164-0.303
66ハイチ0.01440.0154-86.84
67フィジー0.01260.0134+16.77
68モロッコ0.01260.0134+7.19
69バヌアツ0.01180.0126-0.0254
70ニュージーランド0.01160.0124+1.347
71コモロ0.01090.0116+2.612
72エスワティニ0.009830.0105-48.52
73コンゴ0.009540.0102+0.118
74ソマリア0.008970.00959+0.5
75トーゴ0.007930.00848-20.08
76ポリネシア0.007240.00774+0.457
77トンガ0.006570.00703+0.324
78ボリビア0.005350.00572+18.57
79モーリタニア0.005270.00564+0.164
80東ティモール0.004960.0053+9.337
81グアテマラ0.004260.00456-16.52
82エクアドル0.004220.00451-0.34
83ガボン0.003880.00415+1.2
84ミクロネシア0.003120.00334+0.0324
85パレスチナ0.002890.00309+0.466
86バルバドス0.002790.00298+9.757
87ドミニカ0.002370.00253-0.495
88モーリシャス0.002350.00251+33.37
89カーボベルデ0.002190.00235-21.7
90バハマ0.001770.00189+0.0972
91コスタリカ0.001170.00125-26.13
92ボツワナ0.001130.0012-3.813
93セントビンセント・グレナディーン0.0008360.000894-17.55
94トリニダード・トバゴ0.0008250.000882-29.18
95エルサルバドル0.0007640.000817-0.32
96スリナム0.0006290.000672+37.96
97ニューカレドニア0.0005580.000597-1.397
98グレナダ0.0004790.000512-29.04
99セントルシア0.0004210.00045-41.77
100プエルトリコ0.0003570.000381+9.368
101イエメン0.000320.000342+1.356
102クック諸島0.0002990.00032-0.323
103アンティグアバーブーダ0.0002980.000319+105.2
104ブルネイ0.0002880.000308+0.629
105パナマ0.0002650.000283-9.048
106ニウエ島0.0002520.000269+0.0437
107ベリーズ0.000210.000225-9.091
108セントクリストファーネイビス0.0001760.000188+39.68
109フランス領ポリネシア0.0001170.000125+12.03
110クウェート3.36E-53.6E-5+3.827
111ブータン3.34E-53.57E-5+19.83
112モルディブ3.13E-63.35E-6+1987
113シンガポール2.3E-72.46E-7
さつまいもの生産量
さつまいもの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

さつまいもの現状と今後

2023年の世界全体のさつまいも生産量は約93.52百万トン(Mt)で、前年から約1.4%の増加となっています。長期的には人口増加や食糧多様化のニーズにより、アフリカやアジアの多くの地域で生産が拡大してきました。栽培技術の進歩や新品種の導入により収量改善も見られますが、地域によって生産増減の差が顕著です。


主要生産国の特徴と動向

中国(51.63Mt / 世界比約55.2% / +0.61%)

世界最大の生産国で、全体の半数以上を占めます。多様な気候帯を利用し、主に南部から東部にかけて大規模に栽培。政府の支援や市場需要の拡大により安定した生産が続いています。


マラウイ(8.05Mt / 8.6% / +7.4%)

アフリカ南東部の小規模農業中心の国ですが、さつまいもは重要な食糧作物。気候適応性の高い品種導入と栽培技術の普及により生産が拡大しています。


タンザニア(4.52Mt / 4.8% / +5.88%)

東アフリカの主要生産国で、農村部の収入源としても重要。小規模農家が多く、気候変動に強い品種の育成が進められています。


ナイジェリア(4.09Mt / 4.4% / -0.36%)

西アフリカ最大の生産国の1つですが、2023年はわずかな減少。気候変動や土壌劣化の影響が懸念されています。


アンゴラ(2.0Mt / 2.1% / +6.67%)

回復途上の農業セクターでさつまいもは重要な主食。生産は増加傾向で、食糧安全保障の役割を担っています。


ウガンダ(1.65Mt / 1.8% / +6.85%)

小規模農家による生産が主体。市場アクセス改善や栽培技術普及が生産増に寄与。


インドネシア(1.56Mt / 1.67% / -22.45%)

東南アジアの大国ですが2023年は大幅減少。天候不順や土地利用変化の影響が考えられます。


ルワンダ(1.31Mt / 1.4% / -4.4%)

小規模農業国で、気候変動や土壌問題が生産に影響。生産減少が目立ちます。


マダガスカル(1.3Mt / 1.39% / +0.18%)

安定した生産基盤を持ち、食料供給の1翼を担う国です。


エチオピア(1.3Mt / 1.39% / +31.18%)

東アフリカで急速に生産拡大。新技術導入や品種改良、農家支援が功を奏し大幅増加を記録しました。


生産における課題

  • 気候変動の影響:旱魃や洪水、気温上昇が生産安定性に影響。

  • 土壌の劣化:過剰な耕作と栄養不足が収量減少を招く。

  • 農業技術の格差:先進技術が普及していない地域では生産性が伸び悩む。

  • 市場アクセス・インフラ不足:収穫後損失や価格変動のリスクが高い。


将来展望と予測

さつまいもは栄養価の高さや気候適応性から、今後も食糧安全保障や貧困緩和に重要な役割を担うと見られます。特にアフリカ諸国での生産拡大が期待され、持続可能な農業技術の導入や品種改良が進むことで安定供給が見込まれます。1方、東南アジアなどでは気候影響や土地利用の変化による生産変動に対処する必要があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました